表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/45

24話 スタートライン

――闇露店通り


「……変わらない様子だね」


 ネアン達は外来種襲来の後どうなったかを見る為、もう一度闇露店通りへとやってきている。

 見る限りはいつもと変わらない状況である。


「旦那!」

「あ、おじさん」


 ぶらぶらと歩いていると、前方から以前に露店場所を貸してくれたおじさんがやってきた。


「おじさん、ここ数日で変わった事はあるかい?」

「ああ、あの騒動の後だな。何にも変わりはしないよ」

「そうなのか……あれだけの大事件だったのに」

「大事件? 火事なんて日常茶飯事だ。大事件って程でもないだろう。まぁあそこまでの規模はまれだがな!」

「え……? 火事?」

「え? 旦那もそこにいたんだろ? 大変だったなぁ!」

「あ、ああ……」


(外来種の事は知らないのか? 話が火事にすり替わっている……)


「あ、でも一つ変わった事があるな」

「そうなのかい?」

「ああ、なんでも闇露店を取り仕切っていた総支配人ゼンレが失踪したようだ」

「なんだって!?」

「実質、ゼンレ一人であそこを運営していたようなものだ。突然空白になって混乱してるみたいだぜ。まぁ関係のない話だがな!」

「そうだったのか……」


 その後、地下へのエレベーターの方へも行ってみたが、硬く鎖で閉ざされており、無期限封鎖という文字がでかでかと描かれていた。


「ゼンレが失踪……」

「……」


 ネアンはかなり驚いた様子だったがすぐに笑みがこぼれた。

 そして、両手を挙げて万歳した。


「これ、借金返さなくてよさそうだよね!!」

「おー!」

「ふふ、でも万が一出会ったら請求されるんじゃないですか?」


 さなえは微笑んだ。

 ツグユも一緒に万歳している。

 意味が分かっているのかは謎である……。


「よし、ならもう学園がある中央都市へ行こうか。お金も十分あるしね」

「おお! 学校ー!」


 翌日……3人は出発の準備を進め、駅へと来ていた。


「商業都市……ありがとう。色々勉強になったし稼がせてもらった」


 3人の旅はまだスタート地点にも立っていない状況だった。


「お兄ちゃん! また遊びに来ようね!」


 今の時代で最低限身分を証明し、円滑に移動できる準備はこれで整った。


「そうだね。ここには美味しそうな食べ物もいっぱいありそうだからね」


 ここがようやくスタート地点。


――列車が到着します。


「お、来たよ。乗ろうか」

「はーい」



 ネアン達の冒険はこれからである。



――第1章 商業都市 編 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ