いつか3人で
僕は緊張しつつ脱衣室の扉をそっと開けるとそこには全裸の少女が!!
いませんでした……ミイちゃんはタオルを身体に巻いてそこで待っていた。
「お兄ちゃん遅いですうう」
「ああ、ごめんごめん」
僕は素早く服を脱ぎ…………。
「えっとミイちゃん……先に中に入って待ってて」
「はいですう」
ミイちゃんはテトテトと裸足を鳴らして脱衣室から浴室に入って行く……僕は服を脱ぐと置いてあったタオルを腰に巻く……。
「あーーあ」
ふと見ると床にはミイちゃんが脱ぎ散らかした服と下着がそこらに散らばっていた。
僕はそれらを拾っていると『コンコン』ノックの音が
「あ、はい?」
僕がそう言うと扉が開き凛ちゃんが入って来る。
「あ……真くん、これミイの着替え………………何してるの?」
凛ちゃんがミイちゃんの着替えを持って脱衣室に入って来るなり僕を見て表情が氷の様に固まった。
「え?」
「…………ミイのパンツ持って……何してるの?」
「あ! いや、ち、違う! これ床に散らばっていたからで」
僕は小さいピンクのパンツを握りしめ、凛ちゃんにそう言い訳をする……まだほんのりと暖かいパンツを強く握りしめ……。
「お兄ちゃんまだですかあ?」
浴室の扉を少し開けて中からミイちゃんがこっちを覗き見る……。
「キ……ほら早く行って」
「……あ、うん……」
凛ちゃんはキモいという言葉飲み込み、そう言うと僕の持ってるパンツや服を受け取り背中をポンと叩いた。
凛ちゃんに背中を押される様に浴室に入ると、ミイちゃんが少し震えながら立ったまま待っていた。
「あああ、ご、ごめん寒かったよね?」
「お兄ちゃん……遅いですうう」
「うん、ごめん……えっと……もうとりあえず中に入ろう」
ミイちゃんが震えていたので二人で軽くお湯をかぶりミイちゃんが先に浴槽に入る。
それほど大きくない浴槽だが小さなミイちゃんと二人ならば十分に入れる……凛ちゃんと二人だったらちょっと厳しいかも……って僕は何を想像しているんだ……。
「暖かいですうう」
「うん……って……な、何脱いでるの!」
僕が凛ちゃんと一緒になんて想像しているうちに、いつの間にかタオルを外していたミイちゃん……いや……えっと……まずくない?
「えっと……お兄ちゃん中に入る時はタオルは外さないといけないですうう」
「それは温泉のはなしで……わかったよう」
既に湯船に浸かってこっちを見ているミイちゃん……ちなみに入浴剤が入っているので肩まで浸かっているミイちゃんの裸は殆んど見えていない……。
僕をじっと見ているミイちゃん……えっとそんなに見られると……恥ずかしい……。
「あ! ミイちゃん上に!」
「?」
僕がそう言うとミイちゃんは天井を見上げた……僕はその隙に腰からタオルを外すと素早く浴槽に入った。
慌てて入ったので浴槽から勢い良くお湯が溢れる。
「ふえええええ」
さらに波打つ水面が肩まで浸かっていたミイちゃんの顔にかかる。
「ああああ、ごめん」
肩まで浸かりミイちゃんと同じ目線になった僕は腰から外し持っていたタオルでミイちゃんの顔を拭いた。
「うへへへ」
顔を拭くとミイちゃんは僕を見て満面の笑みに変わる……その天使の笑みに僕も思わず顔が綻ぶ。
「お兄ちゃんとお風呂楽しいですうう」
機嫌よくチャプチャプと水面を手で叩きながら嬉しそうにミイちゃんは言った。
「……そうだねえ」
兄妹のいない僕は妹とお風呂とかわからないけど……でも……こんな気分になるんだろうか? 恥ずかしいけど……なんか楽しい……。
「ミイずっとずっと……お父さんと入りたかったですうう……」
「……そか」
ミイちゃんはそう言うと今度は少し悲しそうな顔に変わった。
「お姉ちゃんとも入りたかったですうぅ……でもお姉ちゃんもずっとずっとずっと入ってくれなくて……今日も入ってくれなくて……ミイお姉ちゃんに嫌われているですか?」
「え?」
「お姉ちゃん……なんだかどんどんミイに冷たくなってきて……お家からいなくなって……ミイ……寂しくて……」
「そ、そんな事……無いよ」
「……本当ですか?」
「うん……こんなに可愛いミイちゃんの事嫌うわけ無いよ」
僕はそう言うとミイちゃんの頭を撫でた……サラサラとした髪をワシャワシャと少し強めに撫でる。
凛ちゃんはミイちゃん本人を嫌っているわけじゃない……ミイちゃんの面影に亡きお義父さんの事を思い浮かべてしまっているだけ……。
「うへへへへ……気持ち良いですう」
「そか……」
「お兄ちゃんはお姉ちゃんの恋人さんですか?」
「え?」
「お姉ちゃんがお兄ちゃんと結婚すればミイの本当のお兄ちゃんになってくれるですか?」
「え? あ、まあ……義理の兄だよね? って結婚!」
「そうしたら3人で一緒にお風呂に入るですうぅ」
「……うん」
「皆で入ればもっともっと楽しいですうぅ」
「そうだね……そうなると良いね」
僕はおこがましくも思った。凛ちゃんの傷を治したいって……僕なんかに凛ちゃんの深い傷を癒せるとは思えないけど……でも……それでも……少しでも楽にさせてあげられたらって……そしていつか凛ちゃんがミイちゃんとも、仲良く出来たらって……そうさせられたらって……。
ミイちゃんは湯船に口まで浸かり、ブクブクと水面に泡をたてて遊んでいる……。
その姿をも見て、なんとも言えない幸福感が押し寄せて来る。
だって……もしも……もしも僕が将来結婚して……子供が出来たら……こんな風になるんだって、そう実感出来たから。
そしてその相手は……今僕がそう思える相手は……。
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