エピソード2 タッチの攻撃
青春野球マンガ(アニメ)の金字塔といえば、タッチである。
吾輩が大好きだったアニメである。なんてたって主人公が双子の兄なんだからである。
ダメ兄貴と言われた主人公が本気を出して、練習したら甲子園で優勝しちゃうんだから。
なにより可愛い幼馴染が、自分に好意を持ってくれていて、最終的には両想いになる、これこそ双子の兄の為にある聖書である。
当然、吾輩の小学校の時の憧れ(目標)は上杉達也だったのである。
初恋の相手のT子ちゃんが、このアニメの大ファンで、吾輩の心の中では、吾輩が達也で、T子ちゃんは南ちゃんだった。嫌、なる筈だった・・・・のである。
吾輩達が子供の時は、スポーツといえば野球だけ、部活動の花形は野球だった。
弟も、吾輩と共に野球部に入った。弟といっても、勝負事である。悪いが引き立て役になってもらおうと意気揚々と入った野球部で吾輩は人生で最初の挫折にあう事になる。
投げてダメ、守ってダメ、打ってもダメだった。最終的に守備位置はライト、打順は9番になることが多く、正に「野球部ののび太君」だった。
心の中でドラえもん何時来てくれるのかなと思っていた節もある。
最初は、そのうちマンガの様に上手くなると簡単に楽観していたが、一向に上達しないのである。
5、6年生になると大会毎に背番号が渡される。吾輩は、28人中、27番だった。28番は小学校に不登校になってしまったS君であり、事実上吾輩がドンケツであった。S君は学校に来れれば、野球がとってもうまい子だったので、スタメンにもなれたとおもう。
ある大会で、監督のお情けだったと思うが、ベンチ入りさせてもらい試合に臨んだ事がある。
3回の表の攻撃時に、監督から、「次、行くから準備(素振り)しておけ!」と言われ
吾輩は、アドレナリンガンガンで、「ハイ!!」と答え、ものすごい勢いで素振りを始めた。
しかし、待てど待てども代打コールがされない。最終回(7回)、2アウトになって初めて代打〇〇と呼ばれたが、その時素振りのし過ぎで、もう力が入らない状態だった事を覚えている。
コールされた時、ダチョウ倶楽部の様に「聞いてないよー」と心の中で叫んでいたと思う。
自分の実力を棚に上げ、子供心に、監督多分吾輩の事嫌いだなと思ってしまった。
この時期に吾輩の心の中で、人に対しての羨望や、嫉妬心が芽生え始めたのだと思う。
現実は、マンガとは違うんだなと初めて実感した期間だった。
吾輩の弟は、5年生の時に14番ぐらいをつけていたと思う、私のちょうど半分くらいだった。
もともと運動神経の良い弟は、とびぬけて上手くもなく、とびぬけて下手でもないぐらいのレベルだった。要領の良い弟は、5年生時には野球に見切りをつけバスケット部へ移ってしまった。
弟は、バスケットの方には才能が有り、バスケット部では活躍していた。
当然、T子ちゃんに気づかれる事も無く吾輩の初恋、野球に対する甘い夢も終了した。
少年野球で失った自信を取り戻すのにはかなりの時間がかかったと言いたいが、実際未だ取り戻せていないのかもしれない。




