14
「先手必勝だ!クロ、ユキ!」
《任せよ!》
《………了解》
相手から十分距離を取って、後ろに移動しユキを振る。
「ブリザード!」
吹雪がゼクトを包み込み、その姿を覆い隠す。
「よし、千氷繚乱!」
続けて氷の棘で追撃。
視界を遮られた今の状態では避けられないはずーー
「面白い手品だな」
ヒュンッ
ゼクトが一振り太刀を振っただけで、吹雪が吹き飛ばされた。
さらにゼクトは迫る氷に気づくと太刀をもう一振り。
力も込めてない素振りのような一撃。
しかし、その一撃で触れてもいない氷は、ゼクトに届く前に砕け散った。
「そうそう簡単に壊れるもんじゃないんだがな………」
改めて相手の力の一端を見て冷や汗が流れる。
流石個人の戦闘能力に劣る帝国の中で、唯一生身で風剣や炎剣に勝る、と言われている化け物だ。
「おいおい、あまり期待してなかったがもう終わりか?」
「さあどうだか、な!」
俺はなにもない虚空を一振り。
「あ?どこ斬ってんだーー」
言いかけたゼクトの足場が突然、真っ二つになり崩れる。
「おっと」
「……………狙撃」
避けるために動こうとしたゼクトの太刀をクーデリカが銃撃。
正確に太刀に叩き込まれた銃弾が、ゼクトの姿勢を崩す。
「うおっ」
「もらった」
バランスを崩したゼクトにフォンが追撃。
「ん?お前は確か炎剣の………名前なんだっけか?」
「敵に名乗る必要はない」
フォンは拳に魔力を集中させ、巨大な炎の爪を作り出す。
「爆爪!」
ゼクトに一閃すると、爆発を起こしゼクトを吹き飛ばす。
ゼクトは空中で受け身を取り、地面に着地。
「ほお………今のは中々良い一撃だったぜ」
「余裕ぶっこいてる場合か?」
フォンに向け言うゼクトの後ろから強襲。
「凍刃!」
冷気を纏わせた刃でゼクトの右腕を狙う。
後ろから、しかも着地した瞬間を狙った一撃だ、確実に当たるーーー
「寒いのは俺は苦手でな」
キインッ!
「なっ!?」
ゼクトは正面を向いたまま、太刀を後ろに突き出して俺の剣を止めていた。
「ぐっ………!?
動かねえ………!?」
こちらは正面からしっかりと力を込めて押しているにも関わらず、ただ後ろに突き出しているだけのゼクトの太刀を押し込めない。
「くそっ………この………!!」
「ルーク、離れろ!」
フォンの警告に深追いしすぎたことを悟るが
「おせえ」
ザシュッ!
白刃が閃いたと思ったときには、俺の体は袈裟懸けに切り裂かれていた。
「ルー君!」
「ルーク!」
リリィとユニの叫び声を聞きながら床に倒れ込む。
「ぐっ………あ………」
「ん?ああ、咄嗟に氷の壁を作って致命傷は避けたか」
「炎爪!」
フォンがゼクトに殴りかかり、クーデリカがそれを銃で援護する。
「はっ、次はお前らか?」
ゼクトが不敵な笑みを浮かべ、二人に応戦する。
「ルー君!大丈夫!?」
三人が離れたのを見て、リリィとユニが駆け寄ってきた。
二人は俺の傷を見て息を呑む。
「待ってて、今すぐ治療するから!」
リリィが俺の近くにしゃがみこみ回復魔法をかける。
ユニはその様子をジッと見ていた。
「……………」
小さく何かを呟くが、意識が朦朧としていたせいで聞き逃してしまった。
「ユニ………なにか言ったか………?」
「…………いえ。それよりルークは大丈夫ですか?」
「ああ、リリィのおかげで大分楽になってきた」
傷を見るともう殆ど治っていた。
若干痺れのような感覚はあるが、直に収まるだろう。
流石は回復魔法にかけては学年でトップクラスの腕を持つリリィだ。
「よし、クロとユキも行けるか?」
《準備は整っておるぞ》
《…………いつでも》
「ま、待ってルー君!
今治したばかりだから………」
「いや、いくらフォンとクーデリカでもあいつの相手をするのはキツいだろう。
少しでもフォローしねえと………」
少し硬い体を動かし何とか立ち上がる。
「で、でも…………!!」
「おいおい、仲間割れか?」
ゼクトだけの声が聞こえまさかと思い振り向く。
そこには少し服を焦がしたゼクトと、全身に切り傷を作り片膝をついているフォンと、吹き飛ばされ床に横たわっているクーデリカがいた。
「フォン!クーデリカ!」
「流石はあの炎剣のガキだ……おかげで服が少し焦げちまったぜ。
あと十数年したら俺と良い勝負ができるかもな」
そう言ってゼクトはフォンの首に太刀を突きつける。
「まあ、ここで殺すけどな」
そう言ってゼクトが太刀を振り上げる。
「やめろ!!」
クロ、いやユキで、駄目だ、体が間に合わーーー!!
「…………ダメーーーーー!!」
ユニが叫んだ瞬間、ユニの体から巨大な魔力が漏れだした。
「こ、これは!?」
そのあまりの魔力に思わず息を呑む。
魔力が強大過ぎて、漏れだした魔力が眩い光を放っている。
「あ?なんだこりゃ」
「…………これは」
今まで沈黙していた白衣の男が呟く。
「これは…………目覚めたのか!?」
「なんだあ?
おい、知ってるなら教えろ」
「おお…………!!
何と輝かしい!」
白衣の男は興奮した様子で叫び、ゼクトの声が届いてない様子だ。
「ちっ………まあ良い。
全員ぶったぎりゃあ良いんだろ」
ゼクトは白衣の男から視線をはずし、ユニに向き直る。
そして太刀を腰辺りに構える。
「おい、ガキ。
俺は女を斬るのはあまり好きじゃねえ。
腕に自信がないなら引っ込め、じゃねえと命の保証はしねえぞ?」
「嫌です!
私はもう守られるだけなのは………ただ一人だけ安全な場所で皆が傷つくのを見るのは嫌なんです!」
「………そうかよ、なら望み通り殺してやるよ」
ゼクトが太刀を構え警戒したままユニの方へ向かう。
「ユニ!逃げろ!」
「逃げません!
私だって………戦う術を教えてもらったんですから!」
戦う術………?まさか………
ユニは目を閉じ、意識を集中させ始めた。
「魔法か?そんなもんは俺には通用しねえ」
ゼクトが若干落胆した声で言う。
今のうちにユニに攻撃しないのは、魔法を放たれてもどうとでもできるからだろう。
しかし余裕に満ちたゼクトの顔が、ユニの発現していく魔法を見て驚愕に歪んだ。
「なんだこの大きさは……!?」
巨大な火の玉となった魔法を見て身構えるゼクト。
「ファイアボール!」
ユニが使えるただひとつの、しかし絶大な威力を持つそれをゼクトに向かって放つ。
巨大な火球はゼクトを丸々呑み込んだ。
「やったのか…………!?」
が、次の瞬間火球が真っ二つに切り裂かれた。
「なっ………!!」
「…………思ったほどじゃなかったみたいだな」
消え去った火球の後に、無傷のゼクトが立っていた。
「そ、んな…………」
ユニが呆然と呟き、そして床に倒れ込む。
「ユニ!」
慌てて駆け寄ると、倒れたまま荒く息をつき、意識も朦朧としているようだ。
「魔力枯渇か!」
魔力が極端に少なくなるとなる症状で、これ以上魔法を使うと死んでしまう。
「バカ野郎!制御もできないのになんて無茶しやがる!」
「すみません…………結局………倒せませんでした………」
「今はそんなことを気にするな!」
すぐに魔力を補充させないと………!
だがここには補充用の道具はおろか、応急セットもない。
おまけに敵はまだピンピンしてるときた、こちらにもリリィという優秀な回復がいるが、治療には時間がかかる、誰かが敵を引き付けてくれるならともかく、戦闘中に使えるわけでもない。
「さて、もう終わりか?
まあ思ったよりはやったじゃねえか。
殺すには惜しいが………お前らを生かしとくとジジイがうるせえからな」
そういうとゼクトは太刀を肩の高さまで引き、突きを出すような格好になった。
「せめて楽に殺してやる」
そう言って足を踏み込ませーー
「なら次は私の相手をしてもらおう!」
そう声が聞こえた瞬間、誰かがゼクトに斬りかかる。
ゼクトは踏み出そうとした足に力を込め、床を蹴ってその場を離れる。
ゼクトが退いたすぐ後に、斬りかかった誰かの剣が突き刺さり床を破砕する。
その人は俺たちを守るように前に立ち、身の丈ほどもある大剣を軽々と持っていた。
「ミラウェル大佐!?」
「待たせてしまった。
あとは任せるが良い」
ミラウェル大佐は短く返すとゼクトに向き直った。
「“剛剣”か。
噂通りの腕みたいだな」
ゼクトが打ち砕かれた床を見て呟く。
「だが、お前一振りで俺を止められんのか?
なあ剛剣」
「………確かに私一人では厳しいだろうな。
だがお前の相手が私一人とは言ってないぞ“白閃”よ」
「なに…………?」
ミラウェル大佐に答えたゼクトが何かに気づき、太刀を盾のように構える。
その直後、物凄い速さで接近した誰かがゼクトの太刀とぶつかり、ギイン!と金属音を響かせる。
「…………よく止めた」
「お前は………確か“魔剣”だったか?」
「………そうだ」
静かな声で呟いた紫色の髪をした男は剣が止められるとすぐにゼクトから離れ、剣をまるで杖のように構える。
「あ?なんだその構え」
「クエイク、フレイムバーン、トルネード」
男が呟くと次々に魔法が発動しゼクトを狙う。
「ちっ………」
ゼクトはそれを避け、あるいは太刀で切り裂きながら男と距離を取る。
「魔法の詠唱省略に高速発動………どうやら本物みたいだな。
はっ、ガキどもを守るために大層な護衛だな」
ゼクトが笑いながら言うのを、紫色の髪の男は油断なく剣を構えながら聞いていた。
「クラン大佐………」
「“魔剣”とは………確かあっちの凄い女の人と一緒の人ですよね?」
「ああ、ってお前、もう平気なのか?」
「はい、もう大丈夫です」
ある程度、回復したらしいユニが男の方を指差して聞く。
魔力枯渇は道具なしだと数時間は回復にかかるはずなんだが………まあ元気になったのならそれが一番だ。
「ああ、あの人はクラレリオン・ジーフォート大佐。
あの人も超凄い人と思って大丈夫だ」
「ま、またそんな説明で良いの………?」
フォンの回復をしながらリリィがつっこむ。
「良いんだよ、それにユニにあの人は剣術の達人でもあり魔法の達人で、魔法の詠唱スピードは共和国でも随一だ、とか言ってもほとんど理解できないだろ?」
「…………馬鹿にされている気がするのですが。理解できませんけど」
ほら見たことか。
「でもその超凄い人達が来たってことは………」
「ああ、俺達は助かったんだ」
だからこんな軽口も叩ける、本当に、大佐達には感謝してもしきれない。
しかし、大佐達の顔は勝ちを確信したものではなく、まるでこれからが本番だというかのような厳しいものだった。
「た、大佐?」
「君達、下がっていろ。
最強が本気を出すぞ」
「本気って……………っ!!」
「噂の双剣相手だ………手を抜ける状況じゃねえよなぁ」
ゼクトが誰かに聞かせるように呟き、もう一振りの太刀を抜く。
ただそれだけの動作なのに俺にも明らかに相手の空気が変わったのが分かった。
俺達と戦っていた時は全然本気じゃなかった、そういうことか。
思えば太刀を二本差してるのにも関わらず、ゼクトはずっと一本で戦っていた。
「久し振りだ………殺す気で戦えそうな相手が来たのは………だから」
ゼクトは太刀を振り上げて叫ぶ。
「簡単に死んでくれるなよぉ!!」
さっきまでの気だるげな雰囲気ではなく、完全に戦闘狂のそれに変わったゼクトが嬉しそうに笑い声を上げる。
「うっ………!」
本気を出したゼクトの殺気に当てられ思わず膝をつく。
こ、これが最強の本気の殺気………!
俺に向けられたものではないが、それでも体が震えているのが分かる。
今なら分かる、こいつは俺達と戦っていた時は遊んでいたのだと。
本人は戦ってる、という気もなかっただろう、そのぐらいさっきまでとは一線を画した雰囲気を感じる。
「さあ、思いっきり殺し合おうぜぇ!」
ゼクトが吼え向かってくる瞬間
「お楽しみ中悪いが少し待ってくれないか?」
白衣の男がゼクトに声をかける。
その声に今にも飛びかからんとしていたゼクトは不機嫌そうな顔になって白衣の男を睨み付ける。
「おい………てめえ邪魔する気か?」
「焦るなということだよ。
君達が戦えばそこの珍しい剣を持ってる少年も、僕の作品も壊れてしまうだろう。
それは避けたいんだよ」
「ふざけんな。
てめえの都合なんて知ったことか」
「それに今ここで僕の作品を壊したら君の願いも叶えられなくなるよ?
それでも良いのかい?」
「……………」
ゼクトはしばらく黙り込み、やがて太刀を腰に納めた。
「………ちっ、確かにお前の言う通りだ。
しょうがねえ、ここは引いてやる」
「やあやあ、ありがとう。
君の判断に感謝するよ」
白衣の男は不機嫌なゼクトにも動じずへらへらと笑いながら言い、俺達の方へ顔を向ける。
「ということで、僕達はこれで失礼させてもらうよ」
「ま、待て!
珍しい剣を持ってるのってまさか俺のことか?」
「そうだよ。世界に二つとないであろう自立したインテリジェンスソード!
素晴らしいじゃないか、ぜひ隅々まで研究したいものだよ…………!!」
《死んでもお断りじゃ》
《…………キモいから嫌》
熱に浮かされたかのように話す白衣の男に嫌悪を示すクロとユキ。
園その言葉を聞くと白衣の男はがっくりとわざとらしく肩を落とす。
「やれやれ………つれないなぁ。
まあ、今日は良いものも見れたし、僕の玩具を壊されたことに関しては多目に見て上げるよ。
それじゃ帰ろうか」
「待て、このまま逃がすとでも………」
踏み出しかけたクラン大佐の足が止まる。
ゼクトが大きく太刀を振り上げたからだ。
「一の太刀『豪断』」
そして砦の壁に一閃。
すると戦車の砲撃にも耐えられるよう設計された砦の壁が、まるで紙のごとく真っ二つに切り裂かれた。
「くっ…………!」
外から一気に風が入り込んできて顔をしかめる。
それを見ていたミラウェル大佐が呆れた顔で言った。
「噂に違わぬようだな白閃」
「このぐらいあんたもできるだろう剛剣」
当たり前のように言うゼクトにミラウェル大佐は首を振った。
「いや、お前のような切り方は無理だな」
「はっ、謙虚だな。
まあ良い、次戦える時を楽しみにしてるぜ」
そう言うとゼクトと白衣の男は切り裂いた穴から飛び降りた。
ここからだと結構な高さがあるが…………まあ死ぬことはないだろうな。
やっと本当の意味で体が緊張から解放され、思わず座り込む。
「はー…………やっぱとんでもねえ奴だったな………」
見ると、ユニとリリィも思わずといった様子で、息を吐いていた。
フォンとクーデリカはリリィの治療が終わると、流石というべきかすぐに立ち上がり、フォンは大佐達にお礼を言い、クーデリカはゼクトが開けた穴から外を見ていた。
俺も大佐達にお礼を言っておきたいが、今はとてもマトモに話せん、フォンに任せよう…………。
とフォンに丸投げしてぼうっとしていると、ミラウェル大佐が俺達に近づいてきた。
「全員ご苦労だった。
君達の陽動のおかげで街の被害はゼロ、こちらの損害も戦車が何台かやられただけで負傷者等はいない。
本当によくやってくれた」
ミラウェル大佐の言葉を聞いて少し報われた気持ちになる。
まあ、いくら陽動があったとはいえ、被害をそれだけに収められたのはミラウェル大佐の手腕あってこそだろう。
「しかし…………そこに転がっているそれといい、あの白衣の男といい、色々と不可解なことは残ったな」
ミラウェル大佐がそれと呼んだものに目を向ける。
さっき俺達が倒した人の姿をした不気味な化け物が転がっている。
「研究者風な男でしたし…………これは帝国の兵器じゃないですか?」
俺の言葉にミラウェル大佐は首を捻る。
「ふむ、お前達あの男の名前とかは聞いていないのか?」
「いえ…………そういえば、名乗りませんでしたね」
見覚えもないし、白閃や疾風のように特に名が売れた人ではないようだが…………。
「そういえば、お前に興味があったようだが思い出せないか?」
俺は横にいるユニに聞く。
「いえ…………でも何か気になることを言ってましたね」
「『目覚めた』とか何とか言ってたな」
もしかしてあの帝国軍の奇襲の日、やたらと帝国兵がユニに固執していた理由かもしれない。
くそ、あのヤル気満々の白閃さえいなけりゃもっと色々と聞き出していたのに。
あるいはあの男が護衛のために白閃を連れているのかもしれない。
となるとあの男は帝国でも相当地位が高いと見えるが…………
「まあ、今は考えても答えが出るわけでもあるまい。
それより君達も疲れただろう?
良かったら車で送るがどうだ?」
ミラウェル大佐が話を打ち切り、俺達に聞いてくる。
「はい、ぜひ送ってください………」
「私もお願いします………」
「お、お言葉に甘えます………」
もちろん、疲労がピークな俺達は即答した。
「……………」
俺達が帰り支度を始める中、クーデリカが動かない化け物をじっと見つめているのに気づく。
「どうした、クーデリカ?
帰るぞー」
「……………何でもない」
声をかけると、クーデリカは何事もなかったかのように反転して俺達の方に来る。
「なにか気になることがあったのか?」
「…………別に。ただ…………」
クーデリカは俺の正面で向き直る。
碧色の眼が俺をまっすぐ捉えている。
「な、なんだよ………?」
「……………覚悟はしといた方が良い」
「は?なんだそれ…………」
聞き返そうとするとクーデリカは言うことは言ったとばかりにさっさと歩いていった。
覚悟?白閃に目をつけられたことか?
それにしても………
「あの無愛想な態度………親はどういう教育したんだ全く」
個性は尊重したいが、ああも話すのが嫌いです、みたいな態度だとこっちも関わりづらいんだよな。
おまけに人の死体も見慣れてるみたいだし…………。
愚痴をこぼしながら大佐達の後をついていく。
俺がクーデリカの言葉の意味を理解することになるのは、もう少し先のことだった…………。
「へぷしゅん!」
「お、風邪か?
バカでも風邪は引くんだな」
「何ですって!?
違うわよ、急に鼻がむずむずして…………誰か私の悪口でも言ってるのかしら」
「ああ、お前軍のお偉いさんには嫌われてるものな。
会うたびにネチネチ嫌みを言われたり」
「う…………うるさいわよバカー!
あんただって似たようなものじゃないー!」
「気にしてたのか…………」
ーーーーーENDーーーーー