剣魔大会前日─
続々と剣魔大会の参加者達が、エトワール国が運営する高級宿屋へとやってきた。
「グランさん!お久しぶりです!剣魔大会ではお互いに頑張りましょう!」
「おお!アルデバラン!剣魔大会では貴公の活躍も楽しみにしているぞ!」
若き獅子に激を飛ばし、キツイ握手を交わした。
「おや?過去の遺物の年寄りがいるぞ?」
後ろから小馬鹿にしたような声が聞こえてきた。
「ガイ!貴様!グランさんに何て口を聞いているんだ!」
アルデバランの方が反応し、噛みついた!
「黙れ!アルデバラン!若手のホープだからと言って序列16位のお前、二桁台と序列8位の一桁台のこの俺、ガイ・キャンサーの方がランクが上なんだ。口の聞き方には気を付けなっ!」
自分のランクに絶大な自信を持つこの男は、ガイ・キャンサーと言って、キャンサー伯爵家嫡男の23歳である。20歳を越えてから頭角を現した実力者である。去年の剣魔大会ではシングルでベスト4に入った強者でもある。
「去年は準決勝で負けたが、今年は優勝を狙いにいく。過去で優勝したと言っても、今なら俺の方が強いぜ!」
グランはバカにされても一切動じず、静観していた。
「自信を持つのは悪い事ではないが、相手の実力をしっかりと見定めないと初戦で敗退するぞ?」
「はっ!説教かよ?これだからおっさんは嫌になる…………ぜっ!」
ガイは抜刀しようと腰の剣に手をやる!
キンッ!
「なっ!?」
腰の剣に手をやった瞬間には、グランが剣を抜き、剣先を目の前にやっていた。
「………こういう事だ。闘気を隠し、行動の瞬間に爆発的に発揮する。今のお前では、実力を隠す者にとっては油断を誘われ、負けるだろう。もっと相手の実力を測る眼を養っておけ」
グランは音もなく剣を鞘に納めると、アルデバランに一言いって後にした。
ドサッ!?
「ハァハァ!マジかよ………」
グランが居なくなってから、グランの闘気に当てられその場に膝を付くガイが、アルデバランに言った。
「アルデバラン、グランの抜刀が見えたか?」
「………いや、見えなかった。気付いたら剣を突き刺していた」
「だよな………?」
冷や汗をかきながら、去ったグランの廊下を見る。
「少し実力を見るつもりだったが、悪い夢だぜ?勝てる気がしねぇよ」
剣魔大会ではある程度はバラけるが、勝ち進めば、同国の選手同士がぶつかる事もあるのだ。
「グランさん、前に大会で闘った時より強くなってる。自分もうかうかしてられない!訓練をしなければ!」
アルデバランは宿屋の地下にある訓練所へ向かうのだった。
「お、おい!今から訓練だと!?剣魔大会はすぐなんだぞ!?」
ガイもアルデバランを追って訓練所へ向かうのであった。
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剣魔大会前日─
「さて、宿屋のチェックで大会参加者が全員揃った事が確認されました。ささやかながら、剣魔大会の優勝を願う祝杯を上げましょう!」
幹事の方が乾杯の音頭を取る。
「アクエリアス公爵様から差し入れがあり、冷たいエール、ラガービールが用意されています!明日の試合のある方はほどほどに、今夜は楽しんで下さい!では、乾杯ーーーー!!!!
「「「乾杯ーーーー!!!!!」」」
ゴクゴクゴクッ!!!
ぷはっーーーー!!!!!
旨い!!!!!
(そこの君はどこのビールが好きかな?作者はアルコール類はダメなので味が分かりません)
「これがちまたで話題の冷やして飲むエールか!?」
「なにこれっ!?喉越しが凄く良いわね♪」
「ワインよりいくらでも飲めそうだ!」
ワイワイ、ガヤガヤ!
「アクエリアス公爵様に乾杯だぜ!」
ワーーーーー!!!!!
「お父様、よろしいのですか?」
羽目を外している参加者にシオンが尋ねた。
「まぁ、少しぐらいなら良いだろう。それに、今年は初出場の選手が多く、選手間の繋がりが薄くて緊張していたからな。息抜きをして明日からの大会にはベストな状態で挑んで欲しいんだよ」
お父様の気持ちはわかりますが、明日は本当に大丈夫なのだろうか?朝になったら屍の山が出来ているのでは?と思うシオンだった。
そしてそれは現実となり、一部の選手が二日酔いで死んでいたので、ヒールとリフレッシュの魔法を掛けて復活させたのは秘密デス!
愚者の声
「すみません。次回からバトルスタートです!」
(ちなみに、作者はアルコールがダメなので忘年会や新年会の時は皆のアッシーになります。………何か?)




