表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/45

18日目

 今日は遅刻することなく、無事始業三分前に教室に到着した。

 朝のホームルームを終える。


 よし。

 拓哉に話しかけに行くぞ。


 拓哉とは友達……になったのだろうか。

 彼から話しかけてくることは一度も無かった。

 だが、僕から話せば無愛想な感じではあるが相槌を打ってくれる。


 最初は拓哉はコミュ障で緊張しているだけなのかもしれないと考えた。

 でも、僕が頑張って話題を振りまくった結果、会話の回数自体は結構多くなったのだが、相変わらずだ。

 彼の会話スタイルは、きっとこうなのだろう。

 そう思っていた。



 拓哉はホームルームが終わるとすぐに教室を出てしまう。

 僕は彼を追った。行き先は一年E組。


 E組の教室のドア前にいた生徒が、拓哉に話しかけた。

 すると二人はとても明るく話し始めたのだ。お互いに高校生活の様子とか、言い合っている。

 ……あれ? 拓哉が自分から普通に喋っているぞ。


 二人の話を立ち聞きしていると、話題はなんと音楽ゲームの話に変わった。

 どうやら彼等はバンドリというスマホ音楽ゲームのプレイヤーらしい。拓哉じゃない方は茶髪ピアスのいかにも陽キャという感じの人だから意外だ。


 そうか、きっと二人は趣味が合うから会話が盛り上がるのだろう。あの様子を見るに相当打ち解けているし。

 バンドリなら、僕も少しプレイしている。

 同じ話題で盛り上がれるじゃないか。


 彼等の話が終わるのを待っていたら、チャイムが鳴った。

 まずい、教室に戻らなきゃ。



 着席すると、担任の先生が言った。

「大体揃ったみたいだし係決めするぞー」


 クラスのリーダー、そして副リーダー。

 美化委員、図書委員、体育委員、放送委員、イベント実行委員。

 黒板係、自転車係、号令係、便利屋係など。


 様々な役割の中から一人一つ選んでいく。

 僕は特にやりたいと思う係がなかったから、周りの様子を見てから決めることにした。

 やりたくない係ならあるけどな。リーダーとか、死んでもなりたくない。


「じゃあまず、リーダーやりたい人手あげて。お、佐々木だけか。なら決定だな。

 次、副リーダーは? 水野と木村か。二人じゃんけんしろ!」

 このように、順番に立候補する人が決まっていく。

 そして。


「次、放送委員」

 拓哉が手を上げた。

 僕もつられるように手を上げる。

 同じ委員になれば話す機会を得られるだろうと思ったから。


「えーっと、三人でじゃんけんな」

 もう一人立候補していたため、じゃんけんをした。


 負けた。


 結局、僕は体育委員になってしまった。

 リーダーほどじゃないけど、い、嫌だ……。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ