バゼルの様子
ここはポンガ。クラニズムの北に位置する小さな港町。やって来る船は1日に10槽。人口も少ない小さな町だ。
トリ達一行は船を降りて、宿屋に来ていた。
「このポンガから先はかなり危険です。」
サマが目の前にいるトリと現に話していた。
「いよいよバゼルが近いな。」
トリが腰に下げた剣の柄に手を置いて言った。
現が続けた。
「バゼルはどうなっているんだろうね?」
「おい、ここは通さないぞ!」
長身の青年でリーダーらしき人物が叫んだ。
「オホホ、ならば力づくで進むのみですよ。」
2人組の男の、背の高い着物のような服を着た男が手を伸ばして言った。
「テラスだめよ!お願い逃げてー!」
城の中から女性が叫ぶのが聞こえる。
「テズ。あまりいじめてやるなよ。」
2人組のもう1人の男で筋骨隆々の冷徹そうな人物が着物の男に言った。
「わかってるよ、巨可。」
テズと呼ばれた着物の男が、振り向いてケケケッと笑った。
「さあ、始めるよ...。」
「ホラントまでの道のりの途中に、山があります。ここにドワーフの一族がいます。彼らに助けを借ります。」
サマが話を進めた。
「ドワーフに力を借りるか...。」
「すごーい。ドワーフに会えるの?楽しみー。」
現は楽しそうだ。
「ドワーフの中に相当な実力者がいます。名前はトワロと言います。彼は我々と同等かそれ以上です。」
「それは心強いな。」
「しかし、藍木は並みの強さではありません。
我々の目的はポートプログラムの破壊プログラムを破壊することです。ポートプログラムを守るためです。」
「ぐわぁ!」
「うわぁ!」
「クククッ。弱い弱い。」
テズが1人また1人と兵隊を、魔法のように手を伸ばすだけで倒していく。
城の前にいた兵隊達はもう残り少なかった。
その時テラスが斧を持って飛びかかった。
ガキッ!
テラスはテズの頭部を狙って攻撃した。見事に命中した。
「どうだ。」
手応えを感じたテラスはテズをやっつけたと思った。
「今、何かしましたか?」
「何!?」
しかし、テズは全く効いていないというような感じだった。
「次はお前だ。」
「行きましょう。時間が無い。北の山に向かいます。」
「ああ。」
「行こう。そして、藍木をぶっ飛ばしてやる。」
3人は先を急いだ。バゼルを救い、ポートプログラムを守るために。