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脱出ゲームin宇宙  作者: 34
第二章 迷宮理論からの脱出
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第七話 発表

一人目、二人目と発表は順調に進んでいく。そして、大石の脳も順調に休んでいく。

深川は、どの発表も興味深そうに聞き、糧としているようだった。何度か大石を起こそうとも思ったが、大石の寝起きは、普段は非常に良いが、こういう退屈なときに起こされると非常に悪くなり、またすぐ寝てしまうことを思いだし、思い止まっていた。


「それでは、いよいよベル博士の発表です!」

という司会の声と共に、この日一番の拍手と、カメラのフラッシュが光る。その眩しさに、大石も思わず身をよじった。とはいえ目覚めたわけではない、ということを咄嗟に理解した深川は、肩を揺さぶり、大石を起こそうとした。


が、なかなか起きない。早くしなければ、という思いから思わず声が出た。

「おい!起きろ!」

とはいえ最初は小声なのでせいぜい隣の席の人に聞こえる程度だったが、それでもなお起きない大石に腹を立て、だんだん声が大きくなる。

「おい!おい!早く起きろ!」

恐らく隣10席には聞こえる頃になり、深川がこちらに向けられた視線に気づいた頃、

「プッ!」

と大石の口から声が漏れた。

「大石・・・?」

「ざんねーん!起きてました!」

と、あくまで小声で大石がネタばらしをした。

「お前・・・いいかげんにしろよ?」

「いやーうけたうけた お前おれが寝てるって信じて疑わねーんだもん」

「お前なあ・・・!」


二人が座っているのは3階席の2列目。すでにベル博士は壇上に出ている。

周りの視線、そしてなにより、ベル博士のマイクを通した咳払いとその後の視線で二人はすっかり大人しくなり、ステージを眺めた。


「では、始めさせていただきます」

そう言うと助手のグラスがパソコンを操作し、プロジェクターを使い、スライドをステージの壁に映し出した。

そうして、説明が始まった。ちなみに、その時の大石の頭のなかを表現すると、






このようになる。お分かりいただけただろうか。ちなみに起きてはいる。

つまり、起きていることと理解することはイコールではないというわけだ。


そうして、そのまっさらな頭に久しぶりに考えが浮かんだのは、


終わった・・・!


だった。こうして大石の初学会は終了した。

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