船に乗ろう
この船は北の大陸行き
ここは港町リュウ。船が行き交う交易が盛んな町。
ヒョコ
とある弁当屋さんの前。怪しい影が立ちはだかる。
ジー
弁当に食い入る目。
「この焼肉弁当を下さい。」
現は焼肉弁当がお気に入りのようだ。
「毎度ありー。」
「やっほーい。焼肉弁当ゲット。」
食いしん坊少女は、公園のベンチに座ってさっき買った焼肉弁当を食べ始めた。残りの2人は、まだ、宿で寝ている。
「勝手に言ったらダメですよ!」
「ぶふっ。」
現は弁当を吹き出しそうになった。
突然現れたのはサマだった。宿から勝手に出た現を付けていたらしい。
バゼルでの争いについて、2人の会話が始まった。
「バゼルは藍木に乗っ取られそうになっているのよね?」
「はい。現在では、まだ王国軍が何とか食い止めている様子です。」
「早くしないと、不味くない?弁当は美味いけど。」
「そうですね。確かに急いだ方が良さそうです。」
現とサマのやり取りが続く。
「ところで、サマはどうやって来たの?ポートプログラムが可能ならば、バゼルに直接言ってしまえば早いんじゃない?」
サマは答えた。
「私の役目はトリとあなたを連れていくことです。私は可能でも、あなた達を移転装置まで連れていくことは不可能です。」
「あっ、そっか。」
2人のやり取りが続いている頃、やっとトリが現れた。
「おはよう。2人とも。」
「トリ、おはよー。」
「おはようございます。トリ。」
3人揃ったところで、現の弁当食い終わり待ちだった。
「ごちそうさまでした。」
「よし、行こう。」
「まずは、船に乗りましょう。街の北に港があります。そこで、次の町ポンガを目指しましょう。」
一行は港に向かった。過ぎ行く街並みに見とれることが出来ないことを不運がったが、このクラニズムの事を考えれば、何ともなかった。
これから超えなければならないさまざまな試練を乗り越えようという気持ちでいっぱいだった。
「ポンガ行きの船だよ〜。」
船の乗組員が呼びかけをしていた。
「これです。さあ乗りましょう。」
サマは2人に声をかけた。
「オッケー。」
「よし、行こう。」
サマの後を現が乗り込み、最後にトリが港町リュウにお礼を言うように街を見渡し、船に乗り込んだ。
「あ、忘れ物しちゃった!」
「どうした、現?」
「?」
現が忘れ物をしたと、2人は勘違いをした。
「いってきまーす!」
現の馬鹿でかい声に乗客は驚いた。
きっと、械と宝には届いていると3人は信じていた。