プロローグ
勢いのみで書き始めている作品です。
突っ込み処があると思いますが生暖かい目で見て貰えると助かります。
それではどうぞ!
目を覚ましたら謎の暗闇の空間にいた。目が覚めたばかりだからか直前まで何をしていたのか思い出すのに時間が掛かる。
確か通勤中に女子高生がトラックに轢かれる所を助けて替わりに俺がトラックに轢かれたんだったか。
「……うーん……もしかして此処が死後の世界ていう奴か?……まさか死後の世界は何もない所だったとは……一先ずあたりを歩いてみるか。」
周囲を見渡しながら歩くが暗闇の空間が広がっているだけで人影や光が一切見えない。まるで真っ暗な廃墟を懐中電灯無しで徘徊している様な感覚に襲われる。
「周りを見ても暗闇が広がっているだけだし……人気もないし……光もない……まさに地獄。」
そんな事を口にしながらただただ広がる]暗闇の空間を歩き続けるのだった。あれから何時間過ぎたのだろうか?光や人影がない空間をただひたすら歩くのは流石に地獄だ。
「……何時間歩いても同じ空間……流石に地獄すぎるだろ……あぁ……もっと良い事すればよかった……こんな地獄早く抜け出したい……。」
流石に同じ空間をただひたすら歩くのに疲れた俺はその場に座り込む。その時だった何処かで女の子が泣いている声が暗闇の空間にこだまする。突然女の子が泣いている声を聞いて俺は流石に恐怖し身体が震える。
(……泣いている声?……もしかして俺以外にも人が居るのか?)
俺は意を決して立ち上がり女の子の声のする方向に向かって歩き始める。女の子の泣き声が段々と近づきやがて声の主の姿が見えた。俺は女の子の近くまで歩を進め泣いている女の子に声を掛ける。
「……君、泣いてるけど大丈夫?」
「……!?……貴方誰ですの?」
「……えーっと……まずは名前だよね……俺の名前は峯野 馨。気がついたら此処の空間に居たんだ……君、この空間が何か知らないか?」
「……わたくしもさっき目が覚めたばかりでこの空間の事は知りませんわ。」
「……そっか。」
俺はそれだけ口にすると長い沈黙が続く正直言って沈黙が続くのは辛いけどなんかこの子、訳ありて感じがするし……俺はこの子にどう接すれば良いか悩んでいると女の子が言葉を紡ぐ。
「……わたくしの名前、言っていませんでしたわね。……わたくしの名前はアレクシア・フォン・ルクセンブルクですわ。……峯野さんわたくしが何で泣いているのか聞かないんですの?」
「……えーっと……ほらアレクシア・さんにもプライバシーがあるし……だから無理に聞かないよ。」
「……そうですか。」
またしても沈黙が続く。
「……アレクシアさん俺と一緒にこの空間の出口を探さないか?……何もない空間に居るのも地獄だし。」
「それもそうですわね。……わたくしもただ泣いているだけではこの状況も覆りませんわよね。」
アレクシアが立ち上がり俺達はこの謎の空間を出る為、その場を後にするのだった。
「峯野さん此処に来る前は何をしていたんですの?」
「……惣菜センターで働く冴えないおっさんだった。」
「……だった?」
「……あぁ……いつものように起きて朝食作ってニュース観て七時二十分に家を出たんだ。それまでは良かった……通い慣れている通勤路を歩いていた時、女子高生がトラックに轢かれそうになっていたんだ。……それに気づいて俺は女子高生を庇ってトラックに轢かれて俺は死んだ。」
「…………。」
「……轢かれそうになった女子高生を助けられたのは嬉しいけど……家族にもう会えないのは寂しいし俺だってもっと行きたかった手今は思うけどな。」
「……その……なんて言えば……。」
「そんな困った顔で謝ろうとするな……それに俺は気にしてないからさ。」
正直に言ってしまうともう両親に遭えないことに寂しさを感じるし両親に恩返しを返し切れていない事に今になって気づいた。それにこの空間が死後の世界だとするならばいずれ天使か神様がお迎えに来るだろうし……早くこの空間から出たい。
「アレクシアさんは此処に来る前は何をしていたんだ?」
「……学校の図書館で本を詠んでいましたわ。……本を詠み終えて次の本を取ろうとしたら足を滑らせて頭を打って気がついたら此処の空間に居ましたわ。」
「そうか。」
「それにわたくし学校に行ったって意味がありませんから……わたくしは我儘で傲慢で周囲を見下し気に入らない事があれば実家の権力で脅した……好きだった婚約者に婚約破棄されて大切なものを失ってから気づくなんて……当時のわたくしを殴りたいですわ。」
性格の嫌悪、クラスから孤立している事、好きだった婚約者に婚約破棄されて悲しかった事がアレクシアの口から紡がれる。
「……それでアレクシアさんはこれからどうしたいんだ?」
「……迷惑をかけた人達に謝罪したいと思っていますわ。」
「……そうか。……多分だけど反省しているアレクシアさんを見れば許してくれるよ。」
「……そうだと良いのですけど。」
アレクシアさんは不安そうな顔でそう口にした時だった目の前に光が見え始めあまりにも眩し過ぎて目を細める。
「……うっ!?……眩しいですわ。」
「……うっ!?」
俺達は光がある方向に歩みを進める。謎の光が俺達を導いているかのように輝きやがて光の正体が現れる。
「……ドア?」
シンプルなドアが謎の暗闇の空間にあり俺は疑問に思う。何故、ドアがあるのかわからないが俺の勘が言っている。此処のドアを開ければこの空間から出られると
「此処のドアを開けたらこの暗闇の空間から出られるのではありませんの?」
「……そうだな。……俺が開けるから何かあったらすぐに逃げてくれ。」
「……わかりましたわ。」
俺は覚悟を決めてドアノブを捻りドアを開ける。ドアを開けると真っ直ぐな通路があり俺が一歩また一歩進んでいく。
(この道……何処に繋がってるんだ?)
そんな疑問が脳裏に浮かぶが気にせず長い通路を進んでいきやがてドアが現れる。俺はドアノブを捻りドアを開けると謎の光が俺達を覆っていきやがて俺の意識が段々と遠のくのだった。
此処まで読んで下さりありがとうございます。
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