第五話~知らせ~
あれから一週間が経った。
あの時の魔法祭りで、ステータスも大幅に変わった。
ステータス
名前:セシリア・クレントラン
種族:人族
職業:魔導師 読書師
称号:クレントラン伯爵家次女
種族特性:可能性の獣
クラススキル:魔法の才能 複合魔法の才能 上位魔法の才能 読書の才能
スキル:法術Lv1 水魔法Lv5 風魔法Lv5 光魔法Lv5 闇魔法Lv1 雷魔法Lv2 無魔法Lv2 祓魔法Lv3 錬金術Lv1 速読Lv10 瞬間記憶・書Lv1
ユニークスキル:聖眼 魔法辞典 創造付与
魔導師になってしまったでござる。
え?どう言うこと?と思って聞いてみたら、上位魔法が使えるようになったからだろうって。
なんでも、複合魔法が使えるかどうかと、上位魔法が使えるかどうかで一区切りあるんだって。
まず、魔法スキルを持ち、一定以上の熟練度になると魔法士という職業になり、複合魔法が使えるようになる頃には魔道士、上位魔法が使えるようになる頃には魔導師の職業を得るんだって。
もちろん、必ずしもそうではなく、あくまで目安らしいけど、概ねそうみたい。
俺の場合、魔法辞典によるチートで、水と風の複合魔法である雷、風の上位魔法である無、光の上位魔法である祓を習得し、魔法技術も相応になったとあれば、不思議なことではないって。
魔法知識スッカスカなのに魔導師を名乗るのは心苦しい!
でも、魔力操作に関してはもう心配ないってデック先生からお墨付きももらったし、治療の一環として割り切った。
因みに、読書師は俺の記憶が戻る前に自力で得た職業だ。本を読むことくらいしかできなかったし、速読もLv10になってる。瞬間記憶・書もあるし、読書スピードは自分で引くくらい速い。
ただし、瞬間記憶シリーズは完全記憶ではないことに注意。後ろについた要素、俺の場合書物については一瞬で見て内容を記憶、理解できるけど、普通にそのうち忘れるから。完全記憶はまた別のスキルだ。
「お嬢様、失礼します」
そんな感じでボーっとしてたら、デック先生とメルキスが来た。いつもと同じ時間だし、診察と治療、リハビリだろう。
さて、今日も一日頑張るぞ!
リハビリで汗をかいたので、デック先生が帰った後メルキスに体を拭いてもらった。
まだ、ベッドの上でできるマッサージみたいなものだけだけど、筋力は無くなってるし、体も固くなってるし、かなり疲れる。
冷える前に服を着せてもらう。
因みに、まだ上の下着は無い。完全にぺったんこだからな。
前世が男だったから分からないが、これって遅いのかな?魔力併合症で発育が遅れてるだろうし、母と姉を見れば大丈夫だと思うが心配になる。
けれど、まずは標準体型に戻すことが先決である。今は痩せすぎだ。
「お嬢様、マリアンヌ様について一つお知らせが」
「お祖母ちゃんについて?」
一息入れたところでメルキスからお話があった。
お祖母ちゃんは錬金術師兼薬師だ。もともと国でも名の知れた薬師だったが、お爺ちゃんが持ち帰ってきた素材や治療知識の研究で、魔力併合症の治療方法は見つけられなかったが、副次的な研究成果が結構な功績を上げたらしい。
ついでに、お父さんは王城勤務で、お爺ちゃんは俺のために各地を飛び回っているので、実はクレントラン伯爵領の政務を預かってもいる。
領主である父が動けない場合、普通は前領主のお爺ちゃんが代理になるはずなんだが、俺が魔力併合症になったことを知ったお爺ちゃんが調査と素材探しに出かけ、お父さんもお祖母ちゃんもそれに賛成し、お祖母ちゃんが代理になった。
普通、領主でない限り女性が政務に関わることは無いのだが、うちの場合、お爺ちゃんが入り婿らしい。だから、直系であるお祖母ちゃんが政務を取り仕切っていても大丈夫なんだと。
もちろんお父さんも時間を見ては領地に帰って領主の仕事もしてるけどね。
そういう訳で、お祖母ちゃんはめっちゃ忙しい。俺の快癒を聞いてすぐに来たがったらしいけど、すぐに離れることは出来ず、まだ無事な姿を見せられていない。
しかし、今お祖母ちゃんについて話があるということは…。
「もしかして都合ついたの!?」
「はい。明日来られるそうです」
「やったー!」
久々にお祖母ちゃんに会える。
とっても優しいお祖母ちゃんで、俺も大好きだ。
「でも、転移装置?」
あるのは知ってたけど、実はあんまり知らない。
だからか、完全に忘れてて、てっきり馬車で来ると思ってた。
言われてみれば、馬車で来たら往復に結構な時間かかっちゃうしね。
たしか、転移装置ってのは神殿と同じく神様によって作られたと言われてるもので、同じ建物ではないけど、基本的に神殿とセットで存在してるんだったかな?
見たことはないけど、小さい神殿みたいな感じらしい。
「お嬢様も幼少期に使ったことがあるはずですが、やはり記憶にございませんか?」
「うん」
「では少しお話しておきましょう」
転移装置というのは、必ずではないけど、大きな都市にはあることが多いらしい。
大昔の話だけど、もともと、神殿と転移装置の管理を任されていた者が、国ができるときに貴族になったんだとか。
もちろん、今では転移装置の無い場所にも大きな都市があることも多いけど、ほとんどの上位貴族の領地にはあるらしい。
伯爵領の場合は無いところも少なくないらしいが、うちのクレントラン伯爵領にはあるらしい。
そこからは、クレントラン伯爵領の話になった。
俺は物心ついた時から王都を出てないから知らないけど、クレントラン伯爵領って結構大きいらしい。
領地の広さもそうだが、伯爵家の中でも歴史が古く、結構栄えてる方らしい。
主産業は農業と鉱業。それを基にした加工業も盛んらしい。
なんだか少し牧歌的な印象を抱いた。
治ったら連れて行ってもらおう!
「そう言えば、気になることも仰っていましたね」
「気になること?」
「はい。なんでも、お嬢様のお見舞いと診療以外にも、旦那様に何かお話ししたいことがあるとか?」
「まあ、お父さんもたまにしか領地に帰れないし、打ち合わせとかあるのかな」
「そうかもしれませんねぇ」
「それにしても…メルキス、仕事は良いの?」
メルキスってメイド長だったはずだし仕事って多いんじゃないだろうか?
リハビリが終わってからずっといるし、戻らなくても良いのかな?
「はい。この時間にやるべきことはもう済ませてあります」
「は…速いね」
「お嬢様のお世話をするためですから!」
ウキウキ顔のメルキスが言い切った。
魔力併合症が治ってから、メルキスのお世話魂には火が付いたみたいだが、まだ消えていないらしい。
もうすでに手には櫛を持ってるし、いつの間にか鏡もセッティングしてある。今日は髪をとかす気満々だ。
まあ、俺も髪の手入れ方法とか知れるから良いんだけどね。
前世は男で、今世も寝たきりだったからそういうこと知らないし。
何より、こういう触れ合いの時間は好きだ。
お母さんとお姉ちゃんが混じるともう少し騒がしくなるけど、それもそれで楽しいし。




