少年編その4(ローズ視点)
うーん。以前引いた伏線を入れるか悩んだけど、ごちゃごちゃしすぎたのでスルーする事にしました。
「それでは、ローズ、エクス、前へ」
先生の声と同時に前に出る。
「さぁ、今日こそ勝ち越すぜ?」
「いーや、今日は僕が勝たせてもらうよ」
その為に十文字を会得したのだ。そう簡単に負けるつもりはない。
「では、行くぞ! ―――勝負、始め!」
先生の言葉と同時に前に出る。
「はあぁああ!」
まずは半分くらいのスピードで―――間合いの手前でフルスピードだ!
「っ!」
急に加速した僕の突きに、一瞬動きが止まったがギリギリで反応して回避する。だけど、それは想定内。そもそもの話、この程度で終わるくらいなら僕は追いつかれていなかっただろう。
返しで飛んでくる剣を右足を軸に回転することで迎え撃ち、もう一回転して襲いかかる。
「せい!」
「はぁっ!」
私の剣はエクスの剣に弾かれて、体制を崩す。
「一閃!」
エクスが一閃を放つ。
そう、この体制では私は一閃でしか返せない。少なくとも、エクスの中ではそうなのだろう。だから私の一閃を警戒しつつ、私の一閃が間に合わなかった時はそのまま一本取れる。エクスの持つ情報内では最善手だろう。―――エクスの知る情報の中では!
「十文字!」
今回の隙は敢えてエクスに切らせる為に作った隙だ。それに飛び込んできてしまったエクスにここから返す手段はない。
十文字の一撃目が、驚愕に目を見開くエクスの一閃を弾き飛ばし、追撃の袈裟斬りがエクスの左肩に突き刺さる。
『ゴキィ』
「ぐぁぁぁぁぁぁあ!?」
「―――えっ!?」
「なっ!? おい! お前ら! 保健室の先生を呼んでこい! 早く!」
左肩を押さえて蹲るエクスに、僕は何が起きたのかが理解できなかった。いや、理解したくなかった。
『僕の十文字が、エクスの左肩を破壊した』
という事実を。
エクスが保険の先生に運ばれていく。
それを僕はただ呆然と見送ることしか出来なかった。
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