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犬の気持ち

作者: アオイクマ

ぼくはこの家の人たちの事が大好きだ。

頭を撫でたり、お腹を撫でたり、抱きしめてくれたり、ぼくの事をとても可愛がってくれる。

ぼくはとても幸せだ。

でも、最近一つ気になっていることがある。

 この家の子供幸助(こうすけ)君の元気がないことだ。

小学校から帰って来る幸助君はいつも暗い表情をしている。

ぼくがどんなに寄り添っても無視するのだ。

なにかあったんだろうか。

とても気になる。

ぼくに何かできることはあるのかな。

心配で仕方がなかった。

 ある時、幸助君は泣きながら帰ってきた。

ぼくは幸助君の所に駆け寄ろうとした。

でも僕よりも先にお母さんが幸助君に駆け寄った。

お母さんは幸助君に駆け寄って涙をふく。

よく見て見ると膝をすりむいているみたいだった。

お母さんはすぐに幸助君の傷口に薬を塗って手当した。

幸助君はすぐに泣き止んだ。

ぼくはほっとした。

そして改めて幸助君の元に寄り添う。

幸助君は笑顔で僕の頭を撫でてくれた。

無事でよかった。



 ある日、幸助君はまた泣きながら帰ってきた。

お母さんは幸助君の所に寄り添う。

ぼくもお母さんの後追った。

幸助君は泣きながら説明する。

 なんでもクラスの男の子に苛められたらしい。

最近元気がなかったのはこのことがと思った。

お母さんは頭を撫でて幸助君を慰めた。

ぼくも幸助君の足もとに寄り添った。

よほど悔しかったのか、幸助君はなかなか泣き止まなかった。

しばらくしてお母さんはお夕飯の用意のために行ってしまった。

 まだ泣き足りないのか、寂しそうな顔をする幸助君。

ぼくは幸助君の顔を覗き込んだ。

すると幸助君はぼくの事を抱き喘げた。

涙はさらに大粒になった。

ぼくは慰めるために涙をなめた。

涙は止まらない。

ぼくはずっとなめ続けた。

しばらくして幸助君はやっと泣き止んだ。

ぼくの頭をなでて「ありがとう」と言ってくれた。

ぼくは嬉しかった。




 数日後、幸助君はとても嬉しそうに帰ってきた。

なんでも、テストで百点を取ったらしい。

お母さんはうんと褒めてあげた。

ぼくは幸助君の嬉しそうな顔を見上げた。

久しぶりに見た心から嬉しそうな笑顔だ。

見ているこっちまで嬉しくなってくる。

すると幸助君はぼくにまで満点のテスト見せてくる。

上手く反応してあげられないけど、ぼくは幸助君のテストをぺろぺろと舐めた。

すると幸助君はぼくからテストを取り上げる。

濡れてしまったテストを見て、ぼくにしかりつけてきた。

ぼくはそれでも構わなかった。

幸助君が満点を取れたのが嬉しかったし、これで幸助君にも自信ができた。

もっと、もっと頑張って立派な人になってほしいとぼくは思った。



 ある日の事、幸助君の帰りをまっていると、誰かが家に遊びに来た。

それは近所のおばさんだった。

お母さんはおばさんを招き入れて、テーブルにつき長話を始めた。

こうなると、とても長い。

前にお母さんと散歩をしていた時、このおばさんと鉢合わせしたことがあり、

長時間話し込んだことがあった。

お母さんたちは楽しいのかもしれないが、ぼくはすの間ずっと待ってなきゃいけない。

ぼくはゴロンと横になって幸助君の帰りを待つことにした。

するとしばらくしておばさんがぼくのところにやってきた。

そしてぼくの事を抱き上げ、またテーブルにつく。

それからぼくの頭を撫でながらまた話を始める。

これじゃ身動きが取れない。

ぼくはやだなぁ、と思いつつ解放されるのを待った。

その時だ。ピンポーンと音が鳴った。

ぼくは誰だろうと思い玄関に顔を向ける。

幸助君かな、と期待を寄せる。

でも幸助君が帰って来るときはこんな音はしない。

お母さんが玄関に向かう。

するとどういうわけかおばさんもお母さんの後についていった。

玄関のドアを開くと、そこにはまた知らないおばさんが立っていた。

お母さんは歓迎する。

また一人おばさんが増えた。

ぼくは肩を落とした。

幸助君、早く帰ってこないかな。

 そう思っていた時だ。

前の左足に衝撃が走った。

何が起こったのか分からなかった。

足が砕けてしまうのではないかと思うくらいの激痛を感じた。

ぼくは思わず叫び声をあげてしまった。

ぼくを抱いていたおばさんはビックリしたのかぼくは放した。

解放されたぼくはなんとかその激痛を耐える。

足を前に出そうとしても上手く進まない。

痛い。とても痛い。いったい僕の足に何が起こったのだろうか。

ぼくはその場で倒れこんでしまった。

 


 しばらくして幸助君が帰ってきた。

ぼくは幸助君の元に駆け寄ろうとする。

でもうまく進まない。

ぼくはお母さんに抱かれて、幸助君を出迎えた。

幸助君は元気よく「ただいま」と言って入って来た。

そしてすぐに異変に気付いたようでぼくの方に寄って来る。

お母さんが説明していた。

 ぼくは新しいおばさんが入って来た時に閉めようとしたドアに足を挟んでしまったらしいのだ。

骨にひびはいってるらしいので足を固定してもらっている。

幸助君はぼくをやさしく抱き上げて大丈夫? と聞いてくる。

ぼくは返事の代わりに幸助君の顔をなめた。

その日、幸助君はずっとぼくの面倒を見てくれた。

普段はぼくが幸助君に寄り添って言っているので嬉しかった。

これからも一緒にいれられるといいな


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