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うちの社長が結婚できない100の理由~純愛編~

作者: 森山剛

コロナウイルスにて世界中が自粛を余儀なくされるなか


なにか家で1人でも出来ることはないかと考えて、僕に出来るのが書くことくらいだったので‬




なにかで使うかもしれなかった2019年4月に行った舞台「うちの社長が結婚できない100の理由」


通称 しゃちょ婚 の続編を‬



舞台を観た方も観てない方も


あくまで台本ですが多少なりとも読み物として読めるよう改変‬


暇つぶしにでも…‬





登場人物




社長  広告代理店ダイ通社長 染井カスミ


山田  新人社長秘書


先輩  ダイ通社員 経理部


樋口  ダイ通社員 経理部 樋口ツボミ


沖田  ダイ通社員 営業部


深山  元社長秘書 深山ハジメ


ヨシノ 社長の妹 バンドのマネージャー深山シュウのストーカー



あらすじ



2019年4月「うちの社長が結婚できない100の理由」という舞台があった。



それは、超簡単に説明すると

バンドのマネージャー深山シュウと、結婚できない社長の妹で深山シュウのストーカー染井ヨシノの結婚に至るまでの物語。



その続編という名の別物。



結婚できない社長には、深山ハジメというアドリブだらけの敏腕秘書がいた。



そんな敏腕秘書が今回まさかのクビ!?

しかし彼には秘密があった…


舞台でも結婚できなかった社長が

1年経った今もまだ結婚できないのでこうなりました。




そこから繋ぐ新たな物語。



本編の始まり↓↓↓




「うちの社長が結婚できない100の理由〜純愛編〜」‬






うちの社長が結婚できない100の理由~純愛編~





舞台は大手広告代理店ダイ通社長室






社長「愛ってなんだろなああああああああああ」





山田N「狂ったように叫んでいるこの女性、皆様はご存じですか。



彼女は、若くして日本を代表する企業のトップまで登りつめ、パリコレモデル並みの美しさを兼ね備えた、広告代理店ダイ通の社長、染井カスミ。



この世のすべてを手に入れた彼女の唯一の弱点、それは結婚できないこと。



仕事もプライベートも理想が高く、自分にも他人にも妥協を許さない、



そして行き過ぎた自信過剰な性格から彼女はいつまでたっても結婚できないのです。



あ、申し遅れました。



私、今日から社長の秘書を任されました、山田です。精一杯頑張ります」




社長「コラ山田!!」




山田「はい社長!!」




社長「愛ってなんだろ!!」




山田「わかりません!!」




社長「あんたホントに使えないわね。




深山なら今の一言で5分以内にお見合いオーディションを開催できたわよ」




山田「そんなに仕事できるのに、なんで深山さん秘書クビになったんですか?」




社長「大損害よ。やってくれたわあいつ(超深刻)」




山田「深山さんはいったい何を...」








社長「結婚よ」








山田「は?」








社長「秘書のくせにこの私より先に結婚するなんて万死に値するわ。



私の力であいつの家庭を複雑にしてやろうかしら。

ふふそうねそうだわ!



山田!




PJプライベートジェットを用意しなさい!



あいつの家庭を複雑にしてやるわ、あーはははははは」




山田「はい、ただいま用意します!!



そういえば深山さんから引き継ぎのとき社長に渡すよう頼まれてたんですけど、えーと、はいこれ」




社長「なによこれ」




山田「紅茶ですかね?ちょうど3時になりますしティータイムにしませんか」




社長「そうね、深山の家庭を複雑にするのは、ティータイムのあとにしましょう」






シーンは変わり、大手広告代理店ダイ通 経理部






先輩「樋口、これ、コピー頼む」



樋口「先輩」



先輩「ん?どうした」



樋口「なんで深山さんの後任が山田なんですか?私も社長秘書やりたかったです」



先輩「お前にはまだ早いな」





樋口「えーなんでですかー?


あんなに美人で仕事もできる社長の秘書ですよ?


ちょーかっこよくないですか?合コンでモテまくりですよ」





先輩「樋口、お前うちの会社入って何年目だ?」




樋口「2年目っす」




先輩「そうだな、じゃあそろそろ知っておいた方が良い。うちの会社の秘密を」





樋口「秘密?」





先輩「その昔、いつまでも結婚できない社長は、社内に運命の男がいると思い込み、うちの社員全員に社長とのお見合いを命じたんだ」





まるでマクベスの独白のように語り出す先輩





樋口「ぜ、全員・・・男性だけでも5000人はいるんですよ・・・」




先輩「ああ。そして、そのお見合いでうちの会社は倒産の危機を迎えた。




浮気、不倫、逆玉の輿目当ての男、元バンドマン、元バーテンダー、元美容師、その他にも昔の彼女が忘れられない男やスマホにエボルと名づけるサングラスの男・・・



そんな社員たちはひとり残らず叩き潰され半数以上がクビを切られていった。




はは、そりゃそうだ、日本一の会社の社長だ。人の心を見抜くなんてあの人には朝飯前だ…





クビを切られた社員の中には俺の先輩もいた。」





樋口「その方は一体何を」





先輩「元バンドマンだったんだ」





樋口「なっ・・・」





先輩「そのあと、社長の妹ヨシノさんの結婚で社長は放心状態が続き事態は終息を迎えたかに思えたんだが・・・」




樋口「あの深山さんが結婚し、クビを切られた…」






先輩「…またいつあんな事態が起こっても不思議じゃない」






樋口「そんな・・・」







先輩「樋口、実はこの会社にはー






言葉を遮るように警報が鳴り響く



先輩「なっ!」



樋口「え!?警報!?まさか火事!?」







先輩「違うこれは」







「緊急事態発生。社長の脅威を感知しました。システム、起動します」







先輩「対社長結婚鎮圧執行システム「ノッツエ」」



樋口「なんなんですかそれ!?」



先輩「事態の後、深山さんが社長の暴走を治めるために極秘に開発した兵器だよ!」




樋口「兵器!?」





「社長の脅威判定が更新されました。独身係数オーバー300」





先輩「オーバー300だと!?」



樋口「オーバー300って!?」





先輩「1日で社長の口から「結婚」ってワードが300を超えたってことだよ!



ちくしょう、深山隊長がクビになったばかりで体制も整ってないっていうのに!」





樋口「深山隊長!?隊長ってなに!?」





先輩「山田のやつ社長の逆鱗に触れたんだ。



沖田、聞こえるか!?」






ピピ 通信音






沖田「そんな大きな声で怒鳴らなくても聞こえてますよ、先輩」





樋口「営業部の沖田さん!?」





先輩「社長室に急げ。俺たちもすぐに行く」




沖田「了解」





先輩「沖田!」





沖田「あ?なんすか」






先輩「死ぬなよ」






沖田「(微笑)残業は御免なんで」




プツン 通信音切れる音




樋口「なにがどうなってるんですか?」



先輩「この会社には深山隊長が作った特殊部隊があるんだ、名を「桜吹雪新撰組」」



樋口「桜吹雪新撰組…」




先輩「説明は後だ、行くぞ」




樋口「ええ私もッ!?!?」




先輩「社長秘書になるんだろ!」







樋口「う・・・」








先輩「諦めんのか?」







樋口「・・・いえ・・・私も・・・






私も行きます!!!」






先輩「…よく言った。急ぐぞ」






樋口「はい!!」








シーンは社長室 社長と沖田が激闘を繰り広げていた






 

社長「咆哮(叫び声が結婚とか独身とか思うままに叫んでみよう)」






沖田「くっそ!山田ぁ!!なんでこんなことになってんだよ!!」






山田「わかんないですよ!!紅茶飲んでたら急に!」





沖田「ぐっ、な、んなんだよこの馬鹿力は!」






社長「咆哮!!」







キーン 沖田の刀が折れる







沖田「イトナミが折れた!?


営業部の営と書いてイトナミと読む名刀「イトナミ」が!」






山田「沖田さん後ろ!!!」






沖田「なっ!?」





社長「咆哮!!」





沖田「うわあああああ」







山田「沖田さーーーん!!」







ドカーン 吹き飛ばされる沖田





沖田「・・・・残業確定だよちくしょう」





社長「私、山田の方を向き咆哮!」



山田「ひっ!?」



社長「私、山田に突進!!!」








山田「わあああああああ」








きぃぃぃん






先輩「待たせたな、山田」





かっこよく現れた先輩。社長の攻撃を間一髪で止める。





山田「せんぱーーーい!!!」



先輩「樋口、沖田を頼む」



樋口「はい!」







社長「私、距離を取り次の一撃へ態勢をとーーーーる!!」








先輩「悪いが一瞬で終わらせるぜ」








先輩、刀から片手を外し、胸ポケットの赤ペンを取り出す。

するとどうでしょう、赤ペンが深紅に染まった刀に形を変える。







先輩「闇と契りし2つのペンは生き血をすする天使の刃!



二刀流…




深紅血砕アカジケッサイ!!!」








爆発音 先輩の必殺技が炸裂し社長が吹き飛ぶ








先輩「ふう・・・大丈夫か?」






山田「せんぱーーーい!!!」





先輩「山田、お前一体社長に何言ったんだよ」





山田「いやそれが、


深山さんから頂いた紅茶を飲んだら急に社長の様子が」





先輩「紅茶?





・・・まさかそれ」






どかーーん






先輩「なに!?」



社長「私、超スピードで先輩を吹き飛ばーーす!!」



山田「先輩!!!」










社長「結婚結婚結婚結婚結婚・・・・」









その姿はまるで悪魔の如し








先輩「デストロイ社長モード




・・・だと」





山田「先輩!大丈夫ですか!」




先輩「っつしばらく動けそうにないな・・・






山田、あの紅茶はな、





深山隊長が開発した特別な紅茶





愛茶アイティー」だ」








山田「あいてぃー?」








先輩「純粋な愛を持つものが飲むと絶大な力を与えるが、



不純な愛を持つものが飲むと社長のように愛を破壊するまで暴走してしまう」






山田「なんでそんなものを深山さんは社長に!?」






先輩「愛だよ、社長に結婚してほしいと願う深山さんの純粋な気持ちだ」








山田「・・・」









先輩「山田、お前が愛ティーを飲むんだ」








山田「・・・・はい!ってえええええ!?」






覚悟を決めた山田が愛ティーを手に取ろうとしたそのとき!











樋口「すいませんんんんあまりのことにパニックで落ち着こうと思って飲んじゃいました・・・」









唯一の希望「愛ティー」を飲んでしまった樋口、一同絶体絶命!







山田「わああああああああどうするんですかああああ」




樋口「どおおおおおおしましょおおおおお







・・・・お?」







きゅいいいいいん







先輩「樋口に愛パワーが集まっていく」



山田「樋口さんも純粋な愛を持っているってことですよ!」




ぴかーーーん




樋口「・・・・」



山田「樋口さん?」






社長「咆哮!!!」





先輩「樋口!社長が来るぞ!」








樋口「樋口、






行きます!!!!」







ドンっ






樋口「おおおおおおおおおおおおお!!!」

社長「けっこーーーーん!!!」






どかーーーーん 






愛と勇気と1/3の純情な感情に包まれ

シーンは数日後




山田N「こうして第二次社長結婚願望暴走事件は幕を閉じた」




社長「山田あ!お茶!」




山田「はい!」




山田N「僕は今も、社長の秘書を続けている」




社長「樋口!」




樋口「はい!」




山田N「あ、あの事件の後、樋口さんも社長の秘書に任命され一生懸命な毎日を送っている」




社長「あなたお兄さんか弟はいないの?紹介しなさい」




樋口「兄ちゃんはいるんですけど」




社長「けど?」




樋口「元バンドマンなんすよね」





山田N「社長はまだまだ結婚できなさそうです」




終わり



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