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クリスマスは誰と


 まだサポーターは取れないし、走ったりは出来ないが、松葉杖をつかわなくてもよくなり、ようやく一人で普通に歩けるようになった。

 本当に泉や愛真、凛ちゃんには凄く迷惑をかけた。

 なにかお礼をしなければと僕はそれぞれに聞いたが、皆そろって「いいよ」って言ってくれた。


 でも……それじゃ僕の気が済まない……僕は再度みんなにメール(泉には直接)を送り、なんでも言う事を聞くって言った。

 すると愛真は『な! なんでも!! じゃ、じゃあじっくり考えてからお願いする!(^v^)』と返信が……や、やばいかな?

 

 そして凛ちゃんは『あはははははは、なんでもとかキモ~~い』と返信が……


 そして泉は「最近休みの日は愛真さんの家に行ってばかりで……できましたらそろそろゆっくりと1日お兄様とお話がしたいなぁ」と頬を赤らめそういう泉、可愛い、可愛すぎる……でも……それって……


 学校は昨日から冬休みに入った。期末試験の事は聞かないで……そして明日はクリスマスイブ……僕はイブに誰と過ごそうかなんて事を今日までずっと考えていた。


「あ、アホか……誰ととかって僕は何を言ってるんだ……」

 

 そしてその考えが自分にとってあまりの場違い、筋違い、荒唐無稽、不条理、とんちんかんな事を言っていると気付き、僕は今悶え苦しんでいた。


「なんだ? 何を言ってるんだ僕は……何モテモテのリア充男みたいな事を言ってるんだ?」

 そもそもクリスマスは明日……今日まで3人の予定も聞いてない、聞かれてもいない……つまり……そう言うことだ。

 去年まではクリスマス? 何それ美味しいの? と思いながら僕は一人精進料理を作り「僕は仏教徒だ!」とか意味もわからず一人宗教戦争を繰り広げながら食事に勤しんだり、どうやったらクリスマスを廃止に出来るか? と言う事を某掲示板にて延々書き込むという非常に有意義な事をして過ごしていた。


 そんな僕が、何を意趣返しして誰かと、しかも女の子と可愛い女の子と楽しもうとか思ってるんだ?


 いや、そもそも今の時点で3人から何も言われていないって事がすでに答えなんじゃ無いのか?


 そもそもあの泉が、カースト最上位のあの泉がクリスマスに友達と過ごさないわけがない……

「パリピーパリピー、パーティーピーポー」

 あああ、なんかわけのわからない言葉が……

 

 そして凛ちゃんは……「今は稼ぎ時~~寂しい男の子達がお店にわんさか訪れるからね~~」って言ってた……ああ、僕も行こうかな……

 

 最後に愛真……あいつ確か僕に告白したよね? 僕の事が……好きって……でもあれからそういう話は一切無い……いつも通り、昔の通りの愛真に戻ってしまった。

 そして3人が3人共にクリスマスの事にも一切触れてくれなかった。

「夢だったの? 幻だったの?」


 自分で言うには恥ずかしい、断られるのは辛い……そんな女々しい考えでいたばっかりに前日の今日まで何も出来なかった。

 向こうから言ってくれるんじゃ、誘ってくれるんじゃないかと……


「僕って本当……ヘタレだよなぁ……何も変わってない」

 友達なんかいらないって思ってたわけじゃない、でも自分から友達になってくれって言う勇気が無かった。向こうから言ってくれるんじゃないかって常に思っていた。でもこんな僕に「友達になろう」なんて言ってくれる人なんているわけ無かった。愛真以外は……


「今から愛真を誘ったら……」

 そう思ってまた僕は自分を軽蔑した。まただ、また愛真に……また愛真の好意を利用しようとしている。一度は嫌いになったんじゃないのか? 僕の勝手な思いで愛真を拒絶したんじゃないか? 今また同じことを繰り返そうとしている自分に、自分の考えに辟易してくる。


「いいさ……今までずっと一人だったんだから……今年も一人で……大丈夫僕は一人には慣れている」

 そう自分に言い聞かせた直後部屋の扉をノックする音が!


「お兄様?」


「あ、ど、どうぞ」

 泉が僕の部屋に……あ、明日の事か! 


「お兄様、明日の夕食なんですが」


「あ、うん」

 夕食! どこか、どこかのレストランでとかそう言う。


「お兄様は明日ご予定とかありますか?」


「ううん、全然、全然ない、全く無い!」


「そ、そうですか!」

 泉は嬉しそうにそう言う、これは! 僕は期待した、やっぱり泉だ、泉はやっぱり僕の天使……


「私ちょっとお昼にお友達とお出かけしますので、お夕飯はいつもより少し遅くなりますね」


「え?」


「申し訳ありません、帰ってきてからすぐにお作りしますので、お部屋で待っててくださいね」


「あ、ああ……うん」


「それでは、お休みなさい」


「あ、うん……お休み」


 僕がそう言うとニッコリ笑って泉は部屋を後にする。

 


「夕飯は準備してくれるって事は夜は一緒にいられるって事か……」

 でもクリスマスのクの字も言わないのは……僕に気を使ってくれたのかなぁ……


 泉はお昼にクリスマスパーティーに行くんだろう……僕は一人家に……


「うううううう、クリスマスなんて、クリスマスなんて大嫌いだあああああああ!」

 

 よし! わかった! 今年もやるぞ! 今年も気合いを入れて掲示板にクリスマス廃止を書き込んでやるうううう!!


 







ブクマ、減っては増え減っては増えしていましたが、最近めっきり増えなくなりました。

この物語もそろそろ潮時かも( ´-`)

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     新作!         
  同情と恋の違い 元アイドルの美少女が責任を取りたいと僕の前に現れた。          
  宜しくお願いします。(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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