閑話 シャドウのお話
――学園内 講義室
「さなえちゃん遅くなってごめん! 席確保ありがと!」
「いえいえ、はいどうぞ」
今回ここで行われるのは地下ダンジョンについての講義である。
この講義は他の講義に比べると、格段に受講者が多い。
「さて、時間となりましたので講義を始めます。今日のテーマはシャドウの種類についてです。手元の資料の2ページを開いてください」
教授はそう切り出し、黒板に文字を書き始めた。
・シャドウの種類について
遥か昔、この世には憑依型魔物、吸収型魔物、シャドウの3種類の敵対生物が居た。
大昔は地上界も瘴気に満ちている場所が多く、3種類ともよく出会う事があったそうだ。
しかし、現在地上界にはほとんど瘴気で満ちている場所は無い。
その為か、何百年と憑依型魔物は現れていない。
「代わりに近年において良く現れるようになったのが外来種だが、これは次回外来種の講義で詳しく説明を行う」
吸収型魔物について
簡単に言うと、シャドウがシャドウやその他の動物や生物を取り込んだ状態である。
その取り込んだ数によってどんどんと強さを増していく。
そしてその吸収で強くなったシャドウを総称してシャドウキメラと呼ぶ。
大体の強さを測る方法はある。
シャドウキメラの周囲には必ず球体の物体が浮遊している。
赤色の球体が浮いていれば5種取り込んでおり、ランク5と呼称。この球が3個浮遊していたら15種類も取り込んだ個体ランク15となり、非常に危険な存在となる。
言わずもがなランクが高い程強力な個体となり、危険である。
地下ダンジョンでは深く潜るとこいつらと相対する場面が出てくるかもしれない。
純粋なシャドウについて
地下ダンジョンの1階等、比較的浅い階層で現れるのが
シャドウやハイシャドウである。
この二体の違いは大きさだけだが、
これ以上になると、二足歩行のシャドウウォーカーやシャドウナイトなど強力なシャドウも居る。
シャドウキメラの大半が、シャドウナイト以上のシャドウで、他のシャドウを倒して吸収する場合が多いそうだ。
弱点であるコアを撃つと基本的には倒せるが、コアを守る瘴気は上位になるほど、分厚くて濃い。
放っておくとすぐに回復してしまうから継続的に攻撃を当てる必要がある。
「この姿はしっかりと覚えておかないといけませんね」
さなえは手元の資料を見ながらシャドウウォーカーたちの姿が描かれた絵を見ていた。
「シャドウのコアの色全部覚えれないよお」
ツグユはシャドウの弱点であるコアの色を見ている。
弱点であるコアには色があって、その色によって強さが変わる。
「大丈夫ですよ。最悪あたしが覚えてますし、色が薄ければ弱くて赤色は危険って覚えてたらいいですよ」
「うん、わかった!」
その後も地下ダンジョン講義は続いた……
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