町の謎の核心
事件の翌日、町はいつも通り穏やかな光に包まれていた。
しかし、アオイは昨日起きた影の存在のことが頭から離れなかった。
「モコ……あの影って、何だったの?」
モコは耳をぴょこぴょこ揺らし、少し考えるように光を弱めた。
「影の存在……それは、この町の魔力に反応する、忘れられた感情や想いの欠片が形になったものだよ」
アオイは眉をひそめる。
「忘れられた感情……?」
モコは頷き、続けた。
「この町は、人の心の優しさや好奇心で成り立っている。でも、時々人々の中にある不安や悲しみ、恐れが強くなると、形を持った影となって現れることがあるんだ」
サクラも息を呑んだ。
「じゃあ、影は悪い存在じゃないんだ……でも、町の力を弱めちゃうんだね」
アオイは小さく頷き、昨日の戦いを思い返す。恐怖で足がすくむ瞬間もあったけれど、モコやサクラと手を取り合うことで、町を守る力になれた。
「私たち……町の力に関わってるんだ」
その言葉に、胸の奥が熱くなる。責任と同時に、少し誇らしい気持ちも芽生えた。
その日の午後、アオイとサクラは町の奥にある古い図書館を訪れた。
壁一面の本棚には、町の歴史や魔法の仕組みを記した古文書が並んでいる。
「ここに、町の秘密が書かれているはず……」
アオイは慎重に本を開いた。
そこには、町の起源と影の存在の記録が詳細に記されていた。
町は古代、人々の想いを形にするために作られた場所
魔力の源は光の結晶で、住人と訪れる人の心の状態に応じて光が変化する
忘れられた感情や恐れが影となることがあるが、勇気と友情で和らげられる
サクラはページをめくりながらつぶやいた。
「だから、昨日の影も消えたんだ……私たちが勇気を出して手を取り合ったから」
アオイは静かに息をつき、深く頷いた。
「町の魔法は、私たちの心の在り方にかかってる……。私たちも、この町の一部なんだね」
モコはふわりと体を光らせ、二人の間をくるくると跳ねた。
「そう、アオイ。町の謎を知った今、君たちはもっとこの町を守れるようになるよ」
図書館の窓から差し込む光が、本棚の埃をきらきらと照らす。
アオイは胸の中に新しい決意を感じた――町の秘密を知ったことで、守るべきものの大きさと大切さを理解したのだ。
「よし……もっと町のことを知ろう。そして、この町の力を弱めるものが現れたとき、私たちで立ち向かおう」
サクラも頷き、二人の目は強い光を帯びた。
町の謎はすべて解けたわけではない――でも、核心に触れたことで、次に訪れる試練や冒険への準備は整ったのだった。




