セイラと愉快な仲間たち
思ったより学校に通いながらって大変‼︎
セイラ&団長、騎士団と合流‼︎
「……迷ったんですね?」
「……
「迷ったんですよね?」
「……ああ」
来いと言われて歩き出したはいいものの、一向に目的の場所にたどり着く気配がない。
表情が読めないのでとりあえずついて行ったが、これは絶対にダメなやつだ。
「なんで方向もわからないのに歩き出したんですか」
恨めしげに見上げると、スッと目をそらされた。
「お前、敬語が雑になってないか?」
「これが素なので」
いつまでも堅苦しい言葉なんて使っていられるか。城では『王女としての』言葉使いだったが、もはやその必要はない。
やっと『セイラ』になれた気がした。
「で、これからどうするんですか」
「……歩けばいつかは着くはずだ」
さっきから言っていることに全く説得力がない。
しかし、これはチャンス。
「私が精霊たちに道案内を頼みますから」
ここで利用価値を一気に上げるのだ!
後ろの精霊たちの中の光の精霊に目を向ける。
「人が何人かいる方に連れて行って欲しいの」
精霊には人の気配を感じることができる。そうやって人間から身を隠すのだ。
見える人間の中には、まれに密猟者が潜んでいる。精霊は相当高値で売れるらしい。
『いいよー』
『こっちこっち』
引っ張る小さな手が可愛いらしい。力はとんでもなく強いが。痛い痛い。
「こっちだそうです」
「分かった」
素直について来るあたり、少し微笑ましく思ってしまう。相変わらず無愛想だが。
「あれっ、団長っすか? よく戻ってこれましたね。ってその女の子誰っすか⁉︎」
癖のある茶髪に赤眼で、まるまるとした目の少年。というかそれ敬語に入るの?
「なぜこんな森の奥に女が?」
長い白い髪をひとつに結び、黒い瞳が涼やかな視線を向けてくる。団長と同じ人種か。
「あなたが動物を拾ってくるなんて珍しい」
物珍しい目で見つめる黒髪眼鏡。
誰が動物だ、誰が。
「迷子とかかな?」
和やかな雰囲気の癖っ毛が強い薄茶の髪で目が細いお兄さん。
うん、この人はいい人だ。
個性が強い! そして失礼な人が多い‼︎
にしても……。
「騎士団にしては少なくないですか?」
普通は10人とか20人とかいそうなものだけど。
「精鋭メンバーだからな」
そういう問題なのか?
まあいいや。
「今日から入団するセイラです、よろしくお願いします!」
もしかしたら2日に1話の日があるかもしれませんが、「ああ、部活があったんだな」と生暖かい目で見てやってください。
次回、セイラはメンバーと仲良く(?)なれるのか⁉︎