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兵器創造の領域支配者  作者: 飛楽季
三章 中央区
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青堀神社 16

「……よし、行け」


 ドローンを兵器操作で獣人へと近づける。すると、一定の距離……50メートル程でドローンに反応が現れた。

 操作を解くと自動でライフルを向け……獣人に向けて発射した。弾は獣人の胴の中央辺りを貫通し、獣人は呻き声を上げる。


 ドローンはそのまま二発目に移ろうとする——が。発射するよりも前に獣人が長い爪を持つ腕を振り上げた。


「あ、まずい!」


 俺は慌てて兵器操作によりドローンを移動。すると、先程までの位置に爪が通り過ぎる。


 俺はそのまま操作し、次はライフルで獣人の頭を撃ち抜く。頭を撃ち抜かれた獣人はそのまま後ろへと倒れ、その体を消失させた。


「そりゃ自動で回避する訳が無いな……後、自動だと敵の中心を狙うみたいだな」


 魔物に狙われたら簡単に撃ち落とされて壊れてしまうし、頭のような急所を狙う程高性能ではないようだった。

 だが攻撃する分魔物の意識を引く事は出来るので、弱い魔物の相手と囮くらいなら出来るだろうか。


「AIのようなものを搭載するか、特性を上乗せするしかなさそうだな」


 『自動回避』でも追加すれば良いのかもしれない。まあそれは次の機会にしよう。そう思い、今回は我慢する事にした。


 俺はもう一台同じものを作り、俺の左右に展開する。すると、やはり浮かせる必要が無い分、操作に取られる意識は少ないようだった。

 そして手にライフルを持ち、獣人の間引きを行なっていく。理由はボス戦での乱入のようなイレギュラーは可能な限り潰しておきたいからだ。


 そのまま展望室を半周すると、少し道幅が広くなっていた。ボスが居るとしたら、こういう所なんだろうが……。


 俺はゆっくりと曲がり角から覗くが、動くものは見当たらない。だがその代わりに、道の中央には何故か岩石が大量に置かれていた。


 明らかに怪しいので近づく事はしない。何かの罠の可能性を考えるべきだ。俺はそう思い、来た道を引き返す事にした。

 この展望室は回れるようになっている。もし反対側の獣人を倒してここに辿り着いたのなら、その時は調べるしか無いだろう。





 そして反対方向へと回り、獣人をライフルの一撃で仕留めていく。それなりに距離があっても俺は頭に確実に当てる事が出来ていた。

 ……まあその理由は『特性』のお陰で、決して俺の狙撃の腕が良いわけではないのだが。



 俺の持つライフルに付いている特性。それは『威力(マイト)』『魔力弾(マジックバレット)』——それに『命中(ヒット)


 『命中』の検証をしたのは、俺が『兵器作成(ウェポンクリエイト)』に目覚めた最初期の事だった。効果は狙ったものに向けてゆっくりと銃弾が曲がっていく、というものだ。


 距離が短ければあまり効果は無い特性。だが、それがライフルのように射程の長いものであれば……その恩恵は計り知れない。

 現に数十メートル離れた獣人の頭を意識し、大雑把に狙いを定めて発射するだけでライフルの弾はまるで吸い込まれるように獣人の頭を撃ち抜いた。


 ライフルに『命中』さえ付与すれば、誰だろうが遠距離から攻撃出来る。これはかなりの戦力アップにつながる筈だ。




 そして反対側の処理も終わりに近づいていた。……となれば、やはりあの岩石がボス、或いはボスに繋がる何かなのだろう。

 ふと時計を見れば区役所に入ってから一時間半程経過していた。そして夕方の五時を過ぎた所。攻略に出ていた爺さん達が戻って来てもおかしくは無い時間ではある。



「もし動いてるなら、うまく思惑通りにいってると良いんだけどな……」



 俺は展望室から見える外を眺めながら、そう呟いた。

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