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虹色の影と光の町  作者: 臥亜


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6/12

町の秘密

翌日、町は朝から柔らかい光に包まれていた。

アオイとサクラは昨日の冒険の続きを楽しみに、町の小道を歩いていた。モコもふわふわと飛びながら、二人の前を跳ねて案内する。

「ねえ、モコ。昨日の町の時間のこと、ちょっと不思議だよね」

アオイがつぶやくと、モコは首をかしげた。

「ふふ、それはね、この町がちょっと特別だからだよ」

二人は町の奥にある丘の上へ登った。丘から見る町は、屋根や塔、光る植物が入り混じり、まるで夢の中の景色のようだった。

「実はね、アオイ。この町には秘密があるんだ」

モコは少し真剣な表情で話し始めた。

「この町は、人間界の人々には見えないんだ。ここに来るのは、心が少し柔らかくて、不思議なことを受け入れられる人だけ」

アオイは驚いた。

「え……そうなの? じゃあ、私みたいな普通の子でも来れるの?」

モコはふわりと体を膨らませて笑った。

「うん、特別な才能とかじゃなくて、心の持ち方なんだよ。優しさや好奇心、少しの勇気があれば、この町は君を迎えてくれる」

サクラも目を丸くして聞いている。

「じゃあ、この町は……誰でも来られるわけじゃないんだ」

「そう。この町はね、自然や住人たちのバランスで成り立っているの。町の魔法は、訪れる人の心にも影響するんだ」

アオイは少し考え込む。

この町の美しさや優しさは、偶然じゃなくて、町自身が生きているからなのかもしれない――。

「でも、モコ。もし町に悪いことが起きたら……どうなるの?」

アオイの声には、少し不安が混ざる。

モコは耳をぴょこぴょこ揺らして答えた。

「大丈夫。町には守る人たちがいるから。でもね、町を守るのは住人だけじゃない。訪れる人も、少しだけ手伝うことになるんだ」

その言葉を聞き、アオイの胸の奥がざわついた。

町の不思議さや楽しさの裏に、責任や秘密がある――それを知った瞬間、ただ遊んでいるだけでは済まないのだと気づく。

丘から見下ろす町の屋根や広場の光景は、今まで以上に神秘的で、少し緊張感を伴って美しかった。

「私……ちゃんと、この町で役に立てるのかな……」

アオイは小さくつぶやく。

モコはその頭をふわりと押し、励ますように光を輝かせた。

「大丈夫、アオイ。君ならできる。ここでの経験は、きっと君の心をもっと強く、優しくするよ」

アオイは深呼吸をひとつして、心を落ち着けた。

町の秘密を知ったことで、少しだけ大人になった気分になる。

この町の魅力は、楽しさだけじゃなく、心の成長の場でもあるのだ――そう実感した。

丘を下りると、町の住人たちが朝の挨拶を交わしていた。

彼らの笑顔と優しさを見て、アオイの胸は温かくなる。

「この町……やっぱり、好きだな」

小さな決意を胸に、アオイは今日も町での一日を歩き始めた――

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