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おお、伯爵令嬢よ。死んでしまうとは情けない

 


 中庭に立ち尽くす、可憐な少女。

 私、グレーテ・デュマ、享年18歳。


 花も恥じらう永遠の乙女である。文字通り死んじゃったから歳とらないんだよね!


『あれ?私ってひょっとして、幽霊?』


 私は足元を見る。なんと透けているではないか!幽霊の代名詞ともいうべき現象に震えた。主に感動で。


『え、すごい!幽霊って実在するんだ!すごい!』


 オカルトの類いは信じていなかったのでとてつもなく驚いた。

 それと同時に私、視えるんだよね……って深刻な顔で相談してきた友人を内心嘘つき扱いして申し訳なく思う。

 もっと親身に聞いてあげればよかったかな。

死んだあとだからどうしようもないけど。来世があるなら優しく接してあげたい。


『え、ひょっとして、壁とか透けたりもする?』


 思い付いた私は中庭の壁を抜けてみる。

 特に抵抗もなく、あえていうなら水面に潜るような感覚で、すっと実験室に入った。

 大人気の錬金術の授業の教室だが、もっぱら卒業式の練習ばかりの最近は使われておらず、埃が積もっているようだ。人が出入りしているであるう準備室に続く通路以外の地面はうっすら白くなっている。


『すごい!超便利!』


 幽霊の醍醐味に私はまたまた心が震えた。

 私が泥棒だったら、金銀財宝を王都の銀行の金庫の中から盗み放題だ。

 あっという間に大金持ちである。


 ま、死者だからお金は使えないけどね!壁が通り抜けられるのだからお金も手からスルッと貫通するだろうし、店員さんも幽霊のお客さんなんて困るだろう。


 そもそも大金を目の前にしても盗む気力が湧かない予感がした。

 窃盗はよくないという道徳的な問題もあるけれど、なんというか、さっき私は意識を取り戻してから、欲?というか、バイタリティーがなかった。

 なんかこう、求める心というか、活力?というものが一切湧いてこなかった。

 悟り?を開いた、というか出家して、修行を詰んで尊い聖職者にでもなった気分である。

 金?銀?宝石?名誉?所詮天の国には持っていけないものです、執着なんていたしませんわ!

 みたいなかんじだ。

 すごい。死者すごいぞ!

 欲がないなんて人間を辞めているみたいだ!

 あ、でも実際に幽霊だから辞めているというか、辞めさせられた?


『幽霊だよねぇ……殺されちゃったよね?』


 身体を確認する。

 なんというか、若干の透け感がある。

わー、オーガンジーみたい。

 なんて呑気に言えるのは死んだからだろう。死者ジョーク?不謹慎かな?


 死者は翼が生えていて、白い服に身を包むと伝えられているけれど、私は制服は着たままだった。

 教会に熱心に通っていた頃は神父様からそんな話を聞いたことがある気がしたけれど……。

 もしかしたら死者の話じゃなくって天使様の伝説だったかもしれない。

 私が学園に入学してからは教会のボランティアは禁止されてしまったから、記憶が朧気で混同している可能性は十分にある。

 あと、服装に関してはピアスが消えていた。死の間際で押し倒されて弾き跳ばされたのだろうか。

 ピアス愛用者は同意してくれると思うけれど、耳を貫通しているとはいえ、ピアスは衝撃で落ちやすい。イヤリングほどじゃないけどね。


『どこいっちゃったんだろ…気に入っていたのに』



 物欲が無くなった身だがなんとなく心に引っ掛かった。



 私はそれ以外にも欠けてる部分がないか身体を確認する。

 幸いなことに、異常は発見されなかったが、残念なことに幽体離脱の最中で、実は私にも生きている証拠がある!なんていうこともなかった。

 なんだろう、幽体離脱体験をした人は魂に糸がついてて辿っていくと体があるっていうし、臨死体験した人は光を辿ると目が覚めたとかいうけれど、そういう生のヒントみたいなものは一切なかった。

 もちろん、全員ホラを吹いてて、臨死体験とは実はもっと違う経験なのかも知れない可能性はあるけれど、とにかく生気を感じるものが私には皆無だった。


 確実に、私は死んでいた。

 完璧に心臓が止まって、瞳孔が開いて、自発呼吸がなかった。

 霞が晴れたように自分の状態がはっきり自覚ができた感覚が私にあった。

 死んでいるってなんだか皮肉だ。生きている間は自分のことだって確かじゃなくて悩んでいたのに、にっちもさっちもいかない状態なのに心は穏やかなんだから。


『死んでいると(しがらみ)とか無くなっちゃうのかな』


 独り言を呟く私の後ろで鳥が飛び立つ時のような羽音がした。


『そうだよ、死者になったグレーテ』


 私は突如かけられた声と音にギョッとして振り返る。


『え…?!わぁ……!綺麗…!!』


 そこには、翼の生えたエライ別嬪さんがいた。なんとなく中性的だからハンサム君かもしれない。

 三揃えの白いパンツスーツに、ご立派な純白の翼が似合っていた。観察すれば、よく発達した筋肉質でゴツゴツした翼で、本当に空を長く渡る白鳥の翼のようだ。

 髪の毛も、毛ぶるような睫も真っ白で、瞳も銀色。顔は、

 そのパーツはそこだ、と満場一致で決まるような黄金比で構成されている。

 全人類が美しいと判断するような容貌だった。例え私は視力を失って暗闇にいたとしても、輝かしい存在を瞼の裏に感じさせるようなオーラもあった。


『……もしかして天使様で在らせられます?』


『君、ちょっと馬鹿っぽいけど、察しは悪くないんだね』


 唇の片側だけあげる悪っぽい笑みはびっくりするほど芸術的に整っている天使様には似合っていなかった。

 しかし、本物の天使様である。感動ものだ。


『はじめまして!宗教画とかで見ていました!記念に握手をお願いします……!』


 人間のイメージにぴったりのお姿である。


『あ、ああ……うん、はじめまして。はい』


 私の言葉に咄嗟に手を出してしまう彼は悪い人?存在?ではないのだろう。なんていったって天使様だし。

 あと、手のひらは本当に私の身体についてるパーツと同じものか疑問になるくらい、しっとりすべすべモチモチだった。天使様のお顔立ちと体つきは男性的だったが、男性の掌独特のカサつきと無縁の感触。

 学園でハンドクリームを切らさない清楚系女子の名を欲しい儘にしてきた私の掌に対する自信が喪失するくらいの素晴らしさだった。

 すごいぞ、さすがは天使様。


『素敵ですね、どこのハンドクリームをお使いなんです?来世で使うんで教えて下さい』


『は……?僕に人間みたいな形態維持の商品は不要だよ』


『……!たしかに!私たち生きてないですもんね!老廃物もなければ、成長も、劣化もない……!』


 つまり彼の美は労せずして永遠なのだろう。世の中の美容に気を遣う人々が血の涙を流して羨ましがりそうな発言である。


『はいはい、納得したなら良かった。もういい?気は済んだ?僕は君のお迎えにきたんだ。調子狂うな…ほらさっさと逝くよ』


 逝くとは、音に聞く天の国に…ということだろうか?


『ああ、私、死んじゃいましたもんね。というか、御迎えって、結構時間差でいらっしゃるんですね?』


 どんよりとした夕立の中でコロされたはずだが現在は完全に昼間、抜けるような快晴である。

 教会の伝説を参考に作り上げた個人的なイメージとしては体と魂が切れた瞬間にサッと御迎えに上がって貰えるものだと思っていたので意外であった。


『あー……まぁ概ねは君のイメージ通りだよ。君の場合はイレギュラーなんだ。最近は平和だから人間って滅多に殺されないだろう?病気か老衰がほとんどだ。病気や老衰ならある程度予測がつくから予め送迎チームを手配しておくんだけどね』


『送迎チームとか組まれるんですね』


『そりゃあ人間は多いからね。担当の地域ごとに天使は統轄されて仕事をしているよ。飢饉とか疫病とか災害の時は臨時で特別対策班を立ち上げて対応するし、治安の悪い地域は予め大人数を配属している』


『結構しっかりお仕事なんですねぇ』


『当たり前だろう?君は天使の仕事がお遊びだとでも思っていたのかい?』


『いえいえ、滅相もない』


 神秘的なイメージだったのに話しの限りだとルーティンワークっぽくてちょっとガッカリしたという気持ちは黙っていた方が賢明だろう。


『何か言いたそうな目だね…まぁいいけど。ここまでで普通は速やかに回収されることが君でも理解できただろう?』


『もう、ばっちりです!!』


『君、さっきから明るいね…まぁいいけど。で、だ。君は殺人事件の被害者だ。君は特に悪事も起こさず、恨みも買わず、善良だった。そもそも、君が襲われた事件は天使の予定表に載っていなかったんだ。それで、君の死を特定するのが遅れた。魂はここで暫く漂って、死のショックから目覚めて自我を取り戻しちゃったって訳。本当なら君はふわふわ夢見心地で輸送されていたのにね』


『私ってめちゃくちゃ不運だったんですね』


『君が、歪んだ感情の持ち主がいたから天使達はなんとか把握できたんだけどね』


『え、歪んだ感情って何です?』


『お惚け能天気な君には一生理解できないものだよ』


 何だかすごく馬鹿にされた気がした。


『教えてくれないんです?』


『教えたら()()になるだろう。ほら、さっさといくぞ』


 彼はとんでもなく洗練された仕草で長めの襟足を弄っている。

 しかし、そんな美の化身染みた彼を私はよく見ていなかった。気になる単語があったからだ。


 ()()


 私は右耳を触る。そこは本来お気に入りのピアスがあったところだ。

 死んでしまって、無くしてしまって何故か心に引っ掛かる。


『ちょっと聞いてるの?グレーテ?って……痛いんだけど?!繋ごうとした手を振り払わないでくれない?』


『……』


 麗しい声で文句を垂れる天使様を私は無視する。


 なんでピアスが大事だったんだっけ。


 私は思いを馳せる。アクアマリンと小粒のエメラルドがついている、私の持ち物にしては大人っぽいデザインのスタッドピアス。


 普段使いにはちょっぴり高くて、でも無くしてしまわないようにと気をつけていたのは値段が理由なんかじゃなかった。

 地金が銀だから、錆びてしまわないように二人で一週間に一度くらいサテンの布で拭いていた。


 そうだ、私が右側の耳だけにつけていたのは分けたからだ。


 二人で。


 ―――「……やる」


 ―――「え…?!わ、可愛い!ピアスだ!これって本物の宝石?!」


 ―――「俺は働いているのに婚約者のプレゼントにイミテーションをる程甲斐性なしな貴族じゃない」


 ―――「嬉しい!ねぇねぇ、これ、二人で分けて着け……え、ちょっと待って。これ、もしかして私たちの目の色?!超ロマンチック!え、そういうの興味あったの?!私が素敵ねって話したらツーンってしたくせに」


 ―――「うるさい!いらないなら没収するぞ」


 ―――見上げる顔は真っ赤になっていて厳めしい騎士服と合わさって何だか可愛かった。アクアマリンのような一見酷薄そうな淡青の瞳が潤んでいて、私はこの人が好きだなって改めて思ったのだ。


 ―――「ごめんごめん、からかって。ありがとう、大好きだよ、()()()!」


 私ははっと目を見開く。


 ()()()



 私の大好きな婚約者のニコラはどうなるのだろう。どうしているの?

 悲しんでいるのじゃないだろうか。寂しがっているのじゃないだろうか。

 彼の存在を思い出すと先ほどまでの、どこか投げやりで悟ったような気分が一気に萎れてくる。

 沸き上がるのは未練と焦燥。


 ニコラ。あぁ、彼はどうしているの?


『置いて逝けません』


『……え?』


『ニコラを残して逝けません!せめてニコラが幸せになるまでは一緒にいますから!!』


 天使様はこいつ、いらんこと思い出したぞと言わんばかりに面倒臭そうな顔をした。


『いや、無理だから。駄々こねても君は死んじゃったし』


『お願いします!天使様!』


『困るよ、グレーテ。早く逝かないと君、消えるよ?』


『そこをなんとか、お力でどうにか!』


『無理なものは無理。僕の話、聞いてる?そんなに頭悪かったっけ?言語が理解できてない?』


『頭は悪くなかったはずです、でも諦めは悪い自信があります!お願いします!』


 私は両手を組んで拝む。ついでに途中から膝もついた。

 彼は暫く黙って私を見据えた後に、調子狂うな…と言いながら頭を掻いた。


『そもそも、魂はそんな長時間地上にはいられないんだ。保って1ヶ月。それ以降は消える。見守るとかは無理だよ。ずっと魂が地上に存在できたら溢れちゃうだろ?そういう風に存在が規定されているんだ。これは変えられない事実だよ』


『じゃあ、1ヶ月だけでいいです!お願いです!』


『いいですって、君ね、上から目線も大概に……』


『一生のお願いです!文字通り、一生のお願いです、ね?ね?』


 私は再び懇願した。そもそも一生のお願いって100年大往生した人の人生と、うら若き乙女として倒れた18年の私の人生でも同じ重さなんだろうか…?

 いや、下手に考えるな。人生を懸けるという意味では同じだ。

 信じよう。信じるものが救われるのだ。


『そんなこと言われても此方にだって予定があるんだけどなぁ』


 天使様がぼやくが、そんなことを言われても此方だって形振り構っていられないのである。

 天の国に連れていかれたらお仕舞いなのだ。

 ニコラと永遠のお別れである。せめてもう少し近くにいたい!


『そこをなんとか!あぁ、こんなに美しくて優しい天使様なら融通してくれないかなぁ…!』


 私は天使様があまりに頑ななので媚びる方向に舵を切った。胡麻を擂って、太鼓持ちして望みが叶うのならばいくらでもする。


『あのさぁ……』


『うわぁ!見れば見るほど素敵だなぁ!かっこいいなぁ!』


 くらえ、渾身の上目遣い。


『はぁ……それで媚びてるつもり?』


『いえいえ、滅相もない。本心でございます!』


 彼はため息をついた。眉間を押さえている。


『はいはい、うるさい、うるさい。それで、君を1ヶ月自由にして僕に何のメリットがあるわけ?』


『メリット…』


『交渉したいなら君も何か提案するべきだよ?さぁ何をしてくれるのかな?』

 

私はお金も宝石もドレスも持っていない。

 厳密にいうと恐らく遺品という形で残ってはいるけれど幽霊になった私は好き勝手できないし。

 そうなると、何か行動をするくらいしかない。


『若くて可愛い私と、楽しくお喋りとかどうですか?』


『ふーん…それだけ?』


 天使様は退屈だと言わんばかりににこちらをみやる。

 これはいけない。他に、他に教会や神殿でやること。天使が喜びそうなこと…

 考えて、考えるのよ、グレーテ!


『えーと、お祈り!お祈りします!お祈りの姿勢がいいと評判でしたから悪い気持ちにはならないはずです!』


『へぇ……?』


 興味なさげだった天使様がちょっと面白げにこちらをみる。

 この路線なら興味を引けるかもしれない……!希望を見出だした私は畳み掛ける。


『毎日、お祈りします、目の前で!信者の生感謝です!敬虔な信徒である自信があります!他にも……歌えます!讃美歌!少なくとも生前は美声でした!歌だけはいいねって音楽講師に褒められました!楽器はダメでしたけど…曲のご希望あります?ご要望でしたら、オリジナルスソングも作ります!音楽の成績には自信があります』


『……』


『えーと…いかがでしょう?』


 怖々と人類を超越したスタイルの良さの彼を仰ぐ。


『なにそれ』


 ぽかんとしたあと、彼は心底愉快そうに笑い出した。


『……えっと、ダメでした…?』


『ふふふ、違うんだ。愉快だね。崇め奉るの?僕を?ふふふ、讃美歌?お祈り?あははは!』


『……あのー』


 彼はお腹に手を当てて、涙目で笑い声をあげている。ちょっとした動作は人間も人外も一緒なんだなって何だか私は感心した。

 天使様はひとしきり笑って、目尻の水滴を拭った。ちょっとした仕草でも凄まじい色気だった。


『あーあ。はぁ…久々に笑ったよ。こんなに笑うのは何百年ぶりかな』


『それはよかったです?』


『ふふ。君って本当に愉快だね。まぁ…いいよ。1ヶ月だけだからね』


 暇潰しだから、と彼は呟く。


『本当ですか?!さすがは天使様!お優しい。今から取り消すとか言っても無しですよ!ダメですからね!一度言った約束は守るんですよ!』


『人間と違って僕は嘘が嫌いなんだ……君も忘れないでね』


『もちろんです!天地神明に誓います!』


『別にいいよ、僕に誓ってくれれば。あと、天使様って呼ぶのやめてくれる?』


『なんでですか?』


 天使様は少し黙りこんでから続けた。


『そんなことも分からないかな…君は。馬鹿って評価された経験ない?』


『んー…分からないですけど成績は上から数えた方が早かったです!』


 自慢じゃないけれど、上位10位以内に名前が載らなかったことはなかった。

 小さい頃は将来有望な可愛くて賢いグレーテちゃんと名を馳せたものだ。

 まあ、輝かしい将来は訪れずに死んでしまったけどね!


 現実ってお肌ピチピチ女子学生だった私にも平等に厳しい。


『まあ、いいや。説明してあげるけど、君だって人間ちゃんとか呼ばれたら複雑じゃない?』


『たしかに。というか、天使って種族名なんですね。じゃあ、あなた個人をなんてお呼びすれば?』


『……ファウストかな。そう呼んで』


『ファウストさんですね。私はグレーテ・デュマです!享年18歳、趣味は読書とお買い物でした!名門伯爵家の末っ子として甘やかされて育てられた自信があります!これから1ヶ月よろしくお願いいたします!』


『……グレーテって本当に明るいよね…因みに趣味が過去形なのは死んだから?』


『そうなんですよ、物欲も知識欲も全て吹き飛んじゃって』


『まあ、そうだろうね』


 死者ってそんなもんだからと彼が呟く。


『欲とか、未練っていったらもう結婚間際でニコラを遺して死んだことくらいなんです。だから、これから1ヶ月に趣味はニコラになりそうです。ニコラ観察です。ニコラ見守り隊になります』


『……君は本当に明るいね…もう少し絶望とかしないの?』


『そういう感情に費やす時間が勿体ないので!ということで、ファウストさん!私は早速ニコラに会いに行きます!』


『ついていくけどさ』


 私が歩きだすと彼も翼を畳んで歩きだした。

 半歩下がって着いてきてくれる辺りに紳士らしさが垣間見えるなぁと私は感心した。


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