女主人公達の大晦日
あかねちゃん、いのりちゃんは出てきません。出す余裕がなかった……。
リクエストがあれば、この子達も含めた短編小説も書こうと思います。
「お疲れ様ー!」
こたつに入って四人がジュースを飲む。黒髪の身長の高い女性――蓮は小さく笑った。
「一年が経つのは早いな……」
「そうだな……」
茶髪の女子高校生がみかんをむきながら答えた。
「誰だお前?」
「作者が書いているデスゲームの主人公の涼恵だ。よろしくな」
※ちなみに彼女が主人公の作品は来年出します。
「それで、その……ヴァイオレット?シンシア?どっちで呼べばいいんだ?」
「私ですか?どっちでもいいですよ」
スミレ色の髪の少女が笑う。その隣で藍色の髪の女性――アイリスが「そういえば、大晦日ってなんだ?」と聞いてきた。
「あぁ、そういえば二人は外国だもんな」
「なんなら、世界が違うからね」
蓮と涼恵は日本だが、二人はそもそも世界観が違う。知らないのも納得がいく。
「まぁ、一言で言うなら年越しだな。一年の終わりを皆で迎えようというものだ」
「昔は深夜まで起きていることが当然だったらしい」
「なるほど……」
「まぁ、そう固くならず普通に過ごそうか」
テレビをつけると、例の番組が流れる。あの「わらっては以下略」だ。
「こ、この人達、痛くないんでしょうか……?」
ヴァイオレットが心配そうに見ている。
「うーん、ヴァイオレットちゃん。君の方が痛そうだけどねー?」
蓮が苦笑いを浮かべる。義賊が何を言っているんだ……?
実はこの中で唯一、戦闘関係がほぼないのは涼恵だけなのはここだけの話。
「しかし、災難だな……お前達も」
「この作者が書く作品って、基本的に完全な「ハッピーエンド」はないからね……」
唯一完結している蓮の物語ですら、まだ続きがあるのだから。
「そういえば涼恵さんの物語って、蓮さんの物語の先なんですか?後なんですか?」
ヴァイオレットに聞かれ、涼恵は「蓮の話の前だな。ちょうど、冤罪事件で逮捕される前後の話だ」と答えた。
そう、物語の順番的に涼恵→蓮→アイリスとヴァイオレットになるのだ。え?アイリスとヴァイオレットの物語って蓮の物語から繋がってたの?繋がっています。ネタバレになってしまうのでどういうことなのかはここでは言いませんが。
そうやって話しているうちに、番組も終盤になる。ちょうどその時、除夜の鐘が響いた。
「もう今年も終わるな……」
「来年も頑張ろうな……」
「え?ボクはもう終わって……」
「君、しばらくは働かされるよ」
アイリスの言葉に蓮は絶望した顔を見せた。だって蓮の物語が中心になるからね……。それにプラスしてクロスオーバーとかも考えてるからね……。
「……過労死させる気か。うちの作者は……」
「大丈夫……私なんて基本的に他人より過酷な人生を送っていることになってるから……」
涼恵も遠い目をした。この子はこの中で一番平凡な子だ(作者の中では)。その分設定とかも変えやすいものである。
「まぁ、なんだ……来年も頑張ろうな……ボクも死なない程度に頑張るよ……」
「あなたが言うと説得力がありますね……」
気づけばもう十二時過ぎている。番組もすでに終わっていた。
「そろそろ寝ようか」
「初日の出も楽しみだな」
四人はテレビを消し、寝室に向かった。
作者ながら、かなり働かせられてますね。特に蓮ちゃん。
大丈夫!多分死なないから!(なお、涼恵ちゃんに関してはノーコメントで)。
皆さん、よいお年を!