再びの影
夕暮れの町は、柔らかいオレンジ色に包まれていた。
アオイとサクラは広場で、今日も町の不思議な生き物たちと遊びながら過ごしていた。モコもふわふわと光を放ち、二人のそばで楽しそうに跳ねている。
しかし、空気は昨日までとは違っていた。風が急に止み、森の奥から冷たい気配が漂ってくる。
「……なんだか、変な気配がする」
アオイは眉をひそめた。モコも耳をぴょこぴょこ揺らし、警戒の光を放つ。
突然、町の広場の中央に黒い霧が立ち上がった。昨日よりも濃く、大きく、まるで生きているかのように動いている。
「影……また現れた!」
サクラの声に、町の住人たちも驚きの表情を浮かべた。
アオイは深呼吸をひとつし、モコに目を向ける。
「私たち……やらなきゃ」
モコはふわりと光を強め、アオイの肩に飛び乗った。
「そう、アオイ。昨日の経験を思い出して。君の勇気が町を守る力になるんだ」
二人は手を取り合い、影に向かって歩き出した。
影は触れると寒気が走るが、昨日学んだことを思い出し、恐れを抑える。
「影は、私たちの心の不安や迷い……」
アオイがつぶやくと、サクラも頷いた。
「うん。だから、私たちが強く、心をひとつにすれば、影も和らぐんだ」
二人が心を合わせると、モコの光が大きく輝き、影の黒い霧に向かって飛び出した。
影は最初は抵抗して渦を巻いたが、二人の勇気と友情が重なるたびに、少しずつ形を失っていく。
アオイは手を伸ばし、影に触れる。冷たさと恐怖が押し寄せるが、モコとサクラの支えを感じて心を落ち着けた。
「怖くない……私たちの町だから!」
その瞬間、影は光に変わり、虹色の光の粒となって空中に舞った。
町の住人たちは安堵の表情を浮かべ、結晶の光も以前より強く輝きを取り戻す。
「やった……!」
アオイは息を切らしながらも、胸の奥に大きな達成感を覚えた。
サクラも笑顔で言った。
「私たち、本当に町を守ったんだね」
モコは体をくるりと回して光を輝かせ、二人を祝福するように跳ねた。
「君たちは、町の秘密を理解し、力に変えた。これからはもっと、この町を守れる存在になるんだよ」
アオイは深く息をつき、夕暮れの町を見渡す。
「町のことを知るって、守ることにもつながるんだ……」
心の中に、小さな自信と勇気が芽生えた瞬間だった。
町の灯りが夜空に溶け込み、静かな夜が訪れる。
アオイとサクラは手を取り合い、モコと一緒に広場を歩きながら、これからの町での冒険を思い描いた――




