魔族学校②
さて、昼も終わり午後からは座学 歴史の勉強だ。
前世では戦争や過去の戦いなどは良く聞いて無駄に知識を蓄えてたのが懐かし、それ以外は特に興味が無かったがー
しかし、流石異世界!魔王とか勇者とか過去の戦いとか男の子(32歳)がワクワクするような内容ばかりだ。
「こんなに熱心に授業受けたのはいつぶりだろうか...」
「...と言うように、昔は魔王は大陸に1人であったが...現在は領地を振り分け、その領地1つに1人の魔王が領地を治める形になりました。」
なるほどなぁ、前世で言うとこの知事みたいな感じか?まぁ、ゲームとかじゃ魔王は大体1人だけど 正直バカでかい大陸を魔王1人で管理なんか出来ないだろう。
大体だがこの4日でわかった事はザックリだが...
魔族と人間の戦争は50年続いていた。
魔王は複数いる。
武器とか戦い方は中世辺り。
今は魔族と人間は和平を結んでいる。
魔族の戦術は人間より大まかで雑な感じだが、強靱な肉体と数の暴力で戦術の穴を補っていた。
魔族は圧倒的実力主義。
気になったのはこれくらい...とあとはあれだ
勇者は”複数”いる。
先の戦争で和平を結ぶ前の最後の戦いで、複数の勇者あるいはそれに近い力を持つ者が確認されたらしい。
魔族側はその勇者を2人倒したらしいが、魔族側は3万の命が奪われたそうだ。
その奪われた命の中の1つが俺の第2の親父が含まれている。
しかし疑問がある...勇者を2人倒す代償が魔族3万人なら人間側はそのまま戦えば魔族に勝てたんじゃないのか?
何故、和平を結べたんだろうか?
「うーん...」
「なんだぁルクス?そんなに唸ってどうしたぁ...」
隣の席のポトフが考えてる俺の顔を覗き込む
「いや...なんで魔族と人間が和平を結べたんだろうな...勇者でゴリ押せば人間は魔族に勝てた気がするんだけど...」
「まぁ、確かに...そう言われればなぁ...」
「よい疑問ですね、ルクス君!」
「え!?」
そんな事を話していると、15m程離れた教壇にいるうさ耳...と言うより二足歩行のウサギ先生の透き通った声が講堂内に響くー
「何故、圧倒的に優位な人間と劣勢の魔族が和平を結べたのか気になる生徒もいるでしょう...ちなみに和平交渉自体は人間側の王から持ちかけてきた話なのですよ」
「人間側の王が...ですか?」
「はい、お互いに無条件での和平を提案されたのです人間の王からね...」
教壇の先生は講堂にいる生徒全員に語りかけるように話しだした――