表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出ゲームin宇宙  作者: 34
第一章 謎空間からの脱出
9/25

第九話 対策本部③

原因は分かった。そして対策も正しかった。

次にやることはすでにワープしてしまった艦、そして乗員の救助だ。

そんなことは分かりきっていた。しかし、どう救助するか、ということは誰も思い付かない。

相変わらず騒がしい室内では、ああでもない、こうでもない、等と終わりのない議論が進められていた。

もちろん、部長もその一人だった。業務時間上は休憩時間になったことを口実に、ネットを見ている。


『このワープ禁止いつまで続くんだよ・・・』

『生活かかってるんだが?』

『どこにもいけねー!』


等、もはや有象無象と言える投稿にうんざりしつつスクロールしていくと、


『ワープしてすぐ逆噴射してればこっちの世界ともう一つの世界繋がるんじゃね?』


という投稿があった。その投稿には、

『それはない』

『むちゃくちゃすぎだろw』

等、否定的な返信が多くあった。が、そんなことにはお構いなく、部長は一人の部下を呼び、


「これ、どう思う?」


とその投稿を見せ、聞いた。


「これっすか・・・そりゃ上手くいけば・・・そもそもそんな状態にして大丈夫なんですかね?」

「そうだな・・・まあそれはまた実験機を送り込めば良い それ以外なら問題はないか?」

「まあどうやってその状態にするか、っていうのはありますけど」

「その方法は、浮かんでいる」

「ほ、本当ですか?」

「ああ、なんと説明すればいいか・・・」


そう言うと部長はタブレットを取り出した。そしてペンを持つと簡単な図を描き始めた。


「まずニ艦用意する そしてその二つを接続する」

「よっぽど丈夫な素材使う感じですか?」

「まあそうなるな そしてワープを行う そうしたらすぐに反対側を向いている艦もワープを行う」

「・・・あーなるほど・・・」


少しげんなりしたような声を発した。


「無茶苦茶ですね、それ」

「まあ、無茶苦茶だ でも今のところこれしか思い付かない」


そう答えると、部長は男の目をしっかりと見た。その目の意味を感じ取った男は、観念して、


「・・・しょーがないすね、技術部に急いで聞いてきます なに言われるか分かったもんじゃないですけど」

と言った。

「悪いな、面倒ごとを頼んで」

「今度、奢って下さいよー」

「ああ、約束するよ」


そう言って軽く笑うと男も笑った。そして、ゆっくりと、頭を掻きながら部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ