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しるし2(詩集)

なみだ桜

作者: さゆみ

この桜並木の中になみだ桜が生えています。

神様のいたずらなのでしょうか。

開花すると涙の花を咲かせます。


満開の涙の花びら。

悔しい涙、嬉しい涙、悲しい涙、感動の涙……

精一杯の涙の花が今、咲き誇ります。


どんな涙も桜色に透き通り輝いています。

思いっきり咲いた後、涙の花は散ってゆきます。

涙の飛沫が舞い上がります。


やがてなみだ桜は、他の桜と同じように新緑の葉を繁らせます。

夏を迎え、太陽の光をたくさん抱きしめます。

そして葉は秋色に彩られます。

木枯らしに身を任せ、枯葉を捨てて裸木になります。

冷たい冬を受けとめます。


あたたかい風が春を連れてきました。

つぼみが膨らみ、涙の桜はまた、花開きます。

悔しさは喜びの涙に変わっているでしょうか。

悲しみは希望の涙になったのでしょうか。


でも、どんな涙だって美しく咲くのです。

無駄な涙なんて一つもありません。

なみだ桜はすべての涙の花を平等に桜色に輝かせています。






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― 新着の感想 ―
[一言] 桜って、散るときが一番美しいんですよネ。 そんなこと言うと受験生に怒られそうですが (^_^;) ハラハラと儚げに散る姿は、たしかに泣いているようにも見えます。 ところで涙って、どういう気持…
[一言] 拝読致しました。 季節や年月の移り変わりと、人の営みが見事に調和されていますね。 あまり捻りすぎず、シンプルかつ簡易な言葉を選択してかかれているからこそだと思います。 あえて難解な語句を使…
2014/04/07 23:17 退会済み
管理
[一言] こんばんは。 >でも、どんな涙だって美しく咲くのです。 >無駄な涙なんて一つもありません。 いい言葉ですね。もらい泣きしそうになりました。 ありがとうございました。
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