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親友との語らい

マユリとペアになっているジル。ジルは子供の頃から優しくて、そして魔法も上手くて…すばぬけていた。だからこそ、女の子たちにとても人気があるのだ。そんな、エリート街道まっしぐらなジルがなぜにリルに…。


「ジルがねぇー」


リルはマユリの家で、ジルに告白されたこと、それからデートの誘いを打ち明けた。

「で、どうして躊躇うの?いいやつでしょ?ジル」

「でも…そのまだわからない…自分の気持ち」

「付き合ってみたら?何も結婚しようって訳じゃないんだし。普通にいつも良い男だよ?こんな私のこと嫌がらずにサポートしてくれるしさぁ」

にこにことマユリが言ってくる。


マユリの部屋は魔法で一瞬で片付くはずなのに、本やら、何やら、適度に散らかっている。


「うん…」

「ジルの言う通りさ、気軽に出掛けてみれば?あいつどうみても、育ち良さそうだし。悪いことなんてしてこないよ」

「悪い事ってなに?」

「まぁ、いわゆるあれよ。男女にまつわるアレとかコレとかソレ」

アレコレソレ。の意味が全く分からない…訳ではない。

リルたちは16歳になっている。小さな子供じゃない。


「私たち、成人の魔法使いになったんだよ」


『リル…俺たちは…もう子供じゃないよ』

同じ事を言われたとリルは思った。


「それに私たち魔法使いは、やっぱり魔法使いとくっつくのが良いと思うもん。普通の人とは上手く行くのかもう不安だし」


「マユリは好きな人いる?」

「うーん?全くかも。恋とか考えられない」

「そうなの?」

「私はまだまだ、魔法使いの力を高めたいの」


体にも成長期があるように、魔力にも成長期がある。

リルはまだ緩やかに伸びているが、マユリのようにいまグングン伸びている訳でもない。平均するとだいたい20歳くらいまで伸びるらしい


「リルはさ…その、何がなんでも魔法使いとして生きていきたい訳じゃないでしょ?だからいいと思うんだ、ジルみたいに将来有望な相手と恋愛するっていうの」


そうなのだ。リルは力があったからここに来たが、魔法使いという道を選んだわけではない。だからか、強い魔法使いになりたいとか、魔法を研究したいとか、そういう欲がない。


「リル、ジルとならさ魔法使いの街で穏やかに結婚して子供生んでっていう生活、想像できるんじゃない?」


リルの生まれ育った街。マルルート。今もリルの基本はそこにあり、いきなり切り離されたその暮らしを多分焦がれている。


優しい旦那様のジルと、家を守るリル。思い出の父と母の、ように。

もしも、リルにマユリのように魔法の才能があったならまた違う望みがあっただろうか?


「私ってさ、騎士の娘だから。やっぱり血が熱いのよねきっと、リルみたいに穏やかに暮らしたいって、ほんっとに思わないんだ。魔法使いなんて本当にわくわくしてる」


マユリは黒い瞳をキラキラさせて話している。

「マユリらしいね」

子供の頃は何も考えずにただ一緒に遊んでいたはずなのに、どうして今はこんな風に変わってしまったのだろう。



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