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森の調査

 「ネーナ様…あの御言葉ですが、湿地帯(しっちたい)を馬で歩くのって不味(まず)くないですか?」

 

 ニアが、申し訳なさそうに言葉にし続けてアレノアも「そうだね、普通は竜か歩きだもの。」と同意した。

 それを聞いたネーナは、キョトンとして「不味いのですか???」と4人に聞き返した、どうやら本人は大丈夫と思って馬で来たらしい。

 

 「ネーナ様……馬の(ひずめ)に泥が付いて歩く速さが落ちますし、そこから化膿(かのう)などを起こして最悪馬自体が駄目になりますよ。」

 

 メアから、説明を受けてなるほど〜と口にした後瞳を二〜三回まばたきをしたあと、「私、もしかしてやらかしました?」とバツの悪い表情で俯き気味に言った。

 

 「最悪歩いて帰るしかないわな」

 

 ジョンは、言いながら周囲を見回しつつ「所でこの世界は科学もあるんだよな……なんで浸透(しんとう)してないんだ?」と疑問に思っていた事をネーナに聞いた。

 「浸透する余地が無いほど中央スフィアは、魔法とかが使われてますからね。」と答えた。分かるような分からないような顔をしたジョンに「すぐにわかりますよ」と続けた。

 

 しばらく、周囲を見回しながら歩いているとデカい生き物の姿を確認したネーナは、しれっと「あれ?アレはトータスベアじゃない?本来は沿岸部(えんがんぶ)山岳部(さんがくぶ)に生息してる筈だけどなんで?」と淡々と口にしたが、さらにトータスベアがこちらに向かって走って来たがそのまま何処(どこ)かへと去ってしまい、慌てるジョンを置いて首を傾げている4人。その原因がすぐに判明した。

 

 鋭い牙と青白い体毛でトータスベアを凌ぐ巨漢の狼、フェンリルが5人の目の前に姿を表したがこちらには目もくれず去っていった。

 

 5mは超えるであろう生き物が目の前を通過していって驚きのあまりジョンは「デカすぎだろ……」と呟いた。

 アレノアは、首を傾げ「妙ですねトータスベアがこんな森林地帯(しんりんちたい)に姿を出すだけで無く、獰猛なフェンリルまで逃げ去るなんて。」と淡々と話した。

 「なんでしょうね……!?」

 

 突然地面が揺れ、10mはあろう大木が次々と倒れると地面のしたから見慣れない巨大な生き物が姿を表した。土竜(ランド・ワイバーン)に分類される(ワイバーン)泥岩竜マドロック・ワイバーンが姿を現した。

 

 「全員戦闘態勢!ニアとメアは前衛!アレノアは撹乱!ジョンは関節射ち、私はサポートに徹します!」

 

 武器を構えた4人よりも早くジョンは、目と踵を射ち抜き動きを止めるて見せると、ニアが尻尾を斬り飛ばし、メアが巨大なハンマーにて角をへし折った。すると竜は倒れ動かなくなったがネーナが額に高火力の光線を射ち息の根を止めた。

 

 「洒落にならないわね……コイツがいるという事は、(ドラゴン)が近くにいるのかしら?」

 

 ジョンは咄嗟(とっさ)に、攻撃をしたが驚きホントに異世界という事を再認識した。なんせ、おとぎ話に聞く竜が目の前に現れたのだから。

 

 「なぜ、科学が中央スフィアに浸透しないかと言う話ですが、この竜のような強力な生き物が犬猫を見かける感覚でいるのですよ。特にこれの上位種の古龍(オールド・ドラゴン)は、神殿に祀られています。」

 

 ジョンはその話を聞いて、とある極東の国の話を思い出した。「神は自然と共に有りか……にしてもだよ?このぐらいの口径でダメージ与えられるなら、不可能ではないんじゃないのか?」とネーナに聞いた。

 

 「このぐらいの口径と言いますけど、あちらの威力換算で30mm対物狙撃銃(たいぶつそげきじゅう)並の威力ですよそれ。」

 

 ジョンは絶句した、どう見ても6mmぐらいしかない銃だと言うのにあんな威力と同じとは信じられ無かった。

 試しに近くの岩に向けて射ってみると風穴を開け、先が見えた。

 

 驚きのあまりジョンは、言葉を失い立ち尽くしていると突然咆哮が聞こえ我に返った。

 

 「今度はなんなんだ!」

 

 おい!とネーナの方を見ると彼女達全員が青ざめた表情をしながら空を見ていた。いやいや幾ら何でもそうんなねぇ?と思いつつ上を見ると、先程の竜より小柄の竜が轟音(ごうおん)と共に突っ込んできた。

 

 (てか、これソニックブームじゃねぇか!?ジェット機並みの速度だってのか!?)

 

 しかし、ネーナは青ざめながらもシールドを張り衝撃波から全員を守ったが着地の衝撃で全員尻餅をついた。

 

 すると竜はジョンを見て何かを言ったが、この世界の言葉が分からず困惑しているとネーナが急いで割って入り通訳してくれた。

 

 竜は、ジョンに向かって「貴殿(きでん)が私に銃を向けたのか」と尋ねられたそうだ、てか竜が喋んの?と戸惑(とまど)っていたが事実をそのまま返し意図せず事であった為謝罪した。

 すると、謝罪を受け入れた竜はジョンの額に爪を付けるとなにか呟き魔法を使った。

 

 「アルビオンの青年よワシの言葉がわかるか?」

 

 「え?アルビオン??なぜその名を?てか言葉がわかる!」

 

 

 「我は貴様に変言呪詛(へんごんじゅそ)をかけたこれでの世界の言葉が分かるだろう。かつてそちらの世界に存在した者の眷属(けんぞく)だ。邪龍ファブニルと言えば分かるであろう」

 

 ファブニルとは、ニーベルングの指輪に出てくる龍に化ける巨人だ、別の話では略奪(りゃくだつ)した黄金を護る為に猛毒を吐く蛇とも言われる、てかファブニルがこの世界にもいるのかよ。

 

 「ファブニル様の御眷属(ごけんぞく)でしたか……ジョンさんに説明するとファブニル様は鉱山の神としての側面と略奪と殺戮(さつりく)の悪神の両面性を兼ね備えた、龍神様です。」

 

 もはや理解が追いつかず呆気に取られていると、ファブニルの眷属と名乗った竜は再び飛び去った。

 

 「これで大分楽になりますね。引き続き調査をしますよ。そうそう、竜でも位がありましてね?神格的存在の古龍(こりゅう)、それに同等か眷属或いは、他の生物とよりも自然に近い存在なのが(ドラゴン)。そして、一般的な生物的上位に君臨する(ワイバーン)と分かれてます。」

 

 ジョンはイマイチ、ピンと来ていなかったが先程倒した竜よりも知能が高く、確かに元の世界に置いても軍事力上位の国が総戦力を用いてやっとであろう戦力を個体別で持っている事は確かだ。

 

 「交渉が出来るだけまだマシか。」

 

 「ところで皆様、時間もそろそろです休息といたしましょう。お昼です。」

 

 お昼というアレノアの言葉を聞いて、ニアとメアが焚火と鍋にヤカンをいつの間にか準備していた。

 

 「早速準備いたします!」

 

 「ジョンさんは、紅茶は何になさいますか?」

 

 ニアに紅茶の種類を聞かれ、「アールグレイで」と即答しに対して、ものすごいウキウキでヤカンに手をかざした。「ニアさん、ちょっと待ってください、ちゃんと浄化しないと体に触りますよ。」とネーナが腰に下げた小袋から石ころを取り出しヤカンの中に入れた。

 

 「申し訳ありません。闘気の性質変化(せいしつへんか)属性魔法(ぞくせいまほう)は便利なのですが、純度(じゅんど)の高い物を摂取(せっしゅ)すると体に異常をきたしますので、こういった物を使って浄化するんです。中央スフィアや西スフィアの人達と違って東スフィア系の人は耐性がありませんから。」

 

 便利だなぁと感心しつつも、負の側面もはらんでる分、一長一短(いっちょういったん)なんだなと考えこんでいると、あっという間にヤカンがピーッと音を立てた。

 

 「さて〜昼食が出来上がるまでの(つな)ぎに紅茶をどうぞ〜」

 

 メアがアルミ製?っぽいカップに紅茶を注ぎネーナとジョン、アレノアが一息入れた。

 

 「こちらの世界のお話をいたしますね。チャーチル殿。」

 

 アレノアが地図を拡げ、鉛筆を使って説明を始めた。自然豊かな中央スフィアと乾燥帯の東スフィア、その特徴を併せ持つ西スフィアに分かれている。

 

 「先日お話しましたが、東スフィアは科学力、西スフィアは魔法科学が発達していて、異なる文明を築いています。」

 

 「そうだ、なぜ中央スフィアに科学が入って来ないんだ?竜達や君達が特殊能力なのは分かるがそれでも()に落ちない。鉄鋼業(てっこうぎょう)化石燃料(かせきねんりょう)等の技術が進歩していれば魔法を上回る筈だが?」

 

 ジョンの疑問に、土地のエネルギーが凄まじくて科学では制御出来ないのと話た。過去に何度も侵略を受けているが、戦力差も凄まじいと言う事に驚いた。

 

 20年前に中央スフィアに侵攻してきた、科学文明でもトップの軍事力を誇るヨ連は3500万人と言う大軍団で攻めてきたがらしいが、その殆どを失い撤退。当時の中央スフィア軍事大国がわずか50万人で退けたらしい。

 

 侵略しても、古龍の聖域(せいいき)があちこちにある中央スフィアはそれだけで天然の防壁になる上に古龍の戦闘力は水爆20発分に相当するらしい。

 

 先程戦った、竜ですら砲兵師団と機甲師団と艦艇3隻あってやっと倒せる戦力だし、それをたった1人で屠れる程の戦士がわんさかいるのだと言う。

 

 「それに、無事に機械を設置出来ても、そもそも劣化が速いので魔法を使った方が早いです。」

 

 そうこうしているうちに、メアが「お食事の準備が出来ました。」とアルミ製っぽい器に煮込み料理をよそって渡してきた。

 

 5人が食事をして少し経った頃、遠くから怒声が聞こえてきた。アレノアが魔法を使い索敵した結果ここから1キロ以内に多数の反応を検知したらしい。なんとも便利な物だ。

 

 急いで、食事を済ませ反応のあった方向に5人が向かうと、そこでは戦闘が始まっていた。

 

 片方は重装歩兵(じゅうそうほへい)の様な装いの一団ともう一方は、騎士甲冑(きしかっちゅう)の様な装いの一団が乱戦状態になっていた。

 

 「何だあれ……」

 

 「あの甲冑はヒット教国と呼ばれる国の軍隊ともう一方はカメーン王国の国旗ですね。」

 

 甲冑の一団は、縦横無尽(じゅうおうむじん)に戦場を駆け回り圧倒的な機動力を見せつけていた。なんでも魔導機と呼ばれる鎧で、貯蔵された魔力を元に可動している物らしい。

 

 もう一方は、下に防御術式(プロテクション)を組み込んだ衣服を着用した上に耐衝撃性に優れた防具を着込むという物だが、両者1歩も退かない激戦を繰り広げている。

 

 「あれ?まさかミノンの奴もこの戦場にいるのかしら?王族旗も見えるし。」

 

 空を飛び回る方が優勢かと思いきや、なんと飛び上がり長槍やメイスを振り回している。更には盾と一体化した小型のボウガンを放ったり、チェーン系の武器を使用して対抗している。中には巻きつけたチェーンを赤熱化させ相手の武器を破壊してる者もいるし、足元に魔法陣を張ったり、白い闘気を身に纏いながら飛行している者もちらほら見受けられた。

 

 「ネーナ殿どうしますか?撤退します?」

 

 「私達はあくまで調査です。この戦闘に関与する必要はないでしょう。」

 

 戦場に背を向けた途端、一筋の閃光がニアめがけて走ったが大剣を振り弾いた。

 その先には魔導機を身にまとった戦士つまり、ヒット教国軍の兵士が何人かこちらを見据えており、一人が「カメーン王国の別働隊か!」と叫ぶと、襲い掛かってきた。元の世界の冷戦期時代の航空機に匹敵するぐらいの速度で突っ込んできた為、狙いが定まらない。

 

 銃に銃剣を付け抜刀し戦闘態勢に入った瞬間、横から先程の光線よりも大きく速い閃光が数名を飲み込んだ。

 

 ネーナが振り向きざまに、魔法を放っていたらしい。これで中の下レベルの戦闘力らしいので、そりゃ科学文明の軍事力も退けられるわなと思った。

 

 「ネーナ様いいですか?暴れてきて。先に手を出したのはあちらですし。」

 

 「はぁ……いいわよニア、メア。アレノアさんジョンさんカメーン王国側で参戦です。王族旗の元に私は行きます。知り合いなら、臨時金貰います。」


 鬼族のニアとメアの力の前には、どんな防御術式も意味をなさず、メイスや長槍を受けても傷一つ付かなかった鎧も一撃で粉砕しそれどころか、体すら四散する程の威力を、銃弾並の速さで繰り出し、アレノアは軽業師のような軽快な動きと素早い手捌きで確実に仕留めていく。

 

 ジョンは、相手の速さに苦戦しながらも銃剣とサーベルを駆使して一人ひとり確実に仕留めていった。

 

 ドドメとばかりに、ネーナの大出力魔法が放たれヒット教国の軍は一網打尽にされ、ヒット教国軍は敗走していった。

 

 その威力を目の当たりにしたジョンは「まるでバンカーバスターじゃねぇか」と呟いた。

 

 戦闘が終わり、5人は合流し引き上げようとすると、一騎がこちらに向けて駆けてきた。

 

 「馬上から失礼します。ネーナ殿の一団とお見受け致たします。私はカメーン王国軍のガズといいます。ミノン王子がお呼びです。」

 

 お呼ばれされては、顔を出さない訳には行かないためネーナは「(かしこ)まりました、案内をよろしくお願いいたします。近衛(このえ)の方。参りますよ4人共」といい、近衛兵のガズの後をついて行った。

 

 王族旗を掲げた本陣では戦後処理に追われてバタバタしていて謁見と言う感じではなかったが、一人の青年が歩み寄ってくるとネーナの肩を叩き「ようネーナ!相変わらずの大出力だな!」と軽く話しかけてきた。

 

 「ミノン王子様…ご無沙汰しております。どの様な御用向(ごようむ)きで、私をお呼びに?」と硬い口調で話すネーナを見てミノンは、「ガズ!4人を休息室に案内してくれ、ネーナとは一対一で話す」と指示を出した。

 

 ガズは一礼をすると「4人共コチラへ」と兵士の休息場に連れて行った。

 

 「ふぅ〜……ミノンあなた更に腕を上げた?」

 

 「まっさか!闘気術の精度を上げただけだよ。それに我流(がりゅう)から剣の型7(ソードフォームセブン)心剣(ハートソード)を習得しただけだしね。」

 

 剣の型とは、スフィア世界における戦闘形態の一つで剣は王道の中段の構えの1から、闘気や魔力を駆使した7番まで存在する。

 

 「心剣ってかなり難しいと聞くのに、良くやるわ。」

 

 「君も、更に精密性を上げたんじゃないのか?以前ならあそこまで絞って射てなかったろ?」

 

 大出力魔法は、強力な代わりに制御が難しく少し手元がブレるだけで狙いが反れると言う負の側面を持っている。

 

 「いえ?放出の際に、威力を逃がせるように工夫してるから、そこまででも無いよ?私なんかまだまだですからね。呼び付けた理由は何?」

 

 雑談を経て、ネーナは本題を聞くとミノンから「お前今冒険者なんだろ?」と言われながら、金色に輝くコインを2枚貰った。

 

 私は首を傾げて「これは何?」と聞くと彼は「うちの国で使ってた、硬貨だよ。祖父はカルーゴ協商国との一方的な公益関係を結んでてね。でも今は敵対してるし忖度(そんたく)する必要も無いからあげる。」

 

 聞くところによると、イストル帝国との取引でも使用しており、この他に青銅(ブロンズ)(カッパー)(シルバー)白金(プラチナ)、の4種類を使っていて、それぞれ青銅貨が100、銅貨500、銀貨1000、白金貨が5000、そして先程ミノンから貰った金貨が1枚一万ネブルと言う金額と同じらしい。

 

 いちいち、千ネブ箱を持ち歩かず魔法の袋を圧迫しないのは旅人や冒険者達には助かる話だ。

 つまり、今ネーナは、二万ネブルをポンと貰ったことになる。ありがとと口にすると彼は「調査頑張れな〜」とさらっと流した。

 

 少ししてから、休息所で休んでる4人と合流し再び調査を再開したのだが、ヒット教国はネーナ達を征伐対象(せいばつたいしょう)と認識したらしくちょくちょく攻撃を受けた。

 

 向こうは奇襲のつもりだった様だが、ネーナのイカれた広範囲探知とニアとメアの生体探知により尽く失敗し続けた。

 

 加えて、並の異世界人であれば森林戦での奇襲を受ければ大体は命を落とすが、ジョンは正規軍である為、初の森林戦ではあるものの真面目に訓練を受けていたのでしっかり対応できた。

 

 「しかし、ヒット教国とカルーゴ協商国の森林荒らしで動物の生息域が変化しつつある様ですね。」

 

 受け取った紙を見つつネーナは、呟いた。本来沿岸部と山岳部を生息域とするトータス・ベアが森林地帯に、個体数の増えたフェンリル、本来は山頂にしか生息しない泥岩竜が森林部への遠征。その他にも目まぐるしい変化に頭を抱えた。

 

 「なんだかなぁ……それに、ヒット教国による亜人狩りも見逃せないわね、カメーン王国だけでは手に終えなさそう。」

 

 それから、1週間の調査の後にカルーゴ協商国にある冒険者組合事務所に戻り報告した。

 

 「ありがとうございました。まさか、ヒット教国とカメーン王国の衝突(しょうとつ)が森林中部まで及んでいるとは思いませんでした。」

 

 受付のエルフの女性は、溜息(ためいき)を吐きつつ調査報告書に目を通しつつ口に出した。

 

 「そうですね、所で何体かの竜と大型生物を駆除(くじょ)しました。特にフェンリルやサーベルタイガーなどの、肉食動物の個体数がかなり増えています。」

 

 肉食動物の個体数の増加自体は、中央スフィアではさしたる問題ではないが、竜がそれらを目当てに現れるケースも増える為少々警戒する部分である。

 特に肉食の竜ともなれば、出現地域だけで無く周辺の町村にも被害がお呼ぶ事も考えられる

 

 「分かりました、イシナ近郊の猟友会(りょうゆうかい)森林警備隊(しんりんけいびたい)に依頼を出しておきます。」

 

 受付の女性は、そう言い依頼完了のサインをし完遂と書かれた判子を受領書に押した。

 

 「これは任意なのか分かりませんが、その際カメーン王国軍に協力して金貨と言うのですか?2枚受け取りました。」

 

 受領書をファイリングしていた受付の人の手が止まり厳しい表情に変わった。

 

 「ここ以外で話しました?話してないのなら黙っててください。金にうるさいこの国では、貴方殺されますよ。」

 

 なんでも、利益優先されるこの国では契約以外で受け取る収入は、国家転覆罪(こっかてんぷくざい)に等しいらしく真っ先に指名手配(ブラックリスト)に登録されるらしい。

 

 報酬を受け取ったあと、再び中央卸売市場へと脚を運んだ。

 

 「ふと疑問に思ったんだが、ヒット教国とカメーン王国ってどんな国だ?」

 

 ジョンは、ネーナに対して聞いてみた、そして懇切丁寧に教えてくれた。

 

 「この世界には、3つの文明があるとはお話しましたね?ヒット教国とカメーン王国は魔法科学(まほうかがく)を主体とする文明帯でして、また一神教国家でもありますね。」

 

 一神教国家と聞くとあまりいいイメージを持ってなかったが、どんな宗教かと訪ねようとすると続けて説明してくれた。

 

 「ヴァルハー教と言うヴァルハと言う神を信仰していますね。その中でも信心派(しんじんは)信条派(しんじょうは)の2派閥があります。信心派はカメーン王国や西スフィアの大半の国がこの派閥ですが、ヒット教国近辺の国は信条派と呼ばれる派閥ですが質が悪い一派ですね。」

 

 少し、呆れながら空を仰ぎて見て「信条派はアレか認めない奴等は排除とかそんな感じか。似たようなのはどこにでもいるもんだ。」と元の世界の事を思い出しぼそっと呟いた

 

 少し見て回っていると、みすぼらしい少年が箱一杯に魔法石を積んで露天を開いていた。

 

 箱一杯に詰め込まれている魔法石を見たネーナは絶句し思わず「なにこれ!」と口に出した。

 

 少年は、「いらっしゃい、1個2ネブルだよ」と価格を言ったがネーナはその売値に驚いた。

 

 「貴方これ!天然物よね!?どうやってこんなに手に入れたの!?」

 

 グイグイ詰め寄るネーナの圧に気圧され少年は怯えながら「じ…自分で採りました」と恐る恐る口にした。聞くと、低品質の為この価格でした売れないと言われたので指示された売値で売っていると言う。

 

 しかも彼は、学という学を一切持っていなかった為、すぐに騙されている事に気づいた。

 しかし、親の借金を返す為に働いていると言うので頭を抱えたが、箱見つめていたジョンはこの世界では中々ない方法を教えるといい、その手を使って荒稼ぎする事にした。

 

 玉師としてネーナは、行動を開始した。

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