閑話 種族のお話
――勉強中の話……
「ネアンさん、あたし達がエルフ族になっちゃったと言うのは分かったんですが、ネアンさんの種族は何ですか? 見た目的にはヒト族だと思ってましたが……」
「そうだね、私は少しややこしいんだけど……まずは、種族の話をしようか」
ネアンはそう言ってライトペイントで種族をざっくりと書き始めた。
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天族:生まれたときから天族(純天族)か、下記の4種族から覚醒する事で天族になる(覚醒天族)。覚醒天族かどうかは、外見で判断できない。
ヒト族:最多の種族。割と何でも出来る。地球の人に近いイメージ。
ドワーフ族:丈夫な身体で鍛冶屋が多い。体重もかなり重い。闘気が多く、魔力が少なめ
エルフ族:魔力が高く、闘気が少なめ。生涯に一つだけ、魔法陣を自身の身体に刻む事ができ、その魔法だけ無詠唱で発動ができる。エルフ族に伝わる神秘の書で自身の刻める魔法陣が分かる。
獣人族:身体能力が非常に高く、適正のある種族は獣合体を使える。二人が一つになり、戦闘力を大幅に上げる。制限時間あり、解除後必ず気絶してしまう。魔力が多かったり闘気が多かったり……色々存在する。
海神族:エラ呼吸を可能とし、基本的には海で生活をしていた。たまに陸に出ては捕らえた魚介類を売り捌き、その魚介類の生態なども書物にして販売したりしていた。絶滅したと言われている。
影族:シャドウ界と呼ばれる場所で生活していた種族。見た目はヒト族に近いが、瘴気が漂っている。下半身は影の様に暗い肌色をしている。
精霊:属性ごとに存在する精霊。
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「体に魔法陣を刻める……興味深いですね。痛そうですが……」
「そうだね。実際に見た事ないから何とも言い難いけど……」
「んで、お兄ちゃんはどの種族なの!」
「ああ、私は一番上の覚醒天族って種族だね。元々は察しの通りヒト族で、覚醒して天族になったんだ」
「すごーい! どうやって覚醒するの!」
「そうだね……まぁ色々大変な事をやったよ。とんでもない苦労の末、やっと天族になれたんだ」
ネアンはそう言いながら少し開けた場所へと移動した。
(ネアン)――天衣・無明法典
ネアンが手を振ると、背中からバサッと翼が出てきた。
右に純白の翼が二つ、左には漆黒の翼が二つ……計四つの翼が背中で輝いている。
「お兄ちゃん凄い! 天使様だ!」
「本当に綺麗ですね……白と黒のコントラストが美しいです……」
「あはは。ありがとう」
ネアンはそのまま翼を解除し、元の場所へと戻った。
「天族になれば翼を出せるんですか!」
「そうだねー……天族になって、更に苦しい修行をしたら開眼出来るよ!」
「何事も努力が必要という事ですね……」
「ただ、こんな話をしてから申し訳ないんだけど、もう他種族から覚醒天族にはなれないと思う……」
「えー!」
「かなり昔に、他種族が天族に覚醒する為の泉が枯れてしまっててね……正直今の時代にどれほど天族が居るのかも分からない」
「そうなんですね……」
「まぁエルフってだけで寿命も長いし、魔力も高い! 頑張れば凄い魔法使いになれるよ!」
「ツグユ頑張る!」
「私も精一杯サポートするからね」
「ええ、よろしくお願いします!」
その後も授業は続いた。
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