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脱出ゲームin宇宙  作者: 34
第一章 謎空間からの脱出
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第六話 思い付き

「救援信号打ったら届かねえかなー タイミング次第で」


謎の世界に来てから一週間ほど経った後、大石が急にそんなことを言った。


「・・・は?」


一拍置いて、どころか三拍ほど置いて深川が呆れを露に言葉を返した。


「いや、誰かがワープしてきた瞬間なら向こうに届かねえかなーって」

「・・・その"誰か"が来るのに一体どのくらいかかるんだ?」

「常に救援信号打ってりゃ問題ねえだろ?」

「僅かに可能性はあるけどな、大きく二つ問題がある」

「言ってみろ」

「その上から目線を直したらな」

「すいません直すのでお願いします」

「まず一つ、ブラックホールから抜け出せるものは少ない ふた・・・」

「ちょっと待ったああ!」


深川の言葉を遮り、大石が叫ぶ。


「・・・ブラックホールからなんでものが出てこれるんだ・・・?」


深川が呆れたようにため息をつく。


「・・・これ・・・学校で習ったぞ・・・」

「んなもん覚えてたらおれは赤点にひやひやしない学生生活を送ってきたはずだ」

「あーそうかい、まあホーキング放射ってやつって覚えとけ 本なら貸すから自力で調べろ」

「おれに・・・本を読めとっ・・・・・・?」

「読め つかこんだけ時間あってあの本どれくらい読んだ?」

あの本、というのは単行本サイズの小説で早い人なら半日足らずで読みきる本だ(前話で2ヶ月前に買ったと言っていたあの本)。


「・・・前と変わらず・・・」

「よく退屈しねえな、お前」

「まあな」

「ほめてねえし・・・もういい、話進めるぞ」

「おう!かかってこい!」


深川が静かに大石をにらむ。


「すいませんお願いします・・・」

「二つ目、電力考えろバカ」

「バカは余計じゃないか?」

「余計じゃない」

「・・・で、なんだって?」

「いくら救援信号は消費電力が少ないとはいえ・・・少しでも節約したい時に届くか分からねえようなもんに賭ける気にはならん」

「ちえーいい思い付きだと思ったんだけどなー」

「電力問題どうにかすれば悪くはねえけどな」

「そーいやそのなんとかほーしゃって」

「ホーキング放射、な」

「まあそうにらむな ホーキング」

「ホーキングは博士の名前だから呼び捨てにするな」

「あれ、尊敬する人だったパターン?」

「やかましい」

「ま、あれだな、果報は寝て待てってやつだ 寝とくか」

「勝手に寝てろ その果報は来るのか?」

「きっと来る~♪」

「やめろ訴えられる」

「急にどうした?」

「いや、口が勝手に・・・」

「疲れてんだよ、寝ろ寝ろ!」


そうして、深川が無理やり寝かしつけられたのは午後2時だった。無事に寝たのは大石だけだった。

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