*告白*
部活後、愛奈に健人くんのこと話したら、
「なんだとー!部活の仕事はわたしに任せて早くいきなさーい!!」
て言われ、
なかば押し出されるようにいつもより早く部室を出た
そういうつもりで言ったんじゃないのに…笑
校門に着くと、健人くんはもう来ていた
「あ、ごめん、おまたせ」
「いや、大丈夫だよ。俺も今きたとこ」
健人くんはやさしい
坂本ならぜったい
「おせーよ!」
とか言うのに…ってわたしなに坂本のこと考えてんの
やっぱりわたし変
健人くんとわたしは無言で並んで駅に向かって歩き始める
きまずい沈黙
どうしよう
「あ、あのさ」
「?」
健人くんがいきなり話し出した
「もう、き、気づいてると思うんだけど」
「え?」
健人くんは急に立ち止まって
わたしの方を見つめた
………
「俺…その……
好きなんだ、桜井のこと
ずっと前から」
顔を真っ赤にした健人くん
わたしまでなんだか恥ずかしくなる
告白って…こんなにどきどきするんだね
「高1の秋くらいに…廊下で友達としゃべってる桜井見かけて……その…笑顔が…す、すごいかわいくて、きらきらしてて……
一目惚れしたんだ」
まっすぐみつめてくるその真剣な瞳に、
そしてはじめて言われた言葉に、
どきどきした
そしたら急に…
""「笑顔…かな」
「笑顔?」
「笑顔がかわいくて、見てたいなーって思う人」""
あのときの坂本の言葉を思い出す
そして…
涙が溢れた
「え、え、だ、大丈夫?」
あわてる健人くん
そりゃそうだよね
「ご、ごめん
その…わたし……
わかんなくて……ヒクッ」
涙が止まらない
「最近わたし…自分が分からなくなっちゃって…ヒクッ……頭ごちゃごちゃになっちゃっt…」
ぎゅう
わたし…健人くんに抱きしめられてる……?
「えっ…」
「泣かないで…
ごめん、俺がさらに混乱させちゃったよね」
「う、ううん……ヒクッ」
「俺待つからさ…いくらでも。だから…桜井の返事待ってる」
「で、でも…」
「大丈夫!」
健人くんがわたしを離して、笑顔でいう
「だって俺…1年も片想いしてきたんだから」
「うん、ごめんね」
わたしもちょっと笑顔になる
「あ、でもそれまでも普通に友達として仲良くしような」
健人くんが笑顔で言う
「うん、もちろん」
「あ、じゃあ…俺バスだからここで」
「あ、そうなんだ。じゃあね」
わたしも笑顔で手を振る
「うん、やっぱ笑顔が1番!」
「//」
「じゃあね!」
健人くんは走って行ってしまった
「はあー」
健人くんを見送って、
ため息がでた
あんなに優しい健人くんを
傷つけてしまった
最低だ
それにわたし……
けんかしてから坂本のことばっかり
告白されてる時にまで…
しかも泣いちゃうなんて…
""「んー、でもなんだかんだでその人といるのが1番落ち着くって感じかな?一緒にいたいって思う、みたいな///」""
愛奈の言葉が浮かぶ
""「一緒にいたいなって思う人。その人のことつい考えちゃう、みたいなさ。」""
一緒にいたい人…
その人のことつい考えちゃう…
わたし、
坂本が好き
なのかもしれない…