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異世界転生戦記!少女は能力を封印されて、異世界で勝ち上がっていく(仮)  作者: naturalsoft
第2章:幼少期・公式戦編

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お母様は最強!

水の龍を巧みに動かし、グランを移動させながら襲いかかる!一方、アルデバランは突進が止まりスキルが働いていなかった。


水の龍が口を開きアルデバランを噛み砕こうとする!


「くっ!?」


横に飛び去りギリギリで避ける。しかし、水の龍は後方にいたアルデバランのパートナーにそのまま襲い掛かった。


「タッグ戦だ!悪く思うなよ!貴公も侮れぬからこそ先に潰す!」


水の龍か飛び出したグランは魔術師に攻撃を喰らわせ、そのまま地面に崩れ落ちた。


「くそっ!?」


アルデバランは考えるよりも速く動いた。こちらも魔術師を狙うためレイラに全力突進した。


「喰らえーーーー!!!」


チャージアタックを発動したが─


バシャッ!!!?


「な─!?」


レイラにぶつかった瞬間に水風船のように破裂した。水で創り出した水人形だったのだ。


「残念だったわね?」


振り返ると、水の龍の中からレイラが出てきた。そして水の龍は上空に浮いており、遠距離攻撃の持たぬアルデバランには攻撃手段が無かった。


「さて、私も久々に本気の技を使おうかしら♪」


レイラは水の龍の背に乗りながら詠唱を開始した。アルデバランもバカではない。その時間、グランに突進し乱戦に持ち込んでいた。


「大きな上位呪文なら貴方を巻き込まないように放てないはず!」


キンッ!


「流石に場数を踏んでいるなっ!」


お互いに斬り結ぶ!


「お待たせ~」


上を向くと、水の龍が8体に増えていた。


「う………そだ……ろう?」


アルデバランは声が渇いていた。魔法で水の龍を一体作り出し、自在に動かすだけでも膨大な集中力と魔力を必要とする。それが8体とは……


「秘技 《水のヒュドラの舞》喰らいなさい!」


グランとアルデバランがつばぜり合いをしているのに水の龍が襲いかかる!


最初の一体がグランを呑み込んだ。


「なんで!?」


そして、残り7体の水の龍がどんどんアルデバランに襲い掛かった!


一体、二体と右左と避けるが次々に襲ってくる水の龍に対処出来なくなり、遂に背中から体当たりを喰らい会場の結界に叩き付けられた。


地面に転がるアルデバランはピクリッと動かない。そして─


「アルデバラン選手、意識消失ーーーーーー!!!準決勝はアクエリアス夫婦ペアの勝利でーーーーーす!!!」


司会の勝利宣言に会場が一気に歓声が響き渡った。


「しかし、最初に呑み込まれたグラン公爵は大丈夫なのでしょうか!?」


すると、水の龍から無傷のグランが出てきて、ゆっくりと地面に降り立った。


「おおっと、グラン公爵は無事だーーー!!!怪我1つしていないぞ!!!」


ワァーーーー!!!!!


そこに意識を取り戻したアルデバランがよろよろとやってきた。


「まさか、最初にグランさんを呑み込むなんて思いませんでした。完敗です」

「信用していたからな」


負けたのは悔しいが、すっきりした顔をしていた。


「貴公も素晴らしい戦いだった!出だしはヒヤッとしたぞ?」


「本気を出したグランさんと戦えて嬉しかったです。全盛期の時以上の力を感じました。お互いに剣魔大会、頑張りましょう!」


お互いに握手をした瞬間、また大きな歓声が上がり、お互いを讃える声援があっちこっちから飛び交った。


「決勝戦、頑張って下さい!」

「ああ!ありがとう!」


そして試合会場を後にしたのだった。


「ふわぁ~凄かったね~」

「ああ、封印を解除した時の力に鳥肌が立ったよ」

「でも、本気のお父さんとお母さんに食らい付いていったアルデバランさんも凄かった。水の龍の様に変則的な動きをする魔法じゃ無かったら、なかなか対応は難しかっただろう。お父さんが鎖帷子を着こんでくる訳だよ」


シオン達は今の試合を分析し、ここが良かった。あそこが気になったなど談義していた。


そして、決勝戦!


決勝戦の相手はランキング47位の剣士ペアだった。


「いいな、あれだけの大技を使って一時間以内で回復する訳がない。速攻でいくぞ!」

「ああ、スキル全開でいくぜ!」


両者が試合会場に入り─


「さぁ!始まります決勝戦!タッグ戦では珍しいペア同士が剣士というランキング47位ソードマスターペア対、準決勝では最大の盛り上がりを見せてくれたアクエリアス夫婦ペアの決勝戦を始めます!さぁ、両者とも準備はよろしいでしょうか?ランキング公式戦大会決勝戦…………始めーーーーー!!!」



「いくぞっ!!!」


二人の剣士が飛び出した。1人がグランを抑え、その間にレイラを倒す作戦だった。しかし前方を見てみると………えっ?


レイラが前に出ており、グランが後ろにいたのだ。


「なんだとっ!!!?」


一瞬、戸惑ったが決勝まできた手練れである。スピードを落とさずにそのまま二人で斬り掛かった!


ガキッン!!!


二人の剣は地面を穿った。レイラは足に水を纏わせ、素早い動きで二人の後ろへと周り込む。


「速いっ!?」

「だが、捕らえ切れないほどではない!」


レイラはグランと同じく水で双剣を作り出し、剣士に斬り掛かる!


「ちっ!」


キンッ、キンッ!シュッ!


水の双剣と足に纏わせた水の高速移動で、本職の剣士二人を相手取り、優勢を保っていた。


「なめるなよ!武技 《大切断》!!!」


闘気が剣に込められ、巨大な剣撃の刃がレイラを襲う!?


「そんな水の剣など貫いてくれる!」


ドッカーーーーーン!!!


パラパラッと土煙が立ち込めた。


剣士達は土煙が収まるまで、背中合わせになりグランとレイラから目を離さない。


「う~ん?攻撃力は今一つかしら?」


レイラの姿が見えて来ると、レイラは無傷であった。空中に水の剣を10本ほど創り出し、その水の剣がスキルの剣撃を防いでくれていた。


「今度はこちらから行くわよ!」



不敵に微笑むレイラの反撃が始まる!





愚者の声

「またお母様の強さを書き切れ無かった………」


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