冒険に
ある朝、トリはスッと目が覚めた。
この日に何かあると感じさせるものがトリにはあったからだ。
(今日か...。)
トリは部屋から出て、一階の食卓に向かった。
「おはよう、トリ。」
「おはようございます。」
械の挨拶にトリは応えた。
「おっはよー。おっ、みんな元気そうじゃん。」
現は元気一杯に挨拶した。
ピンポーン
幻家のチャイムが鳴った。
「はーい。」
宝が出た。
ドアを開けるとそこに立っていたのはサマだった。
「ヒヨリノトリはいますか?」
「サマ...。何か用か?」
立ち上がるトリにサマは続けた。
「ポートプログラムより司令です。クラニズム最大の城、バゼルを救って欲しいのです。」
「どういう事だ?」
トリと幻家はサマの話を聞いた。
「バゼルを支配し始めた敵がポートプログラムの破壊プログラムを作っています。このまま放っておくと、この第3地域は乗っ取られます。」
サマの言葉がクラニズムの危機を物語る。
「第3地域とはクラニズムを取り巻く惑星郡とこのクラニズムを言います。敵とは、この第3地域で最も強大な組織、藍木です。」
「ポートプログラムを乗っ取ろうとしている組織は藍木か。破壊プログラムを無くせばいいか。」
トリは答えた。
続いて械が話し始めた。
「藍木...。トリ君、悪いことは言わない。やめておけ。」
「どうしてですか?」
「藍木は危険すぎる奴らだからだ。」
「...私も行く。」
現が口を挟んだ。
「俺は行かなければなりません。」
「...現はダメだ。」
械が現の申し出を断った。
突如、サマが口を開いた。
「トリは戦闘能力で言えば問題無いです。現も同等の実力です。我々ポートプログラムは把握済みです。」
「ほらね。いいでしょ?」
現の申し出に械は納得した。
「私が出れなくてごめんね。」
宝が謝った。
サマは続けた。
「明日出発です。私も加わります。」
その夜は、楽しく一家団欒の食事だった。サマもいたが、彼はあまり喋らなかった。こういう雰囲気は苦手なようだった。
翌朝、5人は幻家の前に集まった。
「行ってきます。」
「いってきまーす。」
トリと現が挨拶した。
「行ってらっしゃい。無事に帰ってこいよ。」
「大丈夫よ。信じましょう。」
械と宝が激励した。
「それでは、行ってまいります。」
サマの挨拶で締まった。
パーティー
トリ
現
サマ
この3人にクラニズムの命運は任された。