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虹色の影と光の町  作者: 臥亜


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森の入り口

この物語は、どこか現実の世界に似ているけれど、ほんの少し魔法が混ざった町での、ひとりの少女の冒険の記録です。

アオイはごく普通の女の子。だけど、偶然に訪れた不思議な町で、光の生き物モコと出会い、町の秘密や影の存在に触れることで、少しずつ心の強さや勇気を学んでいきます。

その過程で、友情や優しさ、勇気がいかに大切かを知り、町や仲間たちと一緒に成長していくのです。

この物語の舞台は、町の中の小道、丘の上の光の樹、風が踊る庭……すべてが、あなたの想像力を少しだけくすぐる場所です。時には影が現れ、少しだけ怖くなるかもしれません。でも、アオイとサクラ、そしてモコの光に導かれながら進めば、心は確かに温かさを取り戻します。

読者のあなたも、ページをめくるたびに、この町の空気や光、草花の匂い、風の音を感じながら、少女たちと一緒に歩く冒険に参加することでしょう。

小さな試練を乗り越え、友情を育み、町の秘密に触れる――そのすべてが、あなたの心にもそっと残るはずです。

さあ、この物語の扉を開いてください。

町の光と影が織りなす、不思議でやさしい冒険が、あなたを待っています。

夏休みが始まった日の朝、アオイは祖母の家にやってきた。

祖母の家の裏庭には、夏の光に揺れる古い森が広がっている。12歳の彼女にとって、この森は少し怖いけれど、どこか惹かれる場所でもあった。

「……今年の夏も、またあの森か」

小さくため息をつきながら、アオイは靴ひもを結び直した。母は「森に行くと迷子になるから」と心配していたが、祖母はにこにこしながら「あの森には不思議があるんだから、きっと面白いことがあるよ」と言って送り出したのだ。

庭を抜けると、森の入り口に差し掛かる。木漏れ日が揺れ、風が草の間をそよいだ。すると、不意に小道のようなものが目に入った。

草に覆われた細い道――普段なら気にも留めない場所だ。だがその日は、何かに誘われるようにアオイの目を引いた。

「……こんなところに、道があったかな?」

恐る恐る一歩を踏み出すと、森の空気が変わった。土と木の香り、草の湿った匂いが入り混じり、冷たい風が肌を撫でる。普段の夏の庭とは違う、別の時間に迷い込んだような感覚だ。

その時、草の陰から小さな生き物がひょこっと現れた。

ふわふわの毛に覆われ、耳と尾がぴょこぴょこと動いている。体は淡い水色に光り、触るとほんのり暖かい。

「やあ、迷子かな?」

なんと、その小さな生き物が人間の言葉を話したのだ。

アオイは目を丸くする。

「……え?」

生き物はにっこり笑って、くるくると宙に跳ねた。

「私はモコ。この森の先にある町に案内できるよ」

アオイの胸は高鳴った。怖さと好奇心が入り混じる。

普段なら絶対に足を踏み入れない場所。でも、この瞬間、彼女の心はモコに導かれるまま、自然と小道を進み出した。

踏み出した足元の草は柔らかく、木漏れ日が揺れる光はまるで道案内をしてくれるかのようだった。

歩くうちに時間の感覚が少しずつ変わる。普段なら数分で歩ける距離が、夢の中を漂うように長く感じられる。

「この町……本当にあるのかな……」

不安もあったけれど、胸の奥ではわくわくする気持ちが膨らんでいた。

モコはくるりと宙に舞い、ふわふわの尾を揺らして光の差す方へ飛んでいく。

アオイは深呼吸をして、一歩、また一歩と踏み出した――その瞬間、森の奥に別世界の気配が広がるのを感じた。

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