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#12 魔法

「やったのか?フェリア」

少し掠れたような、声だけでわかる疲れ切った男の声が、陽の沈んだ薄暗い山の斜面に響く。

拡声機を通したような、どこか機械じみたその声は、黒い箱から、正確にはその箱に描かれた魔方陣から放たれていた。


世界の終わりと覚悟していた私は何事もなく声が聞こえただけという事に少し呆気に取られながらも今だ訳も分からず、状況を把握するためゆっくり起き上がり剣を構えながら箱を見つめる。


何が起こってるの?

箱から放たれたのはこちらの世界の言語だ。

だから鈴は理解出来ていないのか、未だに箱を見ながらオロオロとしている。


けれど言葉が理解できていた私だってわからない。

鈴と一緒にオロオロしたいぐらいだ。

なんだろう、あの魔方陣は。

やったのか?って問いだと、何を指すか知らないけど、多分録音ではないだろうから......

どこかに繋がってる?

まさか、地球で言う電話みたいな感じ?

箱が生きてるとかは考えにくいし、そんな気がする。

それにフェリアって、明らかに人名だよね。

私は再び差し迫る危機感に襲われながらも、黒い箱を睨み、必死に思考を巡らせる。


その声に、真っ先に反応したのは少女だった。


さっきまで項垂れていた少女は、その声に全身を縛られたままビクリと反応し、モゾモゾと動き出す。


......その様子はまるで芋虫だった。


少女は声の放たれた箱に向けて必死に叫ぶ。

「ギエル!助けて!!

魔物達に捕まっちゃって!!」

少女は仰向けに縛られていた体を翻し、芋虫のように這いながら黒い箱に近づこうとしていた。


マズい。このままじゃ何をされるか分かったもんじゃない!

「辞めろ!」叫びながら地を蹴って一瞬で距離を詰める。

箱に触れる寸前だった這いずる少女の腹部に蹴りを入れと、少女は咽びを上げながら転がり、唸り声を上げる。

その横では、鈴は会話の内容はわからなかったはずだけど、私の言葉に危機感を覚えたのか、箱に駆け寄り箱を蹴り飛ばしていた。


あっちょっと違う。

でも可愛いから良いか。


腹を蹴った衝撃で、ハラリと目隠しが解けた少女と目が合う。

少女は苦痛に身を悶えながらも、これでもかと言う程に眉間に力を入れ、「クソが!」と威勢たっぷりに私を睨め上げていた。


おー怖い怖い。そんな姿で威嚇されても怖くないんだけど。


鈴に蹴られて山の斜面を転がりながら飛んでいった黒い箱を見た少女は唸り声を上げながら、次は腹を蹴った私の足に視線を移し、身をくねらせ、蛇の如く噛み付いた。


「痛っ!!」

足のすねを噛まれ、不意打ちに顔を顰める。

少女を振り払おうと足を振るけど、力及ばずか、それとも少女の執念か。

少女は足に噛み付いたままその口を離さない。


「いい加減に......」

私がもう一度腹部に蹴りを入れようとした所で、

その間に先程と同じように、魔力が私と少女の直下に集結し始めている事に気が付く。


コイツ、またあの黒魔獣出す気?!


直下で魔力が収束してゆく中、私は腰から伸びる蜘蛛脚で必死に足に噛み付く少女の顔を思いっきりぶつと、痛みからか、足に噛み付く口がようやく外れる。そのまま足で頬を踏み付け、そして剣をその首へ突きつけた。

「これ以上何かしたら、殺す!」

踏みつけた顔を睨みつけながら溢れる怒りの声をそのままぶつけると、地下で収束していた闇は散っていった。


「なんだ、捕まったのかフェリア。

無様だな。」

そんなフェリアと呼ばれた少女を嘲笑うかの如く蹴り飛ばされた黒い箱は再び声を発する。


え?仲間じゃないの?

箱から放たれた意外な言葉に少し驚く。


「ギエル!?どういう事!?

助けッ、ガッ!」

足の下で助けを求めるフェリアに足に力を込めてその顔を地面に押し付けると、剣を首に押し付ける。

強く剣を押し付けたその首からは血が滲んでいた。


黒い箱は続けて声を放つ。

「そこにいるのか?

フェリアを捕まえた強者さん。」


私は少女を踏んだ足の力を緩めることなく踏みつけながらその問いに答えるか、頭を悩ませる。


こいつは敵なのか?それとも味方なのか?

分からない。何も分からない。


.......10秒、20秒と緊張が張り詰めたまま、ただ時が過ぎて行く。

鈴も状況が分からないながらも、固唾を飲んで見守っていた。


分からない。けれど多分、答えなきゃこのまま何も分からないままだ。


「いるけど、何?

お前達はなんなの。」


逡巡の後、口を開く。

けれど私は、限界まで高まった警戒心を隠すことなくその声に乗せ、なるべく威圧感を込めて、言葉を発した。


すると黒い箱は再び声を発する。

「なんだ、驚いたな。この世界の言語がわかるのか。

てっきり異世界から召喚したものだと思っていたが。」


なんだ?

私はますます分からなくなる。

コイツら揃って言ってることに脈絡が無さすぎる。

黒い箱から放たれる声は、私の声を聞き異世界から召喚したと言う。


マジで何言ってんだ?コイツら本当に病気なんじゃ......


いや、違う、

私じゃない!


私は咄嗟に鈴に視線を移す。

こちらの言語を必死に聞き取ろうと顔を顰めていた鈴は、私と目が合い、えっ?という感じで自分を指さしキョトンとしていた。


召喚したってのは鈴の事か!

確かに私はこの世界に転生しできたけど、それは何十年も前の話だ。


つまり、状況的に鈴の話!

この箱の向こうにいる男が言っているのは、つまり、つまりコイツが鈴を地球からこの世界に召還したって事?!


ありがとう!!

じゃ無かった!なんて奴!!


「ふむ。

とりあえず、お前らを襲ったガキは煮るなり焼くなり好きにしていい。

そいつは用済みなのでな。」


その声は私にではなく明らかに足の下にいる少女に向けられていた。

少女を見ると、さっきまで私を見上げ睨みつけていたその顔は驚愕に変わっていた。

「ギエル!?なんで!!」


私はあえて足には力を込めず口だけの自由を与える。


しかしフェリアのその声に返答は無かった。

それどころか、箱に描かれた魔方陣は徐々に光を失い箱はうんともすんとも音を立て無くなった。

「オイ」

警戒しながら箱に向けて声を放つも、その声に返答は無かった。


ますます訳が分からなかった。

「どういうことか、説明してもらえるかな?」

足元の少女の首に向けて再び剣を突きつける。


しかし少女は絶望した表情のまま動かなかった。


その顔に嘘はあまり見えない。

だとすればこの少女は本気であの男に裏切られたのだろうか。

裏切るって言うか、この2人はそもそも何を企んでいたんだ?


何が起こってるのかすらさっぱり分からない。


......うーむ。


私は足の下でただ絶望の色に顔を染める少女と訳も分からずまたオロオロし始めた鈴の顔を互いに見る。


どうすれば良いの?これ。


......とりあえず状況整理から始めようか。


ガルギアはすっかり地の底に沈み、空には星がチラつき始めていた。

足元でさっきとは打って変わって意気消沈し、抵抗すらせず倒れている、フェリアと呼ばれたこの少女。

まずこの子が突然襲って来たんだよね......?


山で鈴のトイレを待っていた時だった。

この少女がいきなり強襲を仕掛けてきて、私は何だか楽しげなこいつに体を真っ二つに吹き飛ばされた。

思い出したらなんか腹立って来たな。

不意に足に力を込めてまったのか、私の足の下では少女が唸り声を上げていた。

兎も角、襲う理由は不明で、ギエルと呼ばれた存在に命令されていた?

多分少女の言ってた事を要約すればそうだ。


で、戦闘後少女を取り押さえた時に出てきた魔方陣の描かれた箱。

そこから発せられた声に対してこの少女は「ギエル!」と叫んでいたから箱自体、もしくはそれを通して喋っていた人物、それがギエルと思うけど......。


うーん。

そう考えたところで、結局何も分からない。

名前ばかり分かっても、何故いきなりこんな馬鹿みたいに武術に優れた少女を使ってまで襲わせたのか。

それ以前に襲った理由はなんなのか。


確か、「召喚した」だのなんだの言ってたから、鈴がこのギエルという男に、地球からこの星へと召喚されたことは間違いないんだろうけど......。


うーん!ますます分かんない!

わざわざ召喚して、襲わせに来るって何......?

取り返しにきたならまだしも、完全に殺しに来てたもんね?この少女は。

そして挙句の果て、最後には、「そいつはもう用済みだ」なんて言って、この少女を見捨ててたわけだし。


少女に目を向けるも、足元で寝そべる少女は死んだかのように何も喋らない。

足を乗せてるのが少し可哀想になってきたけど、少しでも油断すれば何をされるか分からないので、足をどけることも出来ない。


というか、そもそもなんで神に封印されたはずの魔法陣が、それも魔道書ではなく恐らく独自に描かれたもので使われているのか。


そもそもギエルとは一体何者なのか。


もしかして神だったりとか??

いやいや、そんな訳。神全員を見た事なんてないけど、壁画に描かれるような神々の中に、あんな疲れきった声のおじさんは思い当たらない。


うーん。

いくら考えても何もわからなかった。


ふと視線を鈴に向けると、さっきまでオロオロしていたはずの鈴は空を見上げたまま何も考えてなさそうにポカーンとしていた。

考えてなさそうというか、絶対何も考えてないよね。

どうやら考えるのを諦めたらしい鈴は、星を見て若干の涙を滲ませていた。


あれはあれで可哀想なんだけど。


さて、そんな鈴は置いといて。

私は再び剣を動かなくなった少女の首元に向ける。


自分で考えるより当事者に聞く方が早いでしょ。


「ねぇ。落ち込んでるところ悪いんだけどさ、どういうことか説明してくれる?」

私は先程のように剣を首に突き付けたままそう聞く。


すると少女はこちらに顔を向け、なんで分からないの?みたいなうんざりしたような顔を1度してから、

「裏切られたんだよアタシは......」

なんて呟くと溜息を吐き再び項垂れる。


イラッ。えっ何その被害者ヅラ。

圧倒的被害者はこっちだし、そんな事は分かってるんだよ。

というか、まともに喋れたのかお前。

......なんかデジャヴ。


というか。何なんですかその顔は?

状況わかってんの?こいつ。

私が剣振り抜けばあんたの首吹っ飛ぶんだよ?

何その、何でわかんないの?こいつ阿保なの?みたいな顔。

馬鹿なの?死ぬの?

え、めっちゃイラッと来るんだけど。


ま、まぁ、私は心に余裕がある大人なので全然そんな事で怒ったりしないんですけれど??

この態度が無性に癪に障るのだ。


「そうじゃなくて、なんで私達を襲ってきたのか。

その箱はなんなのか。


説明する事、沢山あるはずなんだけど。」


首に剣を突きつけたまま怒りを込めた声でそう告げると、

ちらりと、すっかりもううんともすんとも言わなくなった、黒い箱を一瞥する。

先程までスピーカーのようにギエルと呼ばれた存在の声を放っていたソレは、今はもう何の効果も無いのか、それともまだ何か仕掛けがあるのか。それすらも私には分からない。


私の問いに、また少しうんざりした顔をした少女に、足の力を込める。

「私はいつでも君をどうにでも出来るんだけど?」

数刻の間を置いて、やがて観念した様に、少女はまた溜息を出した。

「ギエルに聞いてよ......。

私は貴方達を攫ってって言われただけで、何も知らないよ......。」

なんか終始どこかダルそうに話す少女にやっぱり苛立ちを覚える。

私、コイツと馬が合わないんだろうか?

それは良いとして。


何?攫う??

攫うったってあなた、私の事ぶち殺しに来てらっしゃいましたけど??

私何回体吹き飛んだと思ってるんです???


もしあれで本気で攫うつもりだったのなら、力加減の分からない本当のお馬鹿さんなんですか???


そんなのもうドジっ子とかいう属性超えてますぜ奥さん。


はぁ、もう本当に分からん。何〜??

もしかしてこれ、チンピラみたいな組織だったりする?


このフェリアって少女はその組織の末端で、

オラァ!この顔覚えろ!

そしてこいつら攫ってこい!生死は問わない!

とか言われて成功したらお金もらえるみたいな?


そんな匂いがプンプンするんだけど。


ギエルって言うのはなんかそのチンピラの上層部、お偉いさんみたいな?


なんて馬鹿な妄想は置いといてと。


「じゃあそのギエルってのは何者なの。」

私は足を退けることなく再び問う。


少女は少し気だるそうなまま

「何者でもないよ......

ただの普通の魔族だよ......」

そう、何故かどこ悲しそうに答えた。


ごく普通に。


しかしちょっと待って欲しい。

魔族?マゾク?mazoku...?


待て待て待て。待ってくれ。何か私の聞き間違いだろうか?

この少女は今間違いなく魔族と呟いた。

そのギエルと呼ばれた人物が。魔族と。


もしかして。

私は少女の顔に乗せていた足を退けると、すぐさま少女の着ているボロ絹のような服を剥ぎとる。


「ちょっ!」

一瞬で裸体となり、慌てたように局部を隠しながら叫ぶ少女を気にすることなく、裸体を晒す少女を地面に押さえ付けると、その背中を確認する。


そこには、背中を覆い尽くすような、巨大な黒い痣があった。


その黒い痣は、魔族特有の、種族的なものだった。


「ねぇ!辞めてよ!何!?」

押さえつけられたままもがく少女を気にしている余裕はなかった。

酷い?知ったこっちゃない。


魔族が何故ここに?


人族なら空飛ぶ大陸から落ちてきたやなんやで100歩譲って説明が付くとして、魔族?


魔族とは、この魔物の住まう大陸、ナシュから数千キロも離れ、大海を挟んで地図上じゃ正反対に位置する大陸。グローム大陸に住む種族。

飛行機は愚か空を飛ぶ機械がないこの世界で、(飛行大陸はあるけどあれは魔法で作られたから論外)別大陸にいるはずの魔族がここに居るのはおかしかった。


船があるだろって?


ばっかでぇ!ここは凶暴な魔物の蔓延る世界よ。

奇々怪々の跋扈するこの世界で、海にもそりゃあ当然魔物は住んでて、しかも海にはヴェルグエイヴ=ヴェルケーティスと呼ばれるクソデカ神獣の1匹が巣食っているのだ。

船で渡ろうもんなら船ごと食べられたっておかしくない。


だから、自分の島から出ることなんてこの世界では基本できなくて、別種族は種族ごとに別れ、争いは多少あれど海と空という壁を作って関わり合わずに生きている。


そんな中で、別大陸に住むはずの魔族が今ここにいる。


何がどういう事なのか。

さっきの会話から考えられることは1つ。


「ねぇ、ギエルってのは何者?ちゃんと答えて。」


焦りと怒りの交じった声で、昔見た格闘技の見様見真似で魔族っ子の手をねじ曲げ、裸体の少女の背中に乗り押さえつけながら少女に問う。


痛みからか少女は顔を顰めながらも、

「ほんとに何も知らないんだって!!

私はケンキュウを手伝えって言われただけだから!」

と叫ぶ。


本当に??全く何も知らないの?それに研究?


「その研究ってのはなんの研究なの。」

そう問うも、

「なんで言わなきゃ行けないのさ!」

と叫ぶ少女の背中で捻じる手の力を強める。

この期に及んで!

「痛い、痛いって!

分かったよ!何をそんなに焦ってるの?!

ギエルがしてたのは、光る円みたいなののケンキュウ!

ギエルはずっとそれを調べてるの!」


「光る円...?」

驚く私の隙を突き、手を振りほどいた少女は裸体のまま転がり、目のあった私をキッと睨む。


その異常な光景に、言語は分からなくとも雰囲気で異常と感じたのか、先程までこの光景を眺めていただけの鈴も近づいてきて、「大丈夫......?」と問いかけてくる。


大丈夫なもんか。それ所じゃ無い。


光る円。この子が本当に何も知らないとしたらそれは魔法陣の事を指すのだろう。

そしてそれを研究。


ふむふむ。

よ〜く分かった。


つまりあれだ。

それは魔族ギエル。


そいつがこの世界で封印された禁忌。魔法を研究している激ヤバ魔族という事だ。


その上それの研究成果は、さっきのスピーカーのような箱やこの大陸に羽さえ持たない魔族っ子1人がここに来たという事実だけで、充分な精度だとわかる。


それは到底許されるべき行為じゃない。


前も言った通り、この世界で魔法という物は片手で簡単に天変地異を起こせてしまう代物。

それがたった一人の手に渡っただけでも、世界は大きく変わるかもしれないのだ。


許されざるべき行為。


しかし私には魔族大陸に行く術も無ければ見つけたところで魔法を使う相手にどうする事も出来ないだろう。


ここ数日で空から日本人の少女が落ちてきたり、フェリアという魔族っ子に襲われ、そいつを脅してわかったのはギエルという魔族が魔法を研究している事。


まとめてみればめちゃくちゃだけど、全てが線で繋がった。


発端は全てその魔族、ギエルにあったんだ。


......しかし、そうだとわかった所で私ではどうする?

正解は、どうする事だって出来ない。


フラッシュバックするのは、飛行大陸が魔族によって放たれた砲弾によって爆ぜるあの記憶。


別にラノベや漫画の主人公みたいに私は世界を救いたいわけじゃない。


けれど、またこの世界に訪れるかもしれない悲劇に、どうしようもない焦燥と何も出来ない己の不甲斐なさに怒りが込み上げる。


否、怒りというよりは不安なのだろうか。

どうしようも出来ず、ただ私達に明確な悪意が躙り寄って居ることだけか伝えられたような。けれどそれを黙って見ていろと言われた様な。

そんな、行き場のない怒りと、不安。


これからもまたギエルという魔族の魔法で召喚を行われ、鈴のような罪もない人間がこの世界に送り込まれるかもしれない。


神は何をしてるんだろう。

そういった世界の悪意を管理するのが仕事じゃないの?


考えたって分からない。

先行きの見えない不安に、私はまた押し潰されそうになる。


ただ森にひきこもって、もう何とも関わらない様に、これ以上何も見たく無いから、ずっとずっと引きこもっといたのに。


この数日ですっかりそれも変わってしまった。


嗚呼、逃げ出したいなぁ。

ふと心の弱い所を、弱い私がつついて来る。


私は、首を振る。

地面で絶望顔で項垂れる魔族っ子、フェリア。

それを心配そうに見つめる人の子、鈴。


嗚呼、問題はどうやら山積みらしい。


一体、どうなってんのさこの世界は。

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