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世界旅行記  作者: グロス
3/43

邪魔者は許さない

 「これと、あとこれも。」

 トリと冒険に出発することが決まってはしゃぐ現は、出発の準備の為、部屋をかき回した。現にとって、旅をするのは初めてのことだった。ウキウキするのも無理は無かった。

 「おい、現。」

 トリの呼び掛けも虚しく、現は荷造りに没頭していた。

 トリは、これから先に行くところについて考えていた。昨日の夜、現と話したことについて。


 「私ね、この先にある洞穴、そう、見えるでしょ。あの洞穴の先に何があるのか知りたいの。」

「洞穴?」

「そうよ。あの洞穴には何かあると思うのよ〜。」

二人の会話が部屋を包んだ。

その時トリは洞穴に気配を感じた。人ではなくしかし大きいものだった。

「楽しみねー。」

現はうっとりとした表情だった。


「終わったー。」

現が達成感を露わにするも、部屋はめちゃくちゃ。カバンには荷物がいっぱいだ。

トリは考えていた。洞穴のこと。そして何より、

「本当に一緒に行くのか?」

「そうよ。」

現は気軽に答えた。


出発の時がやって来た。

「それじゃあお父さん、行ってきます。」

トリは丁寧に出発の挨拶をした。

「ああ、気をつけてな。トリ君娘をよろしくな。」

械はトリを頼りにしている様子で言った。

「わかりました。でも、危ないとわかったらすぐに引き返します。」

現が続いて、

「大丈夫よお父さん。行ってくるね。」

バシッ

そう言うと同時に少女はトリに蹴りを入れた。


挨拶の後、二人は洞穴に向けて出発した。

「私、こういう旅みたいなの初めてなのよね。なんだかワクワクしちゃう。」

現は、冒険がさも楽しそうだった。

「……そうか。」

「?」

トリの反応がおかしいことに現は気付いて首をかしげた。


なんやかんやで、二人は洞穴の前までやって来た。

「ここか。現、準備はいいか?」

「もぐもぐ、ん?」

「何を食べてるんだ?」

「……んぐ、ごめんごめん。シュークリーム食べてた。お腹減っちゃって。」

呑気なもんだと少年は思った。事実、先程感じた恐怖感を洞穴から感じた。気を引き締めていかないととトリは思った。

「行くぞ、現。」

「オッケー。私に付いてきなさい。」

(一体何を考えているのか……)

トリは不安がさらに増した。


二人は洞穴の中へ入って行った。

洞穴の中は薄暗かったが所々にある電灯が行先を教えてくれた。

しばらく進んだところで現がトリに話しかけた。

「ねえねえ、トリ聞いてくれる?」

「な、なんだよ…。」

急に話しかけられてトリは驚いた。

「私ね、昔にお父さんにこんな話を聞いたことがあるの。」

「なんだよ。」

少年は少女に尋ねた。

「この洞穴に大きな主が住んでいるんだってー。 そいつねめちゃくちゃ強いらしいよ。何だったかなあ……確か……あ、そうだ世界ベスト20に入るんだって。」

「まさか、あの二十強(にじゅっきょう)の1人がここにいるのか!?本当か?だとしたらまずいぞ。」

「?」

「現、出直すぞ。」


ゴギャァァァァァァ!

トリと現が話している内に目の前に現れたのは

巨大な白い龍の形をしたロボットだった。

キュィィィン……グォン!

振り上げられた尾がトリと現を狙う。

「現逃げろ!」

「あ、あ、うん。」

トリは龍のロボットと戦い始めた。

キンッ、ガッ。

トリの剣とロボットの鉄のパーツがぶつかり合う音が洞穴中に響き渡る。

しかし、それは次の瞬間に起こった。

トリが尻尾を交わしたがその尻尾が現を直撃した……。

ドゴーン。

現は突き飛ばされ壁に突っ込んでしまった。

「現ーーー!」

トリは急いで駆け寄った。

抱き寄せようとしたその時だった。

「おい、お前、今私に何した?」

「現?」


現幻はドSだった。ブチ切れてしまった。

龍のドラゴンを睨みつけた。

尻尾を片手で掴み、壁に向かって投げ飛ばした。

ドッゴーン。

ロボットは壁にめり込んだ。

トリは開いた口が塞がらない。

「ふー落ち着いた。大丈夫トリ?」

「あ、ああ。」

「もう、邪魔者は許さないんだから。」

トリと現は洞穴の先に進んだ。

トリは楽しそうな現の隣でビビってた。

そんなこんなで、二人は次の街に向かった。

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