町の祝祭
町に再び穏やかな日常が戻った。
結晶の光はかつてないほど輝き、町の広場には笑い声と歌声があふれていた。モコもふわふわと跳ねながら、光を放ち町の祝祭を盛り上げる。
「見て、アオイ! 町のみんなが準備してるよ!」
サクラが手を叩き、目を輝かせる。広場には色とりどりの光る提灯が吊るされ、空中に漂う花びらが舞っている。
アオイも胸が高鳴った。
「わぁ……こんなにきれいなんだ……」
町の住人たちは、先日の影の事件を乗り越えたことを祝って、毎年恒例の祝祭を特別に盛大にしているのだという。
広場では、子どもたちが光る風船を追いかけ、大人たちは音楽に合わせて踊り、空中に漂う光の生き物たちも楽しそうに遊んでいた。
アオイとサクラは手を取り合い、広場を歩きながら笑顔を交わす。
「アオイ、今日は町のことをもっと感じられるね」
サクラが微笑む。アオイも頷き、モコの肩に手を添えた。
「うん……町の秘密も、影のことも、全部乗り越えて、こうしてみんなと楽しめるんだね」
広場の中心には、大きな光の樹が立っていた。
その周りに集まる人々は、影の存在を乗り越えた勇気あるアオイとサクラを称えるように、光の輪を作って踊る。
「ありがとう、アオイ。ありがとう、サクラ」
町の守り手である老人が、穏やかに微笑みながら言った。
「君たちのおかげで、町はまた元気を取り戻した。この町は君たちの勇気で守られたんだよ」
アオイは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
自分たちの小さな行動が、町全体を救ったこと。そして、友情や勇気が形になったこと――すべてが心に深く刻まれる瞬間だった。
夜空に浮かぶ星々と、光る樹の光が町を包み、空気は柔らかく、穏やかだった。
「ねえ、サクラ……この町に来て、本当に良かったね」
アオイの声には、満ち足りた感謝と幸福がこもっていた。
サクラもにっこり笑い返す。
「うん……ここでの冒険も、試練も、全部が宝物みたいだね」
モコは二人の間でくるくると光を踊らせ、ふわふわと跳ね回る。
「君たちが町の力を信じてくれたから、町はもっと輝くんだ」
祝祭は深夜まで続いた。笑い声、音楽、光――町の全てがひとつに溶け合い、アオイたちの心を優しく包み込む。
その夜、アオイは星空を見上げて小さくつぶやいた。
「この町のこと、絶対に忘れない……」
胸の奥に芽生えた勇気と友情は、これからの未来を照らす光のように、静かに輝き続けるのだった――




