表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お盆の不思議な出来事

作者: 秋野萌葱

深夜近く、私は自室で溜まった洗濯物を畳みながらふと、辺りを見まわした。

その日は体調の悪さからやっと脱却できたのもあり、少々気が抜けていたのだろう。

私は半ば呆けた表情をしながら黙々と作業を続けていた。

そよそよと扇風機が肌に当たる感触と、冷房から作り出される心地いい温度に静かで凪いだ気持ちになっていたのかも知れない。


そんな中、ふと手元に何気なく目を落とすとそこには不思議な光景があった。

電源がつくように何かをしたわけでもないのにスマホの灯が灯る。

そこには通知は一つも来ておらず、私はおかしいなと少し首を傾げた。


そして数拍の間を置かずにそれは訪れる。

まるで親戚の子供の頭を撫でるかような柔い感触が私の右のつむじ辺りをなぜていった。


・・へっ?


驚きすぎて言葉も出ないとはまさしくこのことだろう。

普段なら気にもしないことなのだが、あいにく今はお盆、

どんな不思議なことが起きてもおかしくない。

いや、ただの扇風機が起こした偶然の錯覚なのかも知れない。


しばらく固まっていたが再起動した私の心中に広がるものは、まるで蕾が綻ぶような暖かな温もりだった。

辛いことばかりあったけれど、私はまるで誰かに頭を撫でてもらったみたいなこの感触が嫌いにはなれずむしろ、どんどんと幸せな気持ちが溢れていった。


ちょろいと思われても否定はできない。

けれど、あの一連の不思議な出来事は間違いなく心があったかくなるようなそんな出来事だったのだ。

結局あれはなんだったんだろう?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ