5 未来へと続く公爵家
作品を読んでいただきありがとうございました。
面白いと思っていただけると幸いです。
あの夜の告白とプロポーズから半年、いろんなことが起きたわ。
一番驚いたのは、やはりイザベラ・クスパー伯爵令嬢が発した金切り声の罵倒かな。
あんなキンキンな金切り声……どこからあの声が出てるんだろ?
その彼女もシモベール・ハーバル子爵と結婚し、今では貴族界の有名な夫婦。女性関係の修羅場が凄いのだとか。
私の友人のフレイア・シンバニウム侯爵はモルガン・バアル伯爵、騎士副団長と2ヶ月前に結婚し、今ではラブラブの新婚さん。
そして私達はというと……。
今日が結婚式なんです!
真っ白いプリンセス風のドレス、胸元を強調されたシンプルなデザインに腰から下はフワリとレースが丁寧に重ねられ高級ドレスだ。
髪はアップにしており白くて小さな花が髪全体に散りばめられ、頭の上にはティアラから流れるようにベールが伸びている。
騎士団長にバージンロードを歩いてもらい、マルク様の隣へ行き大司教様の前までゆっくりと歩いた。
「マルク・クロード公爵、貴方は病める時も健やかなる時も妻を愛することを誓いますか?」
マルク様は私の顔を見て「─はい、誓います!」と力強く仰ってくれた。
「ナナエ・タナカ様、貴女は病める時も健やかなる時も夫を愛することを誓いますか?」
「はい、誓います!」
「誓いのキスを」
マルク様に両肩を持たれ、美形な顔が近付き形が整った薄い唇が私の唇に重ねられ、みんなが見ている前で長い…とても長いキスをした。
マルク様と教会を出ると、空は青く澄み渡り、鳥がバサバサと飛んで行くのを2人で見送った。
最後までお読みいただきありがとうございました。