激戦!
しばらく様子見の状態が続いたが、お互いに距離を取った時、試合は動いた。
「ふぅー!そろそろ本気で行くとしよう!」
シャンテの魔力が高まった!グランも構えをとり準備に入った。
「風よ。我が身に集いで力と成せ!支援魔法ウィンドムーヴ!」
シャンテの身体に緑色の膜が出来て全身を覆った。そして次なる強化も施す!
「ストロング!ディフェンス!」
支援魔法で攻撃力と防御力を底上げする。一方、グランも双剣に魔法を掛ける!
「それが噂に聞く氷炎の双剣ですか?2つの異なる属性を宿らせる秘技……流石ですね!」
「お主もな!わかるぞ!先ほどまでとは比べ物にならないくらい、強くなっていることをな!」
「我がスキル《風神の加護》は風の魔法、スキルの効果を2倍にし消費魔力も半減する!その風の力の複合技を味わってみるがいい!」
シャンテは飛び出すと、先ほどとは比べ物にならないスピードで駆け出した。グランも火と氷の双剣を構える。
「いくぞっ!」
シャンテはサーベルを上から下へと振りかぶり、全力で斬り掛かった!
ガギッン!!!
「ぐっ!?」
風を纏ったシャンテの全力攻撃に堪えきれず吹き飛んだ!?
ザザザッ!!!
「ちっ!」
受け身を取り、シャンテを見据えるがすでにシャンテの姿はなく─
「そこかっ!」
右側から廻り込んできたシャンテの追撃をガードした。シャンテはそれでも止まらずに連続で攻撃を仕掛ける!
「はっ!はっ!やぁ!!!」
キンッ!キンッ!と金属音が鳴り響く。お互いに相手の隙を探しながら慎重に攻撃を続ける。グランはシャンテのサーベルを受け流し、僅かな隙を作った!
「しまっ!?」
「武技《氷炎四連斬》!!!」
グランの必殺技の異なる2つの四枚の刃が襲う!
「武技!」
一瞬、シャンテのスピードが上がり後ろへ距離を取った!
「………浅いか?」
グランの決め技を間一髪で避けたシャンテであったが、完全には避ける事が出来なかったようだ。
「ぐっ………はぁはぁ!」
シャンテの身体を守るミスリル製の軽装鎧には2筋の剣激の後が残っており、肉体にまで及んでいた。鎧の隙間から血が、ポタポタと地面に伝い落ちている。
「危なかった………奥の手を使わなければ殺られていたわ」
シャンテは身体に纏う風の力を上げた。
「剣術では分が悪いようだ。私の最大火力で勝負するわ!受けて見るがいい!」
シャンテの闘気と魔力の両方が高まっていく!
「風よ。我が剣に集いて力と化せ!」
シャンテは腰を落とし、サーベルを一直線に構えて手を剣先に添える。
そして最大限に高まった力を一気に解放する!
「風よ!我が前に立ち塞がる敵を打ち砕け!秘奥義!!!!」
空気を凝縮させ、一転突破の爆風と空気の塊が襲い掛かる!
グランも目を閉じて集中力を高めていた。
「子供達が見ているのだ。真っ向からぶつかってやろう!」
シャンテの必殺技がグランに迫る!
「俺の更なる一手!我が家に伝わる剣技をみるがいい!秘技《天水乱星》!!!」
アクエリアス家に伝わる剣術の奥義。水の流れのように相手に迫り、闘気で降り注ぐ剣の流星を浴びせる!本来は一本の剣で行う技を双剣でアレンジしたグランのオリジナルの技であった。
ゴゴゴゴッ!!!!
バーーーーーーン!!!!
二人の技がぶつかった瞬間、爆発を起こしバトルフィールド内は凄まじい衝撃波が生まれ、煙りが充満し視界を塞いだ。
「お父様!!!!?」
シオンは叫んだ!観客も息を飲んで煙りが晴れるのを待った。
3分ほどして段々と視界が晴れていくと、中央に立っていたのは─
『立っていたのはグラン選手です!シャンテ選手を抱き抱えています!シャンテは意識消失中の為、準決勝はグラン選手の勝利でーーーーーーす!!!!』
傷付いたシャンテ選手を抱いて試合会場を出ていくグランは、選手の入場口にいた医療班に渡すとその場を後にした。
「もう!お父様ったら!心配して損したわ!」
「いやいや!傷付いた相手を助けるなんて紳士的じゃないか?」
グランの無事に素直になれないシオンだった。そして意外にもお母様も厳しい目をしていた。
「これはマズイわね………」
「お母様、どうしたのですか?」
レイラの様子にシオンは尋ねる。
「いえ、今はまだ大丈夫よ?」
何が今は大丈夫なのか?と聞けないシオンだった。
そしてもう一組の準決勝が終わり、決勝戦は亜人連合国の熊型の獣人ボリスであった。
間もなく決勝戦だ!
愚者の声
「バトル物は難しいですねー!」




