第27話
必死でもがいたが、びくともしない。僕が終わりを覚悟したその時、
「俺らの仲間から手を離してもらおうか。」
と扉の方から声が聞こえた。てつしだ。隣には傷付いてはいたが、皆んなが揃って並んでいた。男は僕を扉とは反対の方に放り投げた。
「毎度毎度しつこい奴らだな。二度と私に反発できないように、ここで始末してあげよう。」
男は凄いスピードで飛んだ。それから、そうしの目の前で止まり、彼の腹部に張り手を打ち込んだ。そうしは後ろに吹き飛び、扉に打ち付けられた。そうしは気を失い、痙攣している。
それを見たげんしは、刀を振りかざし男に斬りかかった。男は軽々と刀を鷲掴みにし、それを粉々にしてみせた。それから腕を掴み、勢い良く壁に向かって投げた。げんしも動かなくなった。
男は続けてえみの元へ飛び立ち、拳を振り下ろした。拳が当たる直前で、てつしが銃を男の頭部に打ち込んだ。拳の勢いは弱まったが、えみは吹き飛んだ。地面に倒れ唸っている。生身のように見える男の頭部からは、どこからも血が出ていない。
「どうなってんだ、お前。」
てつしの表情からは怒りが伝わってくる。男はてつしの方へと体の向きを変え、飛んだ。そして、てつしの体を大きな手で掴み上に持ち上げる。てつしは宙に浮きながらも、男の頭部に銃弾を撃ち込む。
「無駄だ。私の体はすでに人間を超えている。」
「このロボットオタクめ。」
てつしは苦しそうに呟いた。
「このまま潰してしまうか、それとももう一度私の下で、死ぬまでこき使ってあげようか。」
彼はそう言うと、さらに強くてつしを握った。このままでは、本当に殺されてしまう。僕は頭で考えた。あの男をどうやって倒せばいいんだ。刀も銃も効かない。あんなロボットのような男をどうやって倒せばいい。
「ロボットのような男?」
僕は思い出した。対ロボット用ウイルスだ。あれなら倒せるかもしれない。僕は水鉄砲を手に取った。中に入った灰色の液体が光る。ごくり、唾を飲み込み、僕は水鉄砲を男に向けた。男はてつしに集中していて、こっちなんか気にしていない。
深く、深呼吸をする。
奴の体にしっかり焦点を合わし、
引き金に指をかけた。
そして、力一杯にそいつを引いた。
灰色の液体は弧を描くようにして、男の体に向かって飛ぶ。
液体は見事に彼の後頭部に命中した。
それに気付いた男は、てつしを離し後頭部に手をやった。




