2 目覚め
……知らない天井だ。
というか天井がない。
目を覚ますと、そこは穏やかな雰囲気の森だった。
どうやら本当に俺は異世界に転生したらしい。
ふと手元を見ると小さめの袋が落ちていた。
袋の中を見てみると中には地図と小さめのナイフが入っていた。
「至れり尽くせりだな。」
幸福神は比較的平和な国に送ってくれると言っていたが、ここはどこなのだろうか。
周りを見渡してみる限り人っ子一人見当たらず、とても静かだ。
木はたくさん生えているが、意外と日の光が入ってきて明るいな。
「そうだ、ステータス」
………どうやって見ればいいんだ?
試しにステータスと念じてみると目の前に文字が浮かび上がってきた。
【名前】コウ 【性別】男 【称号】転生者 不運な死を遂げた者
【年齢】超越 【魔力】100000/100000 【体力】50000/50000
【レベル】1
【加護】幸福神の加護 Lv.10
【スキル】???
???
???
無属性魔法 Lv.1
光魔法 Lv.1
体術 Lv.1
鑑定 Lv.-
まてまてまて、ツッコミどころが多いぞ
「名前が、変わってる?」
俺の名前は幸輔のはずだが、ステータスにはコウ、と表示されていた。
試しに名前の欄に触れてみると追加で文字が浮かび上がってきた。
『一条幸輔って名前、いい名前だと思うけどこっちの世界に人にはちょっと発音しにくいから、これからはコウと名乗るといいよ。by幸福神』
ほう、幸輔は発音しにくいのか。
幸輔、こう……こうす、うーむ分からん。
まあこれを機にコウと名乗ることにしよう。
次に魔力、体力はそれぞれ10万と5万か……
体力はとても多そうだが魔力は多いのか少ないのか分からないな。
そして次に、
「幸福神の加護……」
……さっき別れたばかりだが少し寂しくなってきたな。
最後にスキルの欄だ。
鑑定はテンプレどおりだとして、その他のスキルは何だろうか。
スキルの欄に触れるとまたまた文字が浮かび上がってきた。
『無属性魔法、光属性魔法は僕が得意な魔法だから使えるようにしといたよ。あ、でも他の属性の魔法やほかのスキルも鍛えれば使えるようになるから。あと、地図と袋はマジックアイテムだよ。地図は現在地がわかるし袋はマジックバックで家1件分くらいは余裕で入ると思うよ。ナイフはマジックアイテムではないけどとても丈夫な素材で作られているから多少無理しても大丈夫』
随分と心配性な神様だ。
そう思いながら地図をよく見てみると、森と思われる場所に赤い点が点滅していた。
「ん?」
よく見ると赤い点の近くに家のようなマークがあった。
このマークはなんだ?
とりあえず行ってみるか。
俺は立ち上がりマークがある北の方向に歩き始めた。
こうして俺の異世界生活が始まった。