表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/24

3 家

マークに向かって歩いている途中で気づいたことが2つある。


一つ目、何とこの体の顔、超絶美形なのだ!

そして幸福神の顔ととても似ている。

髪色や目の色が違かったり(俺の髪と目はどちらも黒色)、細かな違いはあるが、それでも美形である。


ちなみに中身が俺だからか、幸福神のような神々しさは皆無だった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



しばらく歩いていると、開けた場所に出た。

森の中、ぽっかりと穴が開くように一部分だけ木がなく、

中心にはこじんまりとしたログハウスが建っていた。


誰かここに住んでいるのか?

慎重に近づいてみるが人の気配はない。

とりあえず中に入ってみよう。



「お、おじゃましまーす……」



中は丸太の壁に暖炉、テーブルや椅子が置いてあり、キッチンらしきスペースもあるようだ。


やはりこの家は無人だが、思いの外綺麗だった。


木製のテーブルの上を見ると紙切れが置いてある。



『この家の持ち主は10年ほど前に戦争で亡くなってしまったからコウが住むにはちょうどいいと思うよ。by幸福神』



そうか、ならありがたく使わせてもらおう。


そう思ったところで窓の外を見てみると、もう日が落ちるところだった。


長い時間歩いて思いの外疲れたから、今日はもう寝よう。


隣室にベットを見つけ、寝転んだ。


明日は家の周りを探索してみよう。


そう思うが最後、俺は意識を手放した。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日


今日はまず、家の周りを探索してみることにした。


なぜなら、食べ物が一切ないからだ。


グゥー


……このままでは非常にまずい。


とりあえず北に向かってみよう。


森の中は昨日と変わらず穏やかだった。


しかし木の実やキノコといった食べれそうなものは見当たらなかった。


「どうしたものか……」


途方に暮れていたその時だった。



「ピギャー」



と、かすかに何かの鳴き声が聞こえる。


鳴き声の方向に歩いていくとそこには、イノシシのような生き物がいた。


だが断じてイノシシではない。


何故かって?


色が違うからだ。


前の世界ではイノシシといえば黒っぽい焦茶色や灰色が一般的だが、

このイノシシは鮮やかな青だった。


待て、このイノシシ食べられるのか?


普通のイノシシは病気でなければしっかり火を通して殺菌すれば食べれるらしいが、このいかにも体に悪そうな色をしたイノシシは食べられるのだろうか。


いや、食べれないだろう!だってこんな色だぞ!


よし、こんな時はあれだ。鑑定をしよう。


鑑定!と念じてみるとステータスと同じようにイノシシの方向に浮かび上がってきた。



【種族名】シーニーボア 

     猪型の魔物。獰猛な性格で好戦的。

     繁殖力が高く大量に生息している。

     肉は食べることができ、日持ちするため

     冒険者には重宝されている

【レベル】1 【スキル】水魔法 Lv.1



……どうやら食べられるようだ。


そろそろ空腹も限界だし、狩る(たべる)しかないか。


腹を括った俺は肌身離さず持っていた袋からナイフを取り出し、

気配を消してこっそりとシーニーボアに近づいた。



「………!!」



意を決してナイフをしっかりと握り、シーニーボアの背中に深々と突き刺した。



「ピギャーーーー!!!」



大きな声で鳴き始めたが間髪を容れず次は脳天に思い切り歯を突き立てた。


傷口から赤黒い血が噴き出し、両手とナイフの柄が真っ赤に染まった。



「ピギャーーーーーーーー!!!!」



ナイフの先で暴れるが俺は絶対にナイフを離さないようしっかりしがみつき、渾身の力でさらに深く押し込む。



「ギャ…………」



少しするとシーニーボアは動きを止め、地面に倒れ込んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ