どちらも勝利者!
しばらく様子をうかがいながら、斬り結んでいると、後ろから魔法が飛んできた!
「ちっ!?」
アルデバランを狙った炎を後ろに飛んで避ける。そこにガイが突きの態勢で狙う!
「逃さない!秘技《赤突》!!!」
ガイの刀剣が赤く染まり、アルデバランに襲い掛かった。アルデバランは着地の瞬間を狙われ回避が出来ない!ガイの赤突は、相手が喰らうと、出血が止まらなくなる状態異常を起こす。ヒールでは傷口が阻害され回復しないのだ。故に、傷口の場所によってはかなり危険な技といえる。
「ぐっ!」
アルデバランはまた上体を反らして、腕に赤突を受けた。ガイの剣はレイピアの様に細いため、腕を貫通したのだった。
「………勝負ありだ!俺の赤突の効果を知っているな?敗けを認めろ!命に関わるぞ!」
ガイは純粋に心配して忠告をしたが─
「まだ終わっていない!!!」
アルデバランの気合いはガイを驚かせた。そして腕の剣を抜こうとしたが………抜けない!?
アルデバランが筋肉に力を入れて、抜けなくしたのだ。無論、激痛が走り気合いで耐えているのだが!?
「バカな!?」
アルデバランの意外な行動に、ガイは硬直してしまった。それが致命的な隙となる!
「武技《一閃》!!!!」
片腕で剣を真横に薙ぎる。攻撃はガイの鎧の銅にまともに決まり、物理攻撃を緩和させる効果があっても、防ぎ切れず鎧を破壊し身体に剣の刃が食い込む!
「があぁぁぁぁあああああああ!!!!」
ガイは剣から手を放し、その場で膝を付く。アルデバランはトドメを刺そうと剣を振り上げるが、ガイのパートナーが魔法を放ちアルデバランを弾き飛ばした。
ここで両者とも距離が出来たため、お互いのパートナーがヒールを掛けて傷を回復させる。アルデバランは、片手をぶら下げたまま、すぐにガイに立ち向かい攻撃を加える!ガイは傷が深く立ち上がれない!?
「決める!武技!!!」
片手ではあるが、突進のスピードの乗ったアルデバランのダッシュアタックがガイに当たる瞬間、ガイのパートナーが防御結界を張り防ぐ!
「まだだ!貫けーーーーーーー!!!」
アルデバランの気合いの一撃に、防御結界は砕けちりガイのパートナーは吹き飛ばされ、気を失った。
「はぁはぁ!今度こそトドメを!」
ダッシュアタックのため、ガイを素通りしてしまったために、弧を描き戻ってくるアルデバランに、ガイは片膝を付きながら迫るアルデバランを見据える。
「がはっ……はぁはぁ、これは対グラン戦に取って置きたかったんだがな……」
スーッと腕を伸ばし、手をピストルの形にしてアルデバランを狙う。
『何をする気だ?剣も離れた場所にある。魔法を使っても自分のチャージアタックなら弾き飛ばせる!』
アルデバランのチャージアタックは、空気の層を作り、多少の魔法なら弾き飛ばせるのだ。
このまま突っ込むアルデバランにガイの技が炸裂する!
「決めるぞ!ガーーーーイ!!!!!」
「舐めるなよ!?アルデバラン!!!!!」
「必殺!!!」
「秘奥技!!!」
剣を使わないガイの指先から、赤い閃光が迸る!アルデバランの空気の壁を突き破り、アルデバランの身体を貫いた!闘気を指先から針として放つ近距離技で、毒、麻痺、出血の3つの状態異常を引き起こすガイ・キャンサーの奥の手であった。
「がっはっ!?」
アルデバランは倒れそうになるが、勢いのままガイに突進し、ガイを鎧ごと弾き飛ばした。
ドッン!ドンドン!
バウンドしながら吹き飛んだガイは完全に沈黙し、アルデバランもそのまま倒れた。
そして─
『試合終了ーーーーーーーーーーーー!!!!!アルデバラン選手のパートナーのみ立っているため、アルデバランペアの勝利でーーーーーーー!!!!!』
そう、これはペア戦のためガイとアルデバランが引き分けでもパートナーが残っていれば勝ちなのだ。ガイのパートナーはガイを守る為に、先に倒れてしまっていた。故に最後まで残っていたアルデバランの勝利となったのだ。
最後まで勝ちを譲らなかった両者に惜しみない拍手と歓声が、いつまでも鳴り響いていたのだった。
愚者の声
「バトルばかりでネタが尽きました…………誰かネタ頂戴!」
щ(゜▽゜щ)




