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肉食系令嬢に捕まった俺の事


「フレデリック様!お待ち下さい」




捕まったら俺の人生が終わる予感がプンプンするので

必死で逃げさせていただきます。



そんな俺、フレデリック・オーマンと

何故か必死に毎日追いかけてくる公爵令嬢

アリアーナ・サンブルク嬢の鬼ごっこは学園の

恒例の風景になっていた。




いつしかアリアーナ嬢を応援する側と

俺を応援する側と別れていて、賭け事まで発展している。




「悪い、かくまってくれ!」




足がすこぶる速いアリアーナ嬢に追いつかれそうになると、こうして友人達にかくまってもらっている。



「……フレデリック…そろそろ観念したらどうだ?」


「……俺の命がかかっている」


「アホかお前は」


友人のアントニーとは小さい時からの友人。

そんなアントニーが言葉を続ける。


「毎日逃げてるけど、社交シーズン始まるから逃げようにも逃げれないよ?観念してダンスを踊りながら理由聞いちゃえば?」



社交シーズン……わ、忘れてたーーー!!!





そんなこんなでやってきた舞踏会。

俺だって貴族だ。……伯爵家の次男だけど。



「……相変わらず男前だな、お前」


「……アントニー殿下には負けます」


「お前に殿下呼ばわりされたくないな」


「それは致しかねます。我慢して下さい」


「だから王族は嫌なんだ。廃嫡してほしいよ」


「冗談は他所でなさって下さい。第一、王太子の貴方が廃嫡なさると誰が大変になると思いますか?第2王子殿下ですよ?まだ小さい8歳の殿方です。あまりにも可哀想です。なので頑張って王太子でいてください」


「……俺の側近って感じでヤダな…」


「側近です。婚約者様がお待ちです。行きましょう」



殿下の婚約者、ミューゼル・シルバー公爵令嬢の所に共に行くとまさかの人物がそこに居た。



「あら、ごきげんよう。フレデリック様」


ミューゼル嬢と共にいるアリアーナ嬢から挨拶をされ

俺は丁寧な礼をする。

学生で同い年でも、身分は格上。

社交場とはとても厄介な所だ。



「フレデリック、俺はミューと踊ってくるからお前はアリアーナ嬢をエスコートしろよ」


「……かしこまりました」



殿下と婚約者様をお見送りした後、ダンスの申し込みをする。

殿下に言われた以上、するしかない。


「アリアーナ・サンブルク嬢。共によろしいでしょうか?」


「えぇ」


アリアーナ嬢をエスコートし、ダンスの輪に入る。

こうして近くで見るのは初めてだったりする。

いつも殿下の後ろに控えているから近くで見たことがなかった。しかも逃げているし。

それにさすがは公爵令嬢、ダンスが上手い。



「あの、フレデリック様」


「はい。なんでしょう」


「あまりジッと見られると恥ずかしいのですが…」


「っ!!!!それは!とんだ失礼を」


「あ、いいんです。恥ずかしかっただけなので」


照れながら話すアリアーナ嬢。

照れた顔を見た途端、ドキッとした。

こ……これはなかなか…くる。


「……ここ最近、わたくしが追いかけてしまい申し訳ありません」


「え、あぁ…こちらこそ逃げてしまい失礼いたしました。……失礼ではありますが、理由を聞いても?あなたの様な方が伯爵家のしかも次男の私を追いかける意味が分からないのです」


「……殿下を庇ったミューをさらに庇ばい、怪我をされた貴方の……その……」


「あぁ…なるほど。庇った時の傷を見たいのですか?あまり見たがる方はいないのですが…あ、それで私を追いかけていたと。……見ても気持ちのいい物ではないですが…大丈夫ですか?」


「…………」



何故か黙ってしまった。

やっと追いかけられた理由をしれたのに。

でもこの傷は肩と…太ももだ。

傷をみてどうするんだ???


うーん…?と考える俺にアリアーナ嬢は言う。




「やはり燃えますわ。必ず落とす」


「え?」




やる気に満ちあふれたアリアーナ嬢と

俺の戦いが幕を開けた瞬間だった。




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