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兵器創造の領域支配者  作者: 飛楽季
三章 中央区
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拠点 7

 道中、爺さんと椿に犬の相手を任せてそのまま四階へ。


 俺はそこで荷物を広げ、準備を開始する。すると、爺さんは周囲の青い犬を処理に向かった。

 ボスとの戦闘中に乱入されると面倒だからな。爺さんも随分と攻略に慣れてきたもんだ。


「それで、ボスとの戦い方はどうする?」


 椿が周囲に目を配りつつ質問する。俺は綺麗に銃を並べながら返す。


「そこの長い通路にボスを釣って、そこを俺がライフルで体力を削る。後は爺さんと椿が近接戦だ」


 随分と大雑把だがこれで良い。俺の素人の腕でどれだけ当てられるかは問題だが、腕や脚にダメージを与えられるのが理想だ。流石に近づくまでに倒す事は考えていない。


「よし、これで良いか」


 俺の横に並べられたライフルとショットガン。最初はライフルを使い、近付かれたら『兵器操作(ウェポンコントロール)』によりショットガンを使う予定だ。

 そこに爺さんが周囲の処理を終えたようで戻ってくる。すると、椿が口を開く。


「ボスの釣りは任せてくれよ。私の能力ならどんな奴でも追いつけない」


 俺は椿の言葉に眉を顰める。


「大丈夫なのか?恐怖で足が動かなくなったら死ぬぞ」


 椿は胸を叩き、自信に満ちた表情で返す。


「今度は大丈夫だ。昨日のように情け無い姿は見せないよ。それに、今はそんな事言ってられる状況じゃないのも分かってる」


「……それなら任せるぞ。椿……一応言っておくが死ぬなよ」


「ああ。それじゃ、行ってくる」


 椿はニッと笑ってそういうと、ボスの元へと向かっていった。




 俺はライフルのボルトを操作し、弾を装填してから構える。これはボルトアクションという、銃についたレバー(ボルト)を操作する事で弾薬の装填、排出を行うものだ。


 ……いかにも銃を使っている感じがして、俺はこの動作か好きだ。


 そして俺が片膝をつき構えているライフルの性能。


ーーーーーー

兵器取扱説明書


武器タイプ/ライフル ウィンチェスターM70

特性/『威力』『銃弾肥大』

弾/標準(最大3発)


補足/なし


ーーーーーー


 もう一丁は『威力』と『魔力弾』のもの。そして、ボスに有効な方にもっと特性を付与しようと思っている。

 ライフルは俺の使っていた拳銃と比べ、威力が遥かに高いはずだ。俺の予想ではボスの皮膚を貫き、骨でなければ貫通してもおかしくはないと思っている。

 狙撃には使いにくくなるが、遠距離での火力を考えるのなら『連射』も有りなのかもしれない。


 構えながらそう考えると、角から曲がってきた椿の姿が見えた。どうやら彼女は恐怖を乗り越え、ボスを連れてきたようだ。

 そして椿から少し遅れ、ボスの姿が見える。その姿は赤い毛皮の獣人で、体長は二メートルほど。その移動速度は椿よりも速く、その距離を詰めてきているようだ。

 ライフルだがスコープなんて物は付いていない。だが俺はそれでも、二百メートル程度なら体のどこかに当てる自信は有った。


「暁門いくぞ! 『行動迅速(ファストアクション)』!」


 椿がそう叫ぶと同時にその姿を消す。彼女の能力は一部の行動に限り動作、移動等を速くするもの。俺と戦った時、そして今のこの行動は、その能力で移動速度を高速化した事で姿を消したように見えたのだろう。

 椿が姿を消すと、ボスは俺を目標に変更する。だが俺とあいつの間には、何一つ妨害するものは無い。


 ……ここまでやってもらって外したら、散々笑われるだろうな。


 俺はそう思いながら口角を上げる。


 そして——銃口の先をボスに向けて、俺はライフルの引き金を引いた。

何とか盛り返したい。


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― 新着の感想 ―
[一言] いや、脳筋すぎてこんなやついないのでは? とか疑ってしまいました。 あと、銃を突きつけながらなにもしなかった敵が信じられなくて。 女を一人だけ拐うのも、不思議。 性欲を満たすなら2人連れてく…
[一言] なんか椿が怪しいとかおもったが、思い過ごしかな? お父さんをとられたくないとか、こじらせて。
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