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13 冒険者

予想外の事態があったが、無事イーターフラワーの討伐を終えた俺たちはルザリーに戻ってきた。


アルクは帰ってすぐにイーターフラワーの花弁を持って薬屋に行ったので、俺とイリスは討伐、大量発生の報告兼、俺の冒険者登録のためギルドを訪れている。


「俺はあっちで報告してくるから、コウはここで登録するといい」


そう言ってイリスは受付の奥に消えていった。

よし、俺も甘えてばかりではいられない。一人でも喋れるようになるんだ!


「……あの」


「あ、コウくん!冒険者登録ね?待っていたわ」


受付は今日もエレンさんのようだ。

うっ、緊張する……


「この前、ステータスと個人情報の確認は終わったから、あとは説明とギルドカードの発行ね」


そう言ってエレンさんは説明を始めた。


「冒険者ギルドは依頼主がギルドを通して依頼を出し、それをF、E、D、C、B、 A、そしてSランクって感じでランクごとに分けられた冒険者にそれぞれの難易度に合わせて依頼して、報酬を渡す、と言った形で成り立っているわ。」


なるほど、ここはテンプレ通りだな。


「コウくんはFランクからスタートだから、初めは採集と手伝いの依頼が中心になるけど、依頼をこなしていけば昇格できるから頑張ってね!」


エレンさんはそう言いながら灰色の俺の名前が書かれたカードを取り出し、俺に手渡した。


「はい、これがコウくんのギルドカードね。無くしたら再発行に追加料金がかかるから、気をつけて」


これで俺も冒険者か〜!

あ、そうだついでに魔物の素材の回収もお願いできないだろうか。


「……………魔物の死体があるんだけど」


女性と話すのには慣れてないためいつもより沈黙が長くなってしまったが、話せるようになっただけで進歩だと思うことにしよう。


「そっか、コウくんは魔の森出身だったわね。魔物の素材はあそこの回収窓口で売れるから、聞いてみるといいわ。それじゃあ、これからも何かわからないことがあったら遠慮なく聞いてね」


その言ってくれるエレンさんに俺はぴょこりと礼をすると、早速回収窓口に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「…魔物の回収をお願いしたい」


俺の言葉に、受付にいたガタイのいいおじさんが振り向いた。


「おう坊主、マジックバック持ちかい?珍しいね。」


「…うん」


「それじゃあ、一回ここに出してもらえるかい?」


いや、家一軒分くらいの量はあるが、大丈夫なのだろうか?


「…どれくらい出したらいい?」


「うーん、まあ、出せるだけ出してみろ」


後悔しても知らないぞ?

そう思いながら、とりあえず三分の一くらいを放出。


「うわ!!えらい量だな」


受付のおじさんは目を丸くして驚き、ギルド内がザワザワと騒ぎ始めた。


「……あとこれが二回分くらいあるけど、どうする?」


「わ、わかった!今倉庫に案内する!!」


また魔物をしまい、俺たちは倉庫へ向かい始めた。


大体低レベルの魔物とはいえ、大量にいるもんな。

この際だし、バックの中の魔物は全部売っちゃおうか。


そうこうしているうちに、大きめの倉庫に到着した。


「そ、それじゃあ出してもらえるか?」


俺は、マジックバックの中を全て解放した。



その後、その量に驚かれ、キラービーやファングウルフの死体に驚かれ、死体の品質の良さに驚かれるなどしたが、素材の買取は終えることができた。


前世の俺からしたら目玉が飛び出るくらいの金貨を受け取り、地味にテンションが上がっていたところで、イリスが戻ってきた。


「これは…すごいな」


やはり Aランク冒険者からしてもこの量はすごいようだ。

イリスが職員と少し話した後一緒に宿屋に帰ると、アルクがなんともだらしない顔で眠りこけていた。


どうやら母親の容態は大丈夫なようだ。

なんとも腑抜けたその顔に苦笑いをしつつ、俺とイリスも眠りについた。


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