噂
小学校を普通の成績で卒業し、中学校も大して目立つことなく、高校の今までやってきた。別に狙ってやったわけじゃないが、平凡な俺にはぴったり功績だ。これからも普通に友達作って、普通の成績とって、普通に恋をして、普通に老いていくんだろう。『そう思っていた。』
20012年、11月26日、夜。俺は近所の自動販売機でジュースを買っていた。
「あー寒っ、今日はひえるな~。さっさと帰ろっ。」
俺の近所には自動販売機があり、その左右には奥まで続く道が、俺の家はその左側を行くとある。
買ったコーンスープを取り出そうとしたその時、右側の道の奥のほうから複数の人の声らしきものが聞こえた。
「なんだろう、今はあまり人のいない時間なのに・・・。」
暗いので、目を凝らして見ると、猫背なのか前屈みになった人たちが何かぶつぶつ言いながら、歩いていた。
「・・・つちねつちねつちねつちね・・・」
「つちね・・・?何のことだ?てかあいつら気味悪すぎだろ・・・。」
何かの宗教だろうか、最近はそうゆうのが多くて困る。
・・・いや、別に何されたわけでもないが。
しばらく自動販売機の陰から見ていると、やつらは道のない方へと消えていった。
「いったい何だったんだあいつら。人・・・だよな?・・・まぁ、気にしても意味ないな。」
その日はコーンスープを飲み干し、布団にもぐった。
翌日、俺は学校に行った。
教室に入るとすでに何人か人が来ていた。
「よー、武蔵!おはよう!」
後ろら肩をたたかれる。
「ああ」
こいつの名前は・・・忘れた。男ってことはわかる・・・・見れば。
「あーそうそう。あれ、昨日もあったらしいぞ。」
「あれ?」
「おまっ!しらねーのかよ!連続殺人事件だよ!最近噂の。」
「何だそれ、そんなに有名なのか?」
「有名も何も、今じゃ日本で知らない人はいないってレベルの大ニュースだぞ!」
「ふーん。で、どんな内容なんだ?」
「ふーんてお前・・・まあ、名前のとうり殺人事件なんだがな、かなり奇妙なんだよ。」
「どうゆうことだ?」
「なんでも被害者たちは全員、ひどく食い散らかされているみたいなんだ。犬とかじゃなくて、もっと小さい歯形。・・・そうまるで人の歯形で、しかも複数人の。どうだ奇妙だろ。」
「あ・・・ああ。奇妙というより、なんか不気味だな。ところで、それなんてホラー映画?」
「いやいやいやいや、本当の話な。映画とかじゃないから。」
「まじで?」
「まじで。」
そんな風に二人でしばらく話していると、見知った顔が教室に入ってきた。
「あ、武蔵君、おはよう。」
彼女の名前は覚えている。『宇木島空』、彼女は人柄がよくて、人懐っこい。簡単に言うと、『天然』。うん、わかりやすいわかりやすい。
「おはよう」
「おーう、空ちゃん!おはよー。」
「何話してたの?」
「連続殺人だよ。空ちゃんはこうゆう話あんまり好きじゃないでしょう?」
「うん、そうだね。そうゆうの怖いもんね。あ、もう授業も始まるし、席に着いちゃおっか。」
俺たちは「そうだな。」と言って、それぞれの席に着いた。
今日は早めにの授業が終わり、あっという間に放課後になった。いつものように三人で帰り支度をしていると、いきなり担任が息を切らして教室に入ってきた。
「お、おい宇木島!今、連絡があって、お前の母さん、交通事故にあったそうだ!」
突然だった。
初めましてハルゴです。
本当は「晴れた日の午後」という名前なのですが、面倒くさいので「ハルゴ」でお願いします。