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『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第1章 『願いが叶う壺』 ~香奈の章~
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『願いが叶う壺』 ~香奈の章~ 終

長い坂道を登り、校門をくぐり3階まで階段。

やっと到着した教室に入ると、私は無言で席に座る。

鞄から文庫本を取り出し、読み始める。

・・・私は、華音さんと花子さんに助けられた。

何故、会ったばかりの私にこんなにも良くしてくれるんだろう?

無意味な・・・そう、何時もの何も無い毎日を過ごすだけの私に・・・


「ちっるまちゃんニュース!」


「です。」


「はぁ・・・朝から元気ね二人とも。」


双子達の騒がしい声が聞こえた。

誰にでも気さくに話せる双子達。

あの子達なら・・・私の友達になってくれるかもしれない。

もう、何も無い毎日何てイヤ。

これは、華音さんや花子さんがくれたチャンスなのだと・・・

私は、ぎゅっと手を握りしめ・・・


「あの・・・何か面白い事でもあったの?」


勇気を振り絞って話しかけた。


「お、文学少女の香奈ちゃんが食いついてきたね?きたんだね?」


「姉さんくどいです。」


「桃井さん、何時もの与太話だからスルーしていいんだよ?」


「かおりんヒドッ!!」


「ぷっ」


私は思わず吹き出してしまった。そして・・・


「あはっあははははは・・・」


思いっきり笑った。

きょとんとする3人。


「あ、ご、ごめんなさい。」

「とても、おかしかったの。」


「へ〜桃井さんってそんな風に笑えるんだね。」


あ、確かに人前で笑うなんて・・・なかったかもしれない。


「かおりんが、香奈ちゃんを口説いている。」


「これは、ニュースですね、姉さん。」


「ななななな、なんでそうなるのよ!!」


顔を赤くして否定する新城さん。

私はまた笑った。

やっぱり、この3人と友達になりたいっ


「楽しいっ」

「こんなに楽しいの久しぶり・・・」

「・・・ねぇ、高木さん達に新城さん・・・」

「わた・・・私と友達になって貰えませんか・・・?」


言って私は俯いてしまう。


「「「ぷっ」」」

「「「あはははははは」」」


今度は3人が笑う。


「なに言ってるの?


「そうですよ、さん。」


「うんうん、もっかなー」


「へ?」


多分私は変な顔をしていたと思う。


「だって、友達に友達になってって言われてもね?」


「私達は、もう友達でしたよ?」


「そうそう、これからは毎日、とびっきりのニュース聞かせちゃうからね!!」


笑いながら・・・泣いた顔。


「ところでで、もっかなって何ですか?姉さん?」


「も(もい)かなだから、もっかなーだよ!」


「それって、あだ名?」


うれしいっ

私、初めてあだ名着けて貰った・・・


「それと、香奈。」

「苗字禁止だから・・・ね?」


「・・・うんっ香織ちゃんっ知真ちゃんっ葉和ちゃんっ」


これも、華音さんと花子さんのおかげ。

そうだ、今日お礼を言いにいかないと・・・たしか神主さんが好物は『さのや』とか言っていた気がする。


この日私に、の友達が5人も出来た。

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