戦いの果てに─
歓声が響き渡った。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!
やったーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
「やったよ~!」
「やりましたわ♪」
「やったのじゃー!」
「よしっ!!!!」
各自が喜びに沸いた。しかし、女神リューシンと女神セレスティーナは油断なく邪神のいた場所を見つめていた。
「セレス?どうしたの?」
シオンが近付くと、セレスティーナが叫んだ!
『シオン!来てはダメ!邪神はまだ滅んでいない!』
セレスティーナが叫んだと同時だった!クレーターから黒い瘴気が溢れ出し、シオンへ襲い掛かった!
『させん!《光の障壁》!!!』
女神リューシンが光の壁を作り、邪神の瘴気を防いだ。
『ぐっ!?最後の悪足掻きを………!?』
『殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!』
すでに自我が崩壊しているのか、黒い瘴気から邪神の怨嗟の声が響き渡る。
『クソッ!力が………』
大技を放ったばかりで、極端に魔力が落ちている状態で、邪神の瘴気を防ぐのに限界があった。
バッリッーーーーン!!!!!
邪神の瘴気は女神リューシンを素通りし、シオンに襲い掛かった!
「このーーーー!!!!」
シオンは邪神の瘴気を魔力の刀で斬るが、瘴気は止まることなくシオンを包み込んでしまった。
「シオーーーーーン!!!!!」
レグルスは邪神の瘴気に飛び込んだが、弾き飛ばされた。
「ぐわっ!?」
レグルスの元に各チームが集まる。
「大丈夫か!?」
「俺の事よりシオンを!!!!」
レグルスは叫ぶが、すでにシオンは黒い瘴気に包まれ姿が見えなくなっていた。
『クククッ!この小娘をドロドロに溶かしてやったわ!あはははははははは!!!!!!!』
邪神は狂ったように笑い続けた。
「そ、そんな………」
「嘘よ!!!!」
「あ、ありえない!」
「シオンが死ぬわけ………」
邪神の笑い声に絶望していく仲間達、女神リューシンですら目を反らし、自分の不甲斐なさに震えている。
その時だった!邪神の瘴気から光が溢れてくたのは………
『ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!』
溢れる光は邪神の瘴気を浄化し、ダメージを与える。そして、薄れていく瘴気から横たわるシオンの姿が見えた。
「シオン!!!!」
レグルスは痛む身体でシオンに近寄ろうとしたが、女神リューシンがそれを止めた。
『待て!誰か………いる!』
シオンの側に光輝く物体があり、それはだんだんと人の形を作っていった。それを見たセレスティーナは口を抑え息を飲んだ。
『セレネティーア………なの?』
かつて、戦いに敗れ消滅した妹のセレネティーアだった。
『お姉様……私はシオンに加護を与えた際、魂の一部を加護に移していました。魂の残りカスです。でも、最後に邪神からシオンを救えて良かった……』
『セレネティーアーーーーーーー!!!!!!!』
セレスティーナは叫びながら手を伸ばす。
しかし、手の届く瞬間にセレネティーアは光の粒子となって消えていった。
『最後にシオンを守れて良かった………ありがとう。そしてごめんなさい………』
そう言ってセレネティーアは完全に消えていった。
『女神セレネティーア…………大きな借りが出来てしまったのぅ………すまん!そしてありがとう!』
女神リューシンは目を閉じて黙祷を捧げた。
『今度こそ邪神の消滅を確認したわ。もう大丈夫よ!』
涙を拭きながら女神セレスティーナは拡声魔法を使い邪神の消滅を宣言した。
こうして因縁のある邪神との戦いは決着したのだった。
愚者の声
「長い間、お付き合い頂きありがとうございます!エピローグを挟んでもうすぐで完結となります!」